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DIY事始め

「週休2日になったし、俺は工作が好きなんだ。」と一念発起、日曜大工をしようと思われた人が本屋さんへ行きます。そこにあるのは「やさしい楽しい日曜大工」とか「初体験の日曜大工」とかのスーパー初級用の本か「ログハウスを建てよう」とかのスーパーマニアックな本が並んでいて、当然あなたは、「まあこれぐらいから・・・」 と言う気持ちで初級本を購入することになります。

ところがこれが曲者なのです。 それも徹底的に曲者なのです。かくて本を熟読したあなたはとりあえず初級バージョンの本箱・椅子の類から挑戦することになるわけですが、希望に燃えたあなたはその週の土曜日にホームセンターで完璧に仕上げされたラワン材の板を買ってきます。料理人を目指す者がボンカレーで夕食をとるような何かしらの不満が残るのですが、まあ材料は良いとしましょう。問題はこれからです。ここまで完璧な「レトルト材料」を用意しながらうまく本箱を作れないのです。当然、奥様からは「ダメねぇ・・」と言う評価しかされません。しかしここでありったけの勇気を奮い起こして翌週には再度椅子に挑戦する方は余程忍耐のある方です。

しかし現実の壁は厚く、出来上がった作品に対しては奥様からは「こんなもの置かないでちょうだい!」と非難され、自分でも「まだ本箱の方がましだっかな・・」とリビングルームに置けるはずもなく、息子の勉強部屋に強引に父親の愛情を押し付けることになります。かくてこの2週間であなたは完全に「やる気」をなくしてしまいます。

あなたが思うことは「自分は不器用だ」「日曜大工なんてマニア向けなんだ」「材料買うより出来上がりの製品買う方が安い」等々の反省の数々です。

ここで問題なのは、あなたは一番困難な道から入ったことに気づいていないのです。 確かにあなたは初級用の本を買っては来ましたが、そこに書かれているのは、実はスーパーマニアックの内容だったのです。

例えば、「とりあえず小さいものから」と考えたばっかりに最初から高級(加工が)家具に挑戦すると言う愚を犯しました。

次には「簡単な工具から」と思ったばっかりに「ノミ」や「かんな」と言う安価で手ごろな初級用工具のつもりで買ったものは実はそれ1本で法隆寺が建つと言う素人は絶対に使ってはならない神聖なスーパープロフェショナルツールであったのです。

時間が戻れるならあなたがすべきだったのは、「とりあえずエクステリアから入る」 「ノミとカンナは絶対に使わない」「できればリビングルームの前のデッキから始める」 以上のことだったのです。では

なぜエクステリアから日曜大工をはじめればうまくいくのでしょうか。

A.現実に北米の本屋に行くと、DIYの本ではエクステリア関係が一番多い
(それだけ需要があると言うことです)

B.エクステリア商品は多少粗く作っても見栄えがする
(しかし最近出回っているデッキは「えっ~」言うぐらい荒いのがあるのは
行き過ぎとは思いますが・・・)

C.エクステリア商品は複雑な加工せずに簡単に作れる。
(複雑な加工・仕口をすると屋外ではかえって耐久性がない)

D.短時間で作れるにもかかわらず、大きいものが出来る。
(作った人の満足感がある)

E.デッキ等は特に用途が広く、すぐに生活に役立つ。
(家族が皆喜ぶので、満足度が非常に大きい)

F.使う工具が使い易い(ハンドツールにしろ、電気道具にしろ使い易い道具を使う。
(例えば非常に使いにくい、のみ・かんな等は使いません。
寸法精度がずれたところで、機能上も見栄え上も問題ありません)

2.その2 ウッドデッキ編

3.diyの工具について

4.日本でdiyが育たない本当の理由

(1997.10.7より) /最終更新日 1998年11月18日

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