東京駅から姨捨駅まではいくつかの経路があるが最も早く到着するルートは、JR新幹線あさまを利用し、長野で乗り換え
JR篠ノ井線を利用し、3時間6分 片道運賃8390円の道程です。長野県の篠ノ井駅と塩尻駅を結ぶ篠ノ井線の駅で、標高551mの山の中腹に位置しています。全国でも数少ないスイッチバック方式を擁する駅です。
現在の駅舎は大正デモクラシーの時代の設計で昭和9年竣工の2代目、白色(クリーム色)の横板張りの壁、正面入り口上部にある装飾を施した明かり採りの窓などは今では斬新なデザインに見えます。当駅のホームから見下ろす善光寺平は絶景として知られ、根室本線の狩勝峠(現在はルート変更により廃止)、肥薩線の矢岳駅
と共に日本三大車窓の1つに数えられる。ここは「姨捨山の伝説」や平安時代からの観月の名所、姨捨の「田毎(たごと)の月」など、幾層にも歴史を重ねた景勝地です。姨捨地区からの景観は上高地や天竜峡、寝覚の床、光前寺庭園と並び長野県下にある国指定の名勝5ヶ所のうちの一つでもあります。日本経済新聞社の2007年アンケート「足を延ばして訪れて見たい駅」の全国第2位にランクされた(1位は北九州市門司港駅)。また2008年には全国に数ある月の名所の中から当駅周辺が第1位の「お月見ポイント」に選ばれました。高知県桂浜や滋賀県石山寺(京都東山との説もある)とともに従来から日本三大名月に数えられていました。
昭和47年から国鉄職員がいない無人駅になりました。無人化後も平成初め頃までは
構内に売店があり、委託として乗車券が販売されていましたが、店主の引退に伴い売店が閉店となり、完全に無人駅となりました。
観光にも訪れる人がいるのに駅が荒れていくのを見かねたJR社員有志などがボランティアとして
駅舎の清掃活動を続けており、そうした人々の温かい心遣いのお陰で、今なおきれい
な木造駅舎です。