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や から始まる言葉
矢 (や) edge くさび(楔)のこと。
矢板 (やいた) sheet pile 建設現場で周囲の土地の崩れを防ぐため打ち込む板。軟弱地盤の掘削の際に掘削後に土砂崩れが起きないように、掘削範囲の周囲に連続的に打ち込まれる土留め用の板。山止めともいう。大型工事の場合は鉄製のものを機械力で深く打ち込む。木製のものを木矢板ということもある。木材の矢板に求められるものは安価で強いこと。中川木材産業では土木仮設材事業部がこの仕事を専門に行っている。
焼付け塗装 (やきつけとそう) baking coat 主として合成樹脂系のエナメルを金属に塗装し、これを180℃前後の高温で加熱硬化する塗装方法。
焼板プレス (やきばんプレス) heat press 鉄製プレスの下部定盤を直火または電熱で直接加熱するプレス。主として木材の狂いの矯正に用いる。
薬医門 (やくいもん) 門の形式の一つで、親柱の位置が屋根の棟の通りより少し前に立ち、控え柱が後ろのほうにあるもの。正面1間で左右の親柱の上部に太い冠木 かぶき を渡し、腕木にかえる股や束を立てて棟木を支え、腕木の先端に桁を置く、比較的規模の小さいものが多い。
薬剤散布機 (やくざいさんぷき) medicine sprayer 病虫害防除に使用する器具類の1種。苗畑の病害虫駆除に使用する1人用背負形からトラクタに装備した自走式散布機、高いタワーの上から樹冠に散布するもの、あるいは広い面積に散布する場合に使用する航空機搭載用がある。
屋久杉 (やくすぎ) Yaku cedar 鹿児島県の屋久島に生育する巨大な杉。樹脂があって腐りにくく、多雨と高温による生活環境に支えられて成長。樹齢1000年以上のものも多く、それ以下は「小杉」として区別している。質は密で、脂多く狂いは少ない。銘木中最高のもの。欄間、天井板などに用いる。
薬品着色 (やくひんちゃくしょく) chemical staining 酸、アルカリ類の薬品の水溶液を木材に塗布し、材中のタンニン酸などと化合させて発色させる方法である。杉、楢、桜、欅などをシタンやコクタンに近い色、あるいは神代色と呼ばれる、埋もれ木のような古びた濃い色を着色する場合に用いる。アンモニア水、重クロム酸カリウム、過マンガン酸カリウム、硫酸鉄などを用いる。
役木 (やくぼく、やくぎ) 日本庭園での古来よりの樹木の植え方、役割の技法ノウハウである。屋敷、建物、灯篭、井戸、手水鉢などを含めた庭園との関係。
庭園木のうちで、建物、灯篭、井戸、手水鉢などとの関係において、特殊な意味合いを持たせて植えられる樹木。主要な場所にそれぞれの目的にあった樹種を植えることを定めた約束事で、庭の景観に趣を出すために考えだされた、言い伝え。長い歴史と経験から培われてきたものだが、現在も庭園作りの参考として継承されています。江戸時代に書かれた「築山庭造伝」には、役木として次のように紹介されている。正真木、景養木、寂然木、夕陽木、流枝の松、鉢囲いの木、橋本の木、滝囲いの木、池際の木、庵添えの木、垣留の木、袖ヶ香、灯籠控えの木、灯障りの木、井戸会釈の木、下井戸の影木、塚添の木、見越しの松など。
役物 (やくもの) fine timber、appearance timber 1.製材品とくに針葉樹のうち小節、上小節、無節、柾目材の特等、1等級に属するもので色物ともいう。並物と対照して使われる言葉。2.材料や部品において、標準の形状とは異なり、端部の納まりなどのために特殊な形状をしたもの
櫓門 (やぐらもん) 石垣の間に上部に塗りこめた形式の渡り櫓を造り、その下を門とした二階建ての門。二階門ともいう。
焼け (やけ) 木材の表面の色が空気中にさらされているうちに酸化して色が濃くなること。
灼け込む (やけこむ) 盆栽用語。枝を切った後や枯れた時などに、傷跡の部分から根に向けて幹が枯れ込んでいくことをいう。針葉樹でもこうした状態が起きることがあるが、広葉樹に多い症状。幹が灼けるのは、致命的なことにになるので、太枝を切る場合などは灼けないように、すぐ下に枝がある箇所で太枝を切るとよい。枝が残っていれば水を吸い上げることができるので、灼けることはない。このためこの枝を「灼け止めの枝」と呼ぶ
薬研彫り (やけんぼり・やげんぼり) 材の背をV状に彫ること。小屋組の谷木の上端などに施す。もともと薬研彫りは、お墓に文字を刻む際の刻み方の一つで、削った箇所がV字になっている彫り方をいいます。 陰影がつき、文字が浮き出たように見えます。また、薬研は、薬剤師が漢方薬の薬の材料となるものを粉砕するための舟形でV字にくぼんだ形をしていることから。
屋敷林 (やしきりん) residential forest 住宅の周囲に植えられた樹林。防風、防雪、防砂、防火、防暑などの目的をもっている。都市では少ないが、平野地帯の農村ではほとんど屋敷林を設けている。樹種は地方によって特徴があり、東北、北陸地方ではスギが多く、島根県の簸川平野ではマツ、関東、東海地方ではカシ、マキ、スギ、ケヤキなど、四国の太平洋側、南九州ではシイ、クスノキが多く見られる。
矢車附子 (やしゃぶし) かばのき科のやしゃはんのき、またはひめやしゃぶしの実を煎じてつくる染料。着色剤として、桐 きり たんすの着色に用いる。「夜叉倍子」とも書く。
鑢 (やすり) 材の表面や木口を削る工具。良質の炭素工具鋼に目を刻んで焼入れをしたもの。金属、木工用、新建材用など用途により多種類の素材や形状がある。特に木工用のものを「木鑢」という。
痩せ (やせ) lean 木材が水分を失うにつれて収縮すること。急激な過度の乾燥によって生じる。コーキング材やシーリング材などを充てん後、収縮してへこむこと。
野生化 (やせいか) その地に元来存在しなかった植物が、人間の影響によってその地に根付き、自然状態で繁殖すること。草本の場合は「帰化」ともいうが木本ではあまりいわない。
家大工 (やだいく) 江戸時代以降、民家(住宅)を建てることを専門とした大工。宮大工、船大工などに対していう。
矢高 (やだか) 丸太を弓に見立てたとき、木の端から端まで張った弦から一番離れているところの高さを矢高(やだか)といい、丸太の曲がりの指標となります。曲がり丸太を弓に見立て矢の部分の高さをこれに充てている。最も大きいところを最大矢高といい、この差の大小によって、素材および製材の日本農林規格では、それぞれの品等に区分し、欠点として扱う。
八橋 (やつはし) 庭園などで掛ける橋の一種で、数枚の厚板を少しずつずらして掛けたもの。通常手すりは設けない。『伊勢物語』の故事と和歌にちなんで、カキツバタの庭園に設けられることが多い。8枚の板からなる三河の八橋に由来する。
雇い核腰付き枘 (やといざねこしつきほぞ) 胴付き面に雇い核を入れた枘接ぎ。
雇い核接ぎ (やといざねつぎ) employed tongue joint 接合すべき両面に溝をつくり、これに別につくった小幅の薄板を核として入れる接ぎ手。矧手仕口の一つとして用いられる。
柳科 (やなぎか) Salicaceae 樹木の学名。広葉樹。どろのき、やまならし、やなぎ 柳 などが含まれる。
柳障子 (やなぎしょうじ) 竪繁(たてしげ)障子の竪框(たてがまち)と上下の桟を漆で黒く仕上げた障子。書院で使われた。「短冊 たんざく 障子」ともいう。竪繁障子の別称に用いられる場合もあり、また竪繁の腰高障子を指すこともある。室内側からは逆光になる窓辺のまぶしさを黒漆で調整する効果もある。
魚梁瀬杉 (やなせすぎ) Yanase cedar 日本三大スギ美林の一つであり、高知県の県木に指定されている。秋田杉、吉野杉と並んで有名。淡紅の色合い、ダイナミックでありながらもキメ細かい木目が特徴で、節も少なく、柱材や天井板などの高級建材として人気があります。
脂 (やに) resinまたはgum 樹木が分泌する粘液。樹脂。松脂、ゴムなど。
屋根足場 (やねあしば) 勾配屋根上での作業、及び安全のために作られる足場。流れの長さ、屋根面積にもよる足場は一般に5寸勾配を超えると必要といわれている。
屋根板 (やねいた) single 屋根を葺く板の総称のこと。こけらいた(柿板)と称する厚さ2㎜程度、長さ200㎜程度の針葉樹の柾板(柾割り)、とくさ(木賊)板と称する薄板、とちいた(栩板)と称する厚板などがある。野地板は屋根板の下地板である。
屋根付き塀 (やねつきべい) 板塀の形式の一つ。雨除けの屋根を用いたものでさまざまなものがある。
屋根トラス (やねトラス) ツーバイフォー工法の小屋組のトラス方式に用いるトラス部材のこと。切妻屋根にはスパンに応じてキングポストトラス、ふぃんくとランすを使い、寄棟(よせむね)屋根には台形トラス、隅棟(すみむね)トラス、配付(はいつき)トラス、妻配付トラスを使う。入母屋(いりもや)屋根には入母屋垂木を受けトラスがある。この工法の小屋組には、この方式のほかに「垂木方式」「屋根梁方式」「束建て方式」がある。
屋根梁方式 (やねはりほうしき) ツーバイフォー工法り小屋組の一方式。垂木を屋根梁または耐力壁、支持壁によって支える。垂木方式と異なり、天井根太はなくてもよい。切妻、片流れ、陸屋根に対応可能。
矢筈 (やはず) 1.弓矢の弓の両端の弦を掛けるV字形の部分を筈といい、矢の弦に掛かるV字形の部分を矢筈という。このことから、細い棒の先にV字形の叉のついたものをさす。踏み台を使わずに掛軸を掛けるための棒状の道具。2.山の連なった矢筈の並んだような模様のことをいう。
矢筈切り (やはずぎり) 弓矢の鏃(やじり)のようにV字形に切ること。遣方杭(やりかたぐい)上端加工の一つ。
矢筈鑿 (やはずのみ) 先端をV字形にしたのみ。障子の框にほぞ穴のような小さい穴を打ち込んでしまうのみ。
藪出し (やぶだし) yarding 木寄せ。伐倒した立木をその場所から林道などへ運び出すこと。
山形県の木 (やまがたけんのき) 「さくらんぼ(桜桃)」が県の木として指定されている。
山形プレート (やまがたプレート) Λ形、山形をしたZマーク表示金物の一つ。耐力壁際の引き抜き力を受ける柱と横架材、通し柱と横架材などの接続部に用いる。
山口県の木 (やまぐちけんのき) 「あかまつ(赤松)」が県の木として指定されている。
ヤマトシロアリ Reticulitermes speratus 北海道の北東部を除いてほぼ日本全土に棲息し、イエシロアリと並ぶ代表的な種である。温暖多湿を好み、加害される木材は腐朽を伴うことが多く、腐朽菌のチレメンダケには誘引作用があるといわれる。イエシロアリに比べてコロニーは小さく、被害も緩慢である。
大和張り (やまとばり) 板戸や天井板の張り方の一つ。表と裏から交互に打つやり方。
大和塀 (やまとべい) 板塀の形式の一つで、横胴縁(横木)に対して板を交互に重ね合わせて打ち付ける方法のもの。和風の趣になる。
山梨県の木 (やまなしけんのき) 「かえで(楓)」が県の木として指定されている。
山の字 (やまのじ) 木材業界の数詞の符牒。おもに関東地方を中心に慣用されていた。8を意味する。
山元価格 (やまもとかかく) 木材生産地における値段。
山元立木価格 (やまもとりゅうぼくかかく) mountain village stumpage value 山(森林地)での樹木そのままの状態での価値価格で1立方メートル当たりの価格。計算方法はその時の市場価格から、伐採、搬出、輸送などの費用を除いたもの
遣り戸 (やりと) 引き戸、引込み戸のこと。鴨居と敷居との溝にはめて、横に引いて開閉する戸
軟木 (やわぎ) 針葉樹の総称として用いられる語。広葉樹の堅木はよく利用されるが、軟木は現在ではあまり用いられない。
ヤング係数 (ヤングけいすう) Young's modulus ヤング(1773~1829年)によって発見された木材の変形のしにくさを表す係数のこと。数字が大きいほど変形し難い。木材の応力度(外圧に抵抗する力の度合)を歪み度(外圧によって変形したものが復元する度合)で割ったもの。