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語源にみる木草のこころ
語源に見る日本人の感性
木々や草花の語源を探ってみよう
前号では木々や草花の語源を遡る導
入部として、日本語の音の意味につ
いて少し述べました。
今回から木々
や草花の語源のお話に入ります。
木
々や草花の語源を通じて、古代の人
々が木々や草花に抱いた豊かな愛情
と繊細な感性に触れてみたいと思い
ます。
最初に「木」そのものの語源に触れて
おきましょう。
木の元の音は「きぃ=
kyi」で、百音図から「k」音は「もの」、
「yi」音は「柔らかい」ですから、
「木=きぃ」は「柔らかいもの」です。
標準語では、木は短く「き=ki」音
で発音されていますが、関西特に近
畿では、木は「き」音ではなく古い
「きぃ=kyi」音が使われています。
和歌山県の古地名「紀伊(きい)の国」の
「紀伊」も「木=kyi」そのもので、
「紀伊(きい)の国」は「木(きぃ)の国」と
も記されています。
日本に木の文化が育ってきたのは、
木の語源「柔らかいもの」からも分か
るように、石や青がね(青銅)などで作
られた簡単な石斧や刀でも、それな
りに加工できたからです。
もちろん
木が柔らかさと同時に兼ね備えてい
る、軽さ(水に浮くこと、持ち運びや
移動が容易であること)、丈夫さ(荷重
や曲げに強いこと、十分乾燥させれば
腐食せず長持ちすること)、美しさ(木
目や木肌の模様)なども、木の文化を
支える大きな要因であったことは言
うまでもありません。
漢字では「木」を二つ並べると「林」、
更にその上に「木」を重ねると「森」の
ように、木の数を単純に増やすこと
で林や森を表現していますが、日本
語の林は「はーやーし=ふぁーやーし
=fa(接する)‐ya(重なる)‐si
(より確か)」で、「より確かに接する
ように重なるように木々が生えてい
る状態」を言い、森は「もーり=mo
(本当に多い)‐ri(状態)」で「木々が
本当に多い状態」を言います。
木々が
同じ平面の中で本数を数えられる程
度に重なって見える状態を「林=は
やし」とし、本当に多くの木々が山の
起伏を埋めて密生している状態を「森
=もり」としているのです。
木の密度の疎な林の中は散策でき
ますが、木の密度の濃い森の中は
直ぐに道に迷ってしまいます。
「か
らまつの林を出でて、からまつの
林に入りぬ」と歌う北原白秋の「か
らまつ」も、「からまつの森を出で
て、からまつの森に入りぬ」では、
迷子になって「我が行く道」は「続か
なく」なるのです。
古代大和の栄光を忍びながら早春
の山辺の道を一人歩きすると、南
面する小川の石垣の陰から、咲き
始めたばかりの濃い青紫色の「す
みれ」の花が、「よくいらっしゃい
ました」と花びらを精一杯広げて
迎えてくれます。
「すみれ」の語源は「すーみぃーれ
=su(より見えない、より見つけ難い)‐myi(本当に優しい、
本当に可憐な)‐re(状態、もの
、花)」で、「気がつかなければ見逃
してしまいそうな岩陰に可憐に咲
く花」のことです。
雪の多い北国や
高地の春は、雪の中で寒さや風を
避けて蕾をふくらませた「すみれ
」やタンポポが、雪解けと共に花
を開いて現れてくる感動的な出会
いから始まります。
かすかな花の
香りを感じて目を上げると、早咲
きの梅の花がほころび始めていま
した。
古代、中国から伝わった梅
の実は、梅干として万病に効く重
宝な薬でした。
この「梅=うめ」の
語源は、「うーめ=u(見たことも
ない)‐me(本当に大切な)」で、
それまで「見たこともない本当に
大切なもの」でした。
梅の木は、木
材としての利用には適さないでし
ょうが、その実は我が国最初の漢
方薬として「うめ」の音と共に伝え
られたのです。
「桜(後述)切る馬鹿
、梅切らぬ馬鹿」という諺がある
ように、梅の木は、古い枝を切り
落として、新しく育った枝にのみ
花が咲き実がなります。
梅が終わる頃には桃や桜が咲き
始めます。
桃の「もも」音は、「百
々」の音「もーも=mo‐mo」と
同じ意味で、「本当に多い、本当
に長生き」という意味を持ってい
ます。
桃の木には美味な桃の実が
本当に多数実ります。
「桃(もも)」
の名は、不老長寿の人々が住む極
楽浄土を「桃源郷」と呼ぶように、
この実を食べると本当に長生きで
きると信じられて名づけられたの
でした。
桃の花が赤味を増す頃、桜が我が
世の春を歌います。
「さくら」の「さ
=sa」音は「より多い(大きく)」、
「く=くぅ=kwu」音は「組み合わ
さる」、「ら=るゎ=rwa」音は「群
がる」ですから、「桜(さくら)」の語源
は「より多くの花が組み合わさり群
がるように咲いている木」となって
、「さくら、さくら」の歌の「弥生の
空は見渡す限り霞か雲か」のように
咲く様子をよく伝えています。
「さ
くら」を「さく=咲く(語幹は「さ」)」
、「ら」と分けた場合も、その意味
は同じようになります。
「桜切る馬
鹿、梅切らぬ馬鹿」の「桜切る馬鹿」
は、桜は梅と違って古枝にしか蕾
をつけないこと、桜の枝や幹の切
り口は腐食しやすいことからきて
います。
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