新大阪から採銅所駅までは、JR新幹線のぞみを利用し、小倉でJR日田彦山線に乗り換え、3時間51分、片道運賃14830円の道程です。博多からだと1時間36分、4270円の道程です。採銅所駅は大都市圏に隣接した香春町北部の山あいの小さな無人の木造駅舎です。1915年(大正4年)の開業当時から使われている駅舎には、横下見板のモダンな洋風の装飾がほどこされています。 待合室の天井は無垢の木材にペンキ塗りで、シャンデリアはなくなつているが、四角い待合室の空間に対し菱型に組まれているレトロ感いっぱいのもの。入り口の駅名看板は楠を板状に荒引したものに毛筆で「採銅所驛」と書かれています。駅入口に横には鮮やかな赤と青の木製ベンチがあります。
三ノ岳や西側にある牛斬(うしきり)山の鉱山で採れた石灰石を門司に送り出す積み出し駅として栄えました。駅周辺の山には坑道の跡がいくつも残っており、「採銅所」という地名は、かつてここで銅が採掘されていたことに由来するとされています。ここは1956 年までは採銅所村という独立した自治体でした。
物流の主役が車へと移る前の昭和30年代頃、採銅所駅は山から切り出した石灰石やセメントの原料を運び出す貨物輸送の拠点として栄えていましたが、現在は貨物の取り扱いは廃止となりました。昭和55年に無人駅になりました」。