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内装にこそ木を生かそう!

内装にこそ木を生かそう!  シックハウス問題が表面化し、居住環境の改善がテーマとして表面化したのは8年ほ ど前からです。
 バブルが崩壊し、住宅の低価格化が急激にすすみ、"価格破壊"が流行語のようにな り出したのもこの頃です。
 住宅の低価格化はどのようにしてすすめられたかは、語るまでもないでしょうが、 部材で見れば、低質な粗悪材と、安い原料でできる無機質の工業製品にとって替わら れました。
それに接着剤の使用が一気に増えました。
 工法で見れば、簡略化・省施工が優先され、パネル工法をはじめとする大壁工法が 主流になりました。
同時に、高気密・高断熱がこれに歩調を合わせて一段と仕様の中 心とされ、それが最高の工法のような風潮がつくられました。
 シックハウス症候群が社会問題化した背景は、まさにここにありました。
 住まいが、家でなく、器にさせられたのがとりわけバブル後の傾向でした。
 しかし、問題はそれ以前からで、昭和30年代から大々的に持ち込まれた洋風住宅、 そして集合住宅が、これまでの住まいづくりと住まい方を大きく変えていました。
 家は商品にされ、住み人、施主の想いとは関係なくつくられるようになったのです  和を育てず、情操感を奪い、自己治癒力を低下させる器が家とされ、愛も文化も生 めない家になったのです。
 いま、木の家づくりを大きく広げることは、このような流れを断ち切り、日本らし さを育てるためにも、日本の山を育てるためにも、緊急とも言える必要課題となって います。
 ところが、現実にはまだ躯体にコンクリートが使われていますし、集合住宅におい ては木造化を許さない規制その他の問題があります。
 この現実を前にすると、では、内装をどうするかが大きな問題になってきます。
 そこで、本特集は、内装にこそ木材を生かすべきとの考えで、洋風住宅とコンクリ ートの問題も取り上げながら、内装に木材と自然素材を使うことの積極的意義を論じ ました。
 折しも、本誌読者である東京の高野さんから、内装に本物のムク材と自然素材を使 い、室内汚染濃度を0.05ppm以下にしたマンションが完成したとの知らせがあり、その 事例と高野さんの想いを、こ特集の中に入れることができました。
 内装に木材を生かし、健康づくりを推進する建築の広がりを期待していま
す。

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