20世紀もいよいよ終幕に向けての
悪あがきを強めています。
その一方で、二十世紀的な価値観や常識を乗り越えての21
世紀づくりへの動きも強まっています。
20世紀は、戦後に代表される西洋文明の下で経済成長を競
い、洋風化、近代化へ向かってまっしぐらに走った時代でした。
すべては西洋合理主義と科学性を基準にした価値観と、西洋的
常識の枠の中で判断されてきました。
私たちは、このめざましく発展し、豊かさを得、経済大国化
した日本という国のぬるま湯にどっぷりとつかってはいなかった
でしょうか。
90年代に入って次々と綻びが見えはじめ、近代資本主義は、
みずからのつくり出した矛盾で身動きさえとれず、その解決と克
服の方向も方策も打ち出すことができずにいます。
この20世紀の矛盾を考えると、その根本の原因が、西洋文明
による自然支配、力(資本と武力)の支配・飽くなき利潤の追求
にあることがわかります。
間もなく迎えようとする21世紀を、20世紀の延長とするこ
とが許されないことは、多くの声の一致するところです。
それは
、資源・環境問題や経済システムを見るまでもなく、正常な社会
の営みはおろか、地球と人類の存亡の危機を招くことになるのは
必至だからです。
20世紀の価値観の中心にある自然支配、人間中心主義、合理
的判断基準を大転換し、自然との調和と共生を基本にして、新し
い人間同志の「和」と「互助」の関係をつくり、本物主義を貫く
ことこそが21世紀をつくる基調とならざるを得ません。
その担い手となれるのが日本であり、日本の文化です。
長い日
本の歴史は、自然との調和と共生の精神に貫かれ、何よりも「和」
のこころを大切にしてきた民族です。
しかもいま、世界に先がけ
て本物の技術や商品、本物の企業や人を生み出している国です。
ところが、21世紀の担い手が日本であると多くの人たちが認
め、かつてアインシュタイン博士が、80年近く前に21世紀の
日本の役割を予言し、メッセージを発しているのですが、肝心の
日本人が日本のことを正しく知らされておらず、日本に誇りも持
てていないのが現実です。
そこで、本号では、日本の歴史の根源、日本のこころの根源を
探り、21世紀を考えることにしました。
根源を探っていくと、私たちの知らないことがいっぱいでてき
ます。
知らされていないことも書かなければいけなくなってきま
した。
戦後の歩みを振り返えると、実に多くの真実が私たちに見えな
いように操作されたり、偽りが教えられ、それが常識とされてき
ています。
それは例えば、日本の古代史であり、宇宙と自然のことであり
、超ミクロの世界と超マクロの世界であり、生命の本質の問題等
々です。
ところが、この隠されていたもの、否定されていたものの中に
こそ真実があると言えるようです。
本誌では、これまでも、少しだけ今の常識や価値観と反対のこ
とをとりあげてきましたが、そろそろ本当に言いたいこと、隠さ
れていたことを語るべき時に来ていると考え、本号でも少し取り
上げました。
21世紀は、本当のことを学び、受け止め、生き方や在り方を
考えて行くべき時代だと考えて特集を組みました。
読者のみなさ
んと一緒に考え合えればと思っています。
さらに本号では、環境資材、生活・健康資材として注目を集め
ている木炭・竹炭についても特別企画として編集しています。
また、本号から、流通業を主に経営コンサルタントのトップ企
業である㈱船井総合研究所の工務店経営指導担当の味園さんによ
る公開レポートの連載を開始します。
この第12号の発行で丸2年になりますが、多くのみなさんか
らの寄稿・投稿、情報提供で発行を続けられ、多岐にわたる内容
で徐々に充実させてこられたことに心から感謝し、3年目に入り
たいと決意も新たにしています。