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古代からのこころを伝える麻を考える

麻に学ぶ古代の叡知~その可能性を探る

㈲ 縄文エネルギー研究所所長
「麻エネルギー研究開発学会」理事  中山 康直



●世明けを迎えて ついに21世紀を迎えました。
光の時代の到来です。
2000年という、ひとつのサイクルを迎えた今、この母なる地球が育んでくれてい るあらゆる「命」を、そして、その命をさらに育んでいくための古代からメッセー ジといえる「伝統叡知」を人類の集合意識としても気づく時期に来ていることを感じ ます。
そして、その「気づき」が、21世紀に必要とされる循環型社会を構築するうえで 非常に重要なポイントになってきています。
●天然循環資源の復活 この美しい地球には、古来より人類に様々な恩恵を与え、生命の進化に貢献して きた存在たちが、たくさん育まれています。
植物や鉱物、微生物たちは、地球をひとつの生命体と考えた場合、生態系ネット ワークそのものであり、人類に多大な貢献をし、共に進化してきました。
現在の地球では、人類の唯物的な集合意識から環境が破壊され、それにともない 健康が悪化し、危機的な状態を迎えていますが、この状態を打開し、循環型調和社 会を構築し、本来のあるがままの地球の愛に目覚めるうえで、超古代から活用され てきた天然循環資源である大麻が見直されてきています。
●産業用大麻 現在の一般的な認識では、大麻が法律で規制されているということもあって、何 か恐ろしい麻薬という固定観念が出来上がっていて、大麻の本来の意味が見えにく くなっています。
麻薬とは麻酔作用をもち、常用すると習慣性があり、中毒症状や禁断症状を引き 起こすものでありますが、この意味においても大麻は麻薬ではなく、法律的にいっ ても大麻取締法は麻薬取締法とは別の法律として位置づけられています。
大麻は「ヘンプ」といわれ、雌雄異株の桑科の1年草で学名は「カンナビス・サテ ィバ・エル」といいます。
環境的にいっても、精神的にいっても古来から人類社会に貢献してきた産業用植 物であり、環境に優しくバランスをとりながら、様々な資源になり得るエコプラン トなのです。
それが、どうして世界的に規制されたかといえば、1900年代の初頭に石油資源を 中心に経済を発展させようという政治的な考え方の中で、大麻産業のような循環 産業が、石油化学産業の推進の流れには不必要だと理解され、大麻を始めとした多 くの天然循環資源が衰退していったという歴史的な背景があります。
しかし、最近の環境破壊という現状により、半世紀以上の封印の末、古来からの 天然循環資源である大麻が見直され始めています。
現在、EU(欧州連合)を始めとする諸外国では、ヘンプ産業は、環境産業とし て確立され始め、あらゆるものに活用されています。
1993年にはイギリス、94年オランダ、95年オーストリア、96年ドイツ、98年カ ナダが産業用としての大麻栽培を解禁しています。
EUでは、1998年度に1ヘクタ ールあたり、9万円の栽培助成金を出し、栽培を奨励しています。
既に欧米では、ヘンプはひとつの産業として確立されつつあるのです。
麻の葉模様
●日本の大麻 日本では、古来から大麻は神聖なものとして取り扱われ、その昔、天上より、大 麻の草木を伝って、神々、神仏が降臨したとされています。
日本人は縄文時代以前の古代より、大麻を栽培し、生活に密着した植物として、 様々なものに活用してきました。
大麻は、罪穢れを祓う聖なる植物として、神事的なものに多く利用され、お札( 伊勢神宮大麻)や御幣、神社の鈴縄、狩衣、巫女の髪紐、お盆の迎え火など、いた るところで使われていました。
また、大相撲の横綱の化粧まわし、下駄の鼻緒、凧揚げの糸などにも用いられ、 日本の伝統文化の中でも、なくてはならないものでした。
それが、第二次世界大戦後、GHQ占領下において、1948年の大麻取締法制定に より、国内の栽培者が減少の一途をたどり、石油化学産業の台頭とあわせ、栃木県 、群馬県、岩手県などのごく一部の地域を除いて、大麻産業が衰退し、こうした一 部の利用のみに限られています。
しかし、最近の衣料、化粧品としての輸入量は大きく拡大しており、日本紡績協 会によると原料の輸入が、98年が38トンで、99年1月~10月が累計で261トン (7.68倍)であり、国内自給の声も高まってきています。
日本では現在、大麻取締法のもと、栽培が厳しく規制されていますが、産業用目 的などで、都道府県知事の許可のもと免許制として栽培が可能です。
●環境大麻 ■紙 大麻の茎からは、紙、繊維製品、建材、プラスチックなどが製造できます。
たとえば、大麻紙の原料である大麻パルプは木材パルプと比較しても耐久性にす ぐれ、同じ栽培面積から木材パルプの4倍の紙を生産できます。
また木材パルプの 、製造過程で必要な塩素漂白は、環境に重大なダメージを与えますが、大麻紙は汚 染物質を出さないASAパルプ化法を確立しています。
大麻紙は200年たっても、劣化がほとんどみられないほど上質で耐久性も極めて 高く、1年草であることから数十年の生育期間をもつ木材と比較して、はるかに有 利であり、森林伐採を食い止めることに貢献します。
ちなみに、ヨーロッパの土地の12%に大麻を栽培したとしたら、その年の全世界 の紙がまかなえるという研究報告もあります。
■布 紙と同様に繊維製品や布類としても様々な生活用品が製造できます。
綿は繊維をとるための重要な作物ですが、1993年には綿栽培のために15万トン (世界の26%)もの農薬が使用されました。
綿の場合は、生育過程で何度も農薬を散 布しなければならず、繊維から製品をつくる過程でも大量の化学薬品を必要としま すが、大麻は、農薬や化学薬品を使用しないでも生育するため生産コストも安くなり ます。
さらに、大麻繊維は綿繊維より4倍の耐久性をもち、単位面積あたり、綿の 5倍の数量を生産できます。
大麻繊維は通気性と吸水性にすぐれ、加工しだいで肌着に使うような柔らかいも のからロープのような丈夫なものまで幅広く加工できます。
コロンブスがアメリカ大陸を発見できたのも、大麻製の帆やロープだったおかげ で、他の繊維だったらアメリカの歴史も大きく変わっていたことでしょう。

■建材 フランスでは、大麻の茎と石灰を混ぜて作ったボードや断熱材が商品化されてお り、これらを壁用建材として使った環境住宅が500棟ほど建てられています。
天然循環資源ですから壁が呼吸し、温湿度の調整をしてくれますので、省エネに 貢献しています。
また、今、問題とされている化学溶剤を使った発ガン住宅といわれるものや環境 ホルモンなどの心配もなく、非常にクリーンな住宅素材です。
この建材としての大麻ボードは、耐火性にもすぐれており、この特性は、住宅に とって最大の利点になります。
100年以上かかって育つ木材を使って30年しかもたないような家を造っている現 在の住宅から、100日で育つ大麻を使って100年以上もつ家を造る意識にシフトす ることで住宅事情は大きく変わり、結果として森林の保護や生物種の保全に繋がり 、本来の生態系の回復に向かっていくでしょう。
■プラスチック 1929年から、アメリカのフォード社は、大麻の自動車への応用を12年間研究し 、その研究成果を「土から育ったオーガニックカー」というフレーズで、1941年 にポピュラーメカニック誌に掲載しました。
車体のフレームは、スチールを使用しましたが、ボディーの70%は、大麻とサ イザル麻と麦藁で作られ、残りの30%は、大麻樹脂結合材から作られたヘンププ ラスチックボディで、大麻の種子から搾取した油を燃料にして走らせることに成 功しています。
ちなみに、この車は、同型のタイプの車と比較して、重量は3分の1で、衝撃強 度は10倍あるということでした。
大麻のバイオプラスチックは、石油系のプラスチックと比較すると燃やしても有 害物質を出さない点や生分解が可能な点で、非常に環境に優しく、波動的にもすば らしいことから、環境プラスチックとしての可能性は、EUでも大変注目されてい ます。

「木偏百樹」(中川藤一著)の続編のために集めた情報を公開しているホームページです。残念ながら続編の話は締結中だそうで、そのため、公開中の方法も制作途中のものです。漢字の読み方や別名、木の解説や著者のコメントなど、百種類の木偏の漢字が紹介されています。馴染みのある漢字から、見たこともないうえに読み方のわからないもの、ひとつの漢字で6文字も読むもなど、いろんな漢字があります。また、データベースの他にクイズとして、木編の漢字をどれだけ知っているか力試しをすることができます。これは、ひらがなを漢字に直すタイプと漢字をひらがなに読むタイプの二種類あります。 ホームページは  新木偏百樹 です。
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