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木を生かす木を育てる

住まいは家族の幸せの容れもの 地域に根ざした住宅づくりを推進

(財)住宅産業研修財団 
近年の住まいは、高気密高断熱による結露、化学物質によるシックハウス症候群などの様々な問題に直面していますが、地域に根ざした住まいづくりを提唱する(財)住宅産業研修財団では、質の高い住宅の普及とそれを供給する工務店の育成を目指し、工務店経営研修、建築・住宅関連情報のデータベース化を行うなど、設立以来、様々な活動を続けています。
今回は同財団の活動と同財団が組織するQBCの活動を紹介します。
住まいをつくる七つの理念  
(財)住宅産業研修財団は昭和52年12月、建設省住宅局住宅生産課の許可法人として住宅産業界の近代化を目指して、研修を主な事業として設立されました。
 同財団の理事長、松田妙子さんは、よい住まいとは「家族の幸せの容れもの」であり「人格形成の場」であると訴え続けています。
それは、明治以降、欧米文化を取り入れる過程で先人によって培われてきた住まいづくりの創意工夫、伝統文化や「躾」や「遠慮」という心を忘れ去った、今の日本の住文化へ警鐘を鳴らすためでもあります。
 それは松田さんが「住まいとは天災から人間の生命を守り、健康に暮らせ、自然とも共生でき地域の気候風土に合ったものである。
同時に、日本独特の引き戸、襖、障子というようなものを活用し、家族の団らんが茶の間で行われ、身を持って姿で現す躾が行われるような楽しい家庭をはぐくむものであり、その中で子供が健やかに健全に育っていくもの」と信じているからです。
 そして地域に根ざした住まいづくりとして7つの理念を挙げています。
その7つの理念とは①日本の伝統と技術を生かし、家族がふれあい、思いやりや遠慮の心が育ち、躾が行われ、子供たちが健やかに育つ「日本の伝統・文化を受継ぎ、人格形成の場となる住まい」②地域の材料や自然素材を使い、資源の有効活用・リサイクルを視野にいれた資源循環型の「地球環境を大切にした住まい」③地域の自然や気候に適し、家並みや周辺環境と美しく調和する「気候・風土を活かした住まい」④無駄な修繕費や維持費がかからず、60年以上永持ちし、増改築に柔軟に対応できる「財産を守る住まい」⑤安全な建材を使い、風通しをよくし、湿気やカビに配慮し自然光や自然の香り、色彩、肌ざわりなどを取り入れ、住む人の生命力を高める「病気をつくらない住まい」⑥防災・防犯に配慮し、地震・台風などの自然災害に強い「生命を守る住まい」⑦年を重ねても障害があっても過保護にならず、持っている力を引き出し、お年寄りが知恵や技術を生かし、生きがいを持って暮らせる「高齢者や障害者が、自立して暮らせる住まい」です。
同財団は、この7つの理念を実践するために様々な活動を行っています。
技術の向上をめざすQBC  
そのひとつに、工務店を始めとする住宅産業に携わる人を対象とした「工務店経営研修事業」があります。
この研修は経営管理技法や住宅の品質を向上させるための技術・技能などをテーマにしたもので、住宅設計やインテリアコーディネートの実例から、経営戦略まで含めた講習で、現在は毎年東京で2回、大阪で1回開催されています。
この9月から大阪で開催される研修は第49回となり、現在までに900名余りの方が受講しています。
参加者からは「大変貴重な経験を積ませていただいた」「色々な知識を得ることができ大変有意義に過ごせた」という声、「今まで以上にプラスに物事を考えられるようになった」と研修で啓発された人、「参加者が人間として真面目な方ばかりであった」「参加者同士、本音の話ができ、ネットワークが広がった」と、研修後も引き続き情報交換が出来る仲間との「出会い」が収穫だという声が多数寄せられています。
 そして、この工務店経営研修を終了した工務店を対象に組織されているのが「地域優良工務店の会・QBC(クオリティービルダーズクラブ)」で全国に約200社の会員がいます。
 会員は松田理事長の提唱する「地域に根ざした住まいづくりの基本理念」に基づいた家族の幸せの住まいづくりをそれぞれの地域で実践している工務店で、各種研究会、勉強会に参加して、さらなる技術向上をめざし、会員相互の意見・情報交換を続けています。
 例えば関西QBCでは「優良住宅ガイドライン(性能評価・表示部会)」「リニューアル研究会」「エコ住宅建材情報研究会」のほか消費者向け勉強会、セミナーなどを催してQBC会員のために様々な情報、勉強の場を提供しています。
 「優良住宅ガイドライン」は月1回の開催が定着していますが、参加各社が内部資料であっても惜しみなく公開したり、品確法の勉強会では建設省から品確法制定、普及の担当者を、またエコ建材の勉強会では実際に使用している人を講師に迎えて開催し、参加者からは毎回積極的な質問が続出し、しばしば予定時間をオーバーしています。
 関西QBCの活動に参加していた会員の中から「北陸でも仲間を募り、独自の勉強会を開きたい」との声がきっかけで、北陸で勉強会を開いたり、「和歌山でも独自の活動を」と和歌山部会が発足するなど会員の意識の高さがうかがわれます。

様々な活動で住宅づくりをバックアップ  
その他の財団の活動としてHIC(ハウジング・インフォメーション・センター)があります。
HICとは住宅に関する様々な情報を一つにまとめた住総合データベースのことで、自治体を中心に全国に約500ヶ所設置されています。
 実際に一般の人々が、いざ住宅を建てようと思った時に、手に入る情報というのは偏りがあったり「良いのか悪いのか」「高いのか安いのか」という比較検討がしにくいという問題や大手メーカーのような宣伝力を持たない、地域で活動している優良建材メーカーの情報が広がりにくいという問題があります。
 HICには住宅部品、部材などの情報や輸入住宅を含めた住宅施工例の情報をはじめ、国や地方自治体の融資・助成制度の情報も簡単に検索して引き出せるようになっています。
 このほかにも同財団ではシンポジウムの開催や出版活動に加えて、一方的に情報を発信するだけでなく参加できる事業の第一弾として「大地に還る住宅」の作品の提案を募集したところ、全国から1500件近くの問い合わせがあり、こちらも順調にスタートしており、今年も11月27日締切で募集中です。
 同財団の様々な事業活動を契機に、よりよい住まいづくりを実践する工務店の活動がさらに活性化し、21世紀に向けて日本全国で地域に根ざした住まいづくりが広がり、それぞれの地で定着することが期待されます。
財団法人 住宅産業研修財団 本部
インターネット上にある樹木、木に関する情報のアーカイブをまとめたホームページです。これとは別に木に関する一週間の情報が見れる「WEB新聞一週間」というサイトがあるのですが、一週間たったあとでも情報が見たい。もう、リンク先がなくなってしまっていて情報が見れない。などの意見があり、「web新聞--樹木」が出来たそうです。現在、2006年から2010年までのアーカイブが公開されています。このホームページでは樹木に関するニュースのアーカイブを取り上げていますが、他にも森林・環境編、林業編、住まい・木材住宅編、木材・木工・木製編があります。他にも、木材に関するウェブサイトが紹介されています。 このwebへのリンクは web新聞--樹木 です。
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