第二の問題は、自然の持っている力、癒しと蘇生力を受け容れるかどうかで あり、人間もまた大自然の産物で、大自然によって生かされている存在だと いうことを理解するかどうかにある。
かっての日本人は、自然を敬まい、慕い、従うを当り前としていたが、文明 の発達とともに自然を都合の良いように変えようとした。科学の発達、近代 の発展につれて自然を破壊し、支配しようとするようになり、いつの間にか 人間が一番偉いと錯覚するようになってきた。
しかし、最近の新しい科学、ニューサイエンスの分野や脳科学の分野、さら には遺伝子研究の分野の成果から、見事に人間も大自然の産物であり、生か されていることと、地球上の究極の存在で、地球の全ての存在に責任を持つ べき存在であることが証されてきている。
これらについては、いづれかの号で取り上げることにと考えているが、少な くとも、人間が絶対的存在であると考えたりしないで、自然の持っている偉 大な力を認め、受け入れ、自然の摂理を学び、従って住まいづくりを考える ことが必要であろう。
自然は(1)単純・シンプルで合理的で、ムダがない。
(2)開けっぴろげで、節約型で、調和・共生し、アナログに連続し、自々 完結型になっている。
(3)スパイラルに生成発展している。
(4)自然はゆらぎ、癒しと蘇生力に満ちている。
住まい方も、多少の暑さ、寒さも我慢し、自然と共生することが健康への第 一条件であることを考えないと、ますます虚弱で、抵抗力も免疫力もなく なっていまうことになる。