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木のこころ

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よくある質問

Q木材業界は苦しい状況と聞きますが、何故木材 は高いのですか。もっと価格を下げられないものでしょうか

A. 「木材は高い」というイメージが何となく定着している感じがあります。実際はどうな のかを考えてみたいと思います。 簡潔に結論から言えば、大量生産される工業資材と比べれば高いということと、流通の 複雑さがコスト高を招いているという二つの側面があります。 第一の問題。規格型の工業製品は、木材に比べて安い原材料を近代化された工場で大量 生産されますから、当然ながら木材より格段安く仕上り、それに儲けをつけてもなお安 いことになります。 これに対処するために木材業界はどうしたかと言えば、地場での木の家づくりよりも、 大手ハウスメーカーへの追従を強め、部材提供業化して、代替材との競争をはじめまし た。それは、仕入れ叩き↓機械化による大量生産↓供給過剰↓低価格化競争↓仕入れ叩 き、という悪循環を招き、体力の低下、山元での不採算化、日本の林業の衰退、外材の 大量輸入を呼ぶことになりました。 時にはブームに乗って過剰値上げを一時的にしたこともありますが、この不況下で、 ここ2~3年間ほどは、毎年20~30%の値下げが問答無用に強制されています。例えば 山元では間伐材を十本切り出しても数千円にしかならず、人件費さえ出ないのが現実 です。これまでm3当り10万円で採算のとれていたものが、7万円以下に押さえられてい ます。 こういう現状での木材の価格が、それでも高いと言えるでしょうか。 ポイントは二つあります。ひとつ、大量生産された無機質材と数十年から100年、200年 手をかけて育てられた木材の製品が、同じ土俵の上で、価格比較をされるべきではない ということです。それでも価格だけで比較されるならば、木材以外の資材を選んでもら うしかないことになります。 もうひとつは、その材の耐用年数からのトータルコストを考えてほしいということです。 今の住宅の平均寿命が26年位ですから、資材もそれだけ保てれば良いという前提があり ます。塩ビ等の資材は汚れれば取り替えるしかありませんし、傷は日毎に見にくい姿に なります。ところが、木材は、すでに何回も触れている通り、樹齢もしくは寿命分だけ 長寿ですし、傷ついても見にくくはなく、自然に馴染み、「背くらべ」の歌の思い出の 柱の傷にさえなります。変色してもそれは自然の風合いを強め、風格にもなります。 それは木材が生きている素材だからです。 これが木材なのです。ですから、例え代替材の価格より高いとしてもトータル的には決 して高くないことを知ってほしいと思います。 だからと言って、いくら高くても良いというのではありません。価値に見合った価格を 認めることが共存の前提であり、生活者の求める住まいづくりにとって必要ではないか ということです。 そして第二の問題、不明朗な流通で、複雑な価格という木材業界の姿にもメスを入れる ことが必要になっています。この体質的、構造的問題を克服する課題は、まさしく今後 の流通の改革にかかっています。しかし今、それにも増して大切なことは、建築・設計 者、工務店・地域ビルダー、木材業者の三者が一体となった木の住まいづくりを推進す ることです。 こうなった原因は主に、ハウスメーカーへの追従を強めた木材業界にあるでしょうが、 それを乗り越えて、三者が手を取り合うことが求められていると思います。 このことを通してこそ、流通の改革もすすみ、価格の透明性と共存の条件をつくり、木 の住まいづくりを推進する道だと考えます。「木のこころ」は、この新しい運動づくり に役立つ情報誌でありたいと考えています。 (編集室S)

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