浜寺公園駅は大阪難波から南海電気鉄道南海本線で約30分、片道運賃320円の道程です。明治40年、海水浴場への玄関口として建設されました。そのため、大量の乗客をさばく臨時の木製改札口が今も残っています。東京駅を設計した辰野金吾と、建築家、片岡安により設計された駅舎で私鉄最古のものとなっています。南海電気鉄道は現存する日本の私鉄で最も古い会社です。木造平屋建ての鉄板ぶきで、柱の骨組みを壁に埋めず、装飾模様として活かすハーフティンバー様式(木骨真壁造り)になっています。正面の屋根窓や鹿鳴館風の柱が雰囲気を出していますが、残念ながらペンキがはげ落ちてきているところが多くありました。退避設備を備えた2面4線のホームを持ち(難波方面行ホーム側に駅舎があります。4番線は難波側の切り欠き部にあり、元々はこの駅で折り返す列車が使用していましたが、現在は待避線となっています。4番ホームの反対側には5番線があった形跡が残されています。和歌山市方面ホームは島式ホームで木製ラチスで仕切られた地下道によって連絡しています。また、駅舎の反対側(線路の東側)にも改札口があり、1・2番ホームと構内踏切によって繋がっています。駅舎内の旧待合室は「浜寺ステーションギャラリー」として地元の人に新たに活用され、多くの人々に親しまれています。この駅舎は平成10年に国の登録有形文化財として指定され、第1回近畿の駅百選にも選定されています。大阪府が予定している連続立体交差事業による鉄道の高架化で駅舎が解体される心配をしています。