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し から始まる言葉
枝 (し) 建物の規模を示す一番小さい単位。寺院建築において、垂木と垂木の心心の距離を一支という。斗の間隔は二支分。柱間、軒の出なども一支の整数倍にする。「支」とも書く
仕上げ鉋 (しあげかんな) finish plane 目的材の最終の仕上げ削りに用いる鉋。一枚鉋と二枚鉋があり、普通二枚鉋を使うが、真にきれいな面に削るには、一枚鉋がよいともいわれる。削りくずの厚さは0.02~0.025㎜程度。「仕上げ仕工鉋」「上仕工鉋」ともいう。
支外垂木 (しがいたるき) 切り妻や、入母屋屋根の妻側の化粧垂木のこと。壁(柱通り)から破風までの間の数本の化粧垂木。「しがや」と呼ぶこともあります。
滋賀県の木 (しがけんのき) 「もみじ(楓)」が県の木として指定されている。
敷居 (しきい) sill、door sill 鴨居(かもい)と対をなす部材。言葉の由来は古語の「しきみ」という門の内外を区別するために敷いた横木がら。
出入り口や障子や襖などの部屋の間仕切りとして床面におく浅い溝のある横木のこと。
鴨居とともに建具を構成する部材で障子や襖のレールのような役目。また、敷居溝は木表側に作る、消耗を防ぐには溝に堅い木を埋める。利用する木材は、ひのき、まつ、つが、まれに、けやき、かし、さくらなどを用いる。中敷居、指敷居、薄敷居、無目敷居などがある。
敷居、敷居は落語や古い文学小説などにはよく出てくる。昭和時代ではすへでの人が知っている単語であったが、現在では住宅内装の洋風化によって使われなくなり、この単語を知らない人たちも多い。
敷桁 (しきけた) wall plate 小屋梁または根太などの端を受けるもの。壁の上部にあって柱と柱を連結する桁。京呂組(きょうろぐみ)で小屋梁を受ける桁がこれにあたる。
式台 (しきだい) 住宅の玄関の上下足の履き変えのため土間と上がり框の中間に設けられた板敷き部分をいう。本来は書院造りにおいて「送迎の挨拶をする所」の意味で、「式代(しきだい)」と呼ばれた。高齢になると玄関から履物を履こうとするとバランスをとるのが困難になってくるが、式台があると、いったん式台におりてから履くとスムーズになる。そこで商品として数多くのものが出回っている、多くは式台の下に靴などが収納できるようになっているが、これは土間からの高さがあるため、靴を履くにはバランスがとりにくい。そのため中川木材産業の式台(商品名:玄関ステップ)は限りなく高さを低く設定してある。
四脚門 (しきゃくもん) 日本の門の建築様式のひとつ。主柱二本の門に、控え柱を二本付けた門。 四足門とも表記される。 重要文化財として残る日本の門の建築様式の中では最も多いものであり、正門に配されることの多い格式の高い門とされる。「よつあしもん」とも呼ばれる。
歯距 (しきょ) pitch of tooth ピッチともいい、鋸歯の間隔。一般に横切り鋸の歯距は縦挽き鋸のものよりも小さい。
仕口 (しぐち) joint、connection、joint、connection 木造建築で2つ以上の部材を交差して接合する方法。継ぎ手、組手などを切り刻んだ面。材同士を欠き合って組合せる組手と、柱などに横架材の端部を差し込む差し口とに分けられる。大入れ継ぎ、傾ぎ大入れ、相欠きなどがあり、継手とともにその形状、納まりは多用である。括しくち弧ともいう。
錣屋根 (しころやね) 屋根形状の一つ。入母屋屋根と構造上似ているが、棟からの勾配のきつい屋根と軒側の勾配のゆるい屋根とを曲線でつながずに、区切がある造り方。寄せ棟に切り妻を乗せたような屋根。
支持柱 (しじばしら) 1.補強に用いる柱。2.ツーバイフォー工法において、耐力壁の配置と床梁等の補強だけでは床や積雪等の鉛直力を支えきれない場合に用いる柱。
下枝 (しずえ) 下の方の枝。したえ、したえだともいう。
静岡県の木 (しずおかけんのき) 「もくせい(木犀)」が県の木として指定されている。
自然系塗料 (しぜんけいとりょう) 化学物質を含まないかほとんど含まず。天然油脂や樹脂が主原料の塗料のこと。しかし安全性を優先するために防腐剤は含まれていないので、デッキに塗装することにより防腐効果を高めることは期待できない。ホームセンターで販売されている屋外用木材保護塗料はほとんどの場合防腐剤は含まれている。価格は一般の塗料よりも高い。オスモ、リボス、バトンが有名である。
自然林 (しぜんりん) natural forest 天然林ともいう。植林によらず自然に生育した森林。人手の加えられていない森林。
四足門 (しそくもん) 日本の門の建築様式のひとつ。主柱二本の門に、控え柱を二本付けた門。 四脚門とも表記される。 重要文化財として残る日本の門の建築様式の中では最も多いものであり、正門に配されることの多い格式の高い門とされる。
下穴 (したあな) ウリンなどのハードウッドなどは硬いためにコースレッドを打つ前に下穴錐、皿取錐などで穴を開けておく
下穴錐 (したあなきり) 下穴加工をするために使う。インパクトドライバに装着して使う。
下刈 (したがり) weeding 植栽した苗木の生育を妨げる雑草木を刈り、とり払う作業。一般に植えてから数年間、毎年春から夏の間に行われる。下刈方法には主に3つあり、全刈り(造林地の雑草木を全面に刈り取 )、
筋刈り(苗木の列に沿って筋状に刈り取り一部の植生が残る)、
坪刈り(苗木のまわりだけ円形に刈り取る)などがある。
下木(したぎ・したぎ) 木造の継手、仕口において、上下に組み合せるときに下方側となって上木(うわぎ)を受ける部材をいう。一般に女木(めぎ)が下木となることが多い。樹木の下木は読み方が「かぼく」。
下枠 (したわく) 1.開口部の下部にある板をいう。2.ツーバイフォー工法による壁を構成する軸組部材の一つ。3.フェンスの下の部分の枠。
蔀 (しとみ) 1.格子の裏に板を張った板戸。開口部に取り付けるが、上部と下部に独立し二枚となる。上の蔀は半蔀(はんじとみ)といい、吊ってはね上げることができる。
2.和船の舷側に立てて波しぶきや日光などを防ぐ板。
鎬 (しのぎ) 1.ridge of knife 刀の刃の高い(太い)部分。2.実肘木や木鼻の木口中央を盛り上げて峰を作ること。木材の中央部に鎬を付けて彫刻したりすることを「鎬彫り」という。
四半敷き (しはんじき) 敷石やタイルを全体から見ると斜め45度に連続して張ること。
鵄尾 (しび) 古代の寺院、宮殿の大棟の両端につけた飾り。形は鳥の尾または魚のようで、沓(くつ)にも似ているところから沓形(くつがた)ともいう。 後には鬼瓦やしゃちほこに発展してゆく。
師部 (しぶ) phloem 樹木を組成する組織の1つ。樹皮の内側にあって葉が光合成によって作った炭水化物を樹体の各部に輸送する通導組織。
四方転び (しほうころび) 規矩(きく)術の用語。小さいものは腰掛、建物では鐘楼や水屋などのように柱4本を利用している場合で、それぞれが傾いていて、上方部分が底辺より狭くなっているものをいう。柱が内側に傾いているので、関連部材の作業や市口が複雑となり、規矩術の理解が必要。
島根県の木 (しまねけんのき) 「くろまつ(黒松)」が県の木として指定されている。
錫杖彫り (しゃくじょうぼり) 虹梁(こうりょう)の下側に錫杖形の彫物をして装飾とした物。
錫杖とは、頭に金属の環が数個ついている杖。遊行僧が携帯する道具の一つで、銅や鉄などで造られた頭部の輪形に遊環(ゆかん)が6個または12個通してあり、音が出るがこれを地面で突いて音を鳴らして歩く。「錫杖彫り」については宗派により不要な場合もある。
決り面 (しゃくりめん) ploughing shaving 浅い段欠き面。台形断面を決り出すので、指物(さしもの)仕事に用いられることが多い。
しゃくる 木材の加工方法の一つで漢字では「作里」、「決る」と当てます。大工用語。溝を掘ったり、板を接ぐための実(さね)を付けたりする仕事の時はしゃくると言うことが多い。欠きとるの「欠く」と同じ意味。ただ「欠き」は木目に対して直交方向に欠きとるのに対し「しゃくり」は木目に平行方向に欠きとります。溝を仕上げたり、段差のある部分を削る鉋を「しゃくり鉋」と呼ぶ。
種 (しゅ) species 植物分類の基本単位。種は単一の種類で、構造的に同じで、共通の祖先をもっているもの。しかし、種のうちには基本的な構造や性質は変わりはないが、形の変わったものや大きさの違ったものが地域内に出ることがある。このようなものは亜種という。
雌雄異株 (しゆういしゅ) dioecism 雌雄別株ともいう。雄の木と雌の木が異なる樹木のこと。雌雄異株の樹木は、雄株と雌株の2本の木がないと実がならなず、実は雌株のみにつく。
集成材 (しゅうせいざい) glued laminated wood、laminated wood、glulam 乾燥した木材で、節その他の欠点をカットし、繋ぎ合わせた板(lamina)を、繊維方向を揃えて合成樹脂接着剤で接着して作る木質材料製品のこと。天然材に比べ、幅の広い板や長い材を作ることができ、湾曲した材料でも製造できる。JAS(日本農林規格)では用途により、造作用集成材、化粧張り造作用集成材、構造用集成材、化粧張り構造用集成材の4種類の区分を設けているが、普通は化粧用集成材と構造用集成材に大別される。造作用は美観を増すためツキ板という0.3ミリから2ミリほどの薄板を表面に貼った製品も多い。構造は強度、耐火性が優れており、大断面集成材は大型建築構造材として鉄骨の代用にも使われる。優れているが、加工度合が増えるので製材品より価格が高くなる。一般に輸入された通直の構造用大断面集成材はグルーラムと呼ばれている。1893年にスイスで建物に利用されたのが最初。
シュート 株元や太い幹、枝などから伸びる長い若い枝。
私有林 (しゆうりん) private forest 国有林に対する語。民有林ともいう。)会社・組合・個人等が所有する森林。
種子植物 (しゅししょくぶつ) spermatophyte 種子で繁殖する植物。受精して種子をつくり、繁殖する植物の総称。種子植物は植物界で最も進化した植物で約25万種あるといわれており、裸子植物と被子植物に分類される。
主伐 (しゅばつ) final cutting 伐期に達した成熟樹、つまり住宅用の素材として利用できるぐらいの大きさになった木を伐採することをいう。また、のちの樹木たちの育成を目的とする伐採の意味もある。森林の全面すべて伐採する皆伐や、一部を選んで伐採する択伐、間引きのための間伐とは区別される。
主木 (しゅぼく) 庭園の中心部や上部に、その庭の中心となるように植えられた木のことで、マツ、イヌマキ、モッコク、ヤマモモ、ケヤキ、イロハモミジ、サルスベリなどの高木が植えられることが多い。
須弥壇 (しゅみだん) 寺院・仏堂において、仏像を安置するため一段高く設けられた場所(台)のこと。下には鎮壇具が埋められていることが多い。
鐘楼 (しゅろう・しょうろう) 梵鐘を吊る堂。「しゅろう」ともいう。 撞木(しゅもく)で梵鐘をついて時を知らせる。キリスト教などにおける同様の建物を指す場合もある。
障子 (しょうじ) 遮光と断熱を目的とした建具。平安時代に開発された障屏具(へいしょうぐ)の総称で「そうじ」ともいった。そのため障子は本来、衝立(ついたて)の意味であったが、現代では紙張りした木製建具とをいう。
職方 (しょくかた) 建設、建築用語で元請から見た場合に、各下請の職人または業者を指していう。
職長 (しょくちょう) 工事現場において各職種ごとに存在し、自分の配下の職方の管理、および現場における指示の伝達を行うリーダー。
白木(しらき) (しらき) plainwood 塗料を塗らない、木地のままの材のこと。「素木」とも書く。日本の場合、神社や宗教施設や物などで白木のものが多い。日本人の場合白木を神聖なものと思う感覚を持っている。家具の場合、手が触れることが多く、汚れ易いので、クリア塗装や白木塗装でうすい塗膜をつくることもある。住宅の建材として白木を用いると、メンテナンスに手間がかかるため推奨されない場合が多い。
白太材 (しらたざい) sapwood 辺材部分の木材をいう。樹幹の木質部の周辺を占める部分であり、心材に対する語である。心材の濃い色に対して淡色であることが多い。含水率は比較的高い。木材に製材した場合、このぶんぶんの腐れに対する耐久性は悪い。、
支輪 (しりん) cornice 1.箱物家具と天井の間に設ける調整部材。天井は正確に水平になっていることは少なく、隙間ができることも多い。そのようなときに取付家具と天井の境界に取り付け隙間を隠す。
2.cornice 折上げ天井などで、折上げ部分を支えるS字型の部材・蛇腹(じゃばら)部分をいう。天井と壁面の境を湾曲させたり飾り面を取付けたもの。
「亀の尾」とも呼ばれる湾曲した堅木を連続させたものを「折上げ支輪」という。
新木 (しんき)
newly cut wood 木肌の新しい素材。伐木造材後、ただちに出材したもので干割れ、変色などのないもの。またはその年度内に生産された素材。青木ともいう。
シングル shingle 屋根仕上げ、外壁仕上げに用いる薄い板(こけら板 )。主に北米の材料によるものをさす場合が多い。樹種はレッドウツド、レツドシダーなど。木を繊維に沿って薄く割ったものは、鋸で製材したものよりも材表面が毛場立たず水切れがよい。
針広混交林 (しんこうこんこうりん) 針葉樹と広葉樹がまざっている森林。長所は、天然林のようになるので生物多様性が高い、災害に強い土地、同じ樹種が近接していないので病虫害も拡散しにくいなどが考えられる。
心材 (しんざい) heartwood 1.樹心の色の濃い部分。樹木は成長につれ、毎年外側に新しい細胞ができ、死んだ中心部の細胞にある化学物質により、褐色や黄色に変色する。細胞は活力を失っているが、狂い、腐れが少なく、色沢が美しく、形状的にも安定しているので、良質な部分として実用的には重視される。普通、針葉樹は広葉樹に比べて辺材、心材の区別がはっきりしているものが多い。樹種によっては、美しい赤色を見せることから、「赤身」、「赤味」、「赤肌」とも呼ばれる。2.樹木の中心に近い部分を用いて材にしたもの。
芯去り材 (しんさりざい) 原木の樹心部を取り除いた材比較的太い材から製材された材。造作材などに利用する。
新梢 (しんしょう) 今年伸びた枝(当年枝)。新梢の伸び方で、樹勢がはっきり分かる。「一年枝」「一年生枝」「新芽」もほぼ同義として使われることが多い。
薪炭林 (しんたんりん) coppice forest 薪及び木炭の原材料となる原木の生産を目的とする森林。樹種はクヌギ、コナラ、ヤマザクラ、エノキなどの広葉樹。萌(ぼう)芽によって更新され、伐期は短い。
真束 (しんづか) 屋根の最上部にある棟木を支える他の束よりも長い束をいう。棟束(むねづか)ともいう。和小屋と洋小屋ではその構造上の違いから受ける力が異なる。和小屋が圧縮に耐えるのに対し、洋小屋では引張り力を受ける。洋小屋では杵束(きねづか)ともいう。
寝殿造り (しんでんづくり) Shinden architecture 平安時代に成立した貴族の住宅様式のこと。寝殿を中心に従者の住宅などを対称的に配置した構成。書院造りと並んで日本住宅建築の2大様式とされている。
浸透性塗料 (しんとうせいとりょう) クリアーラッカーやニスとは異なり、塗膜を形成せずに、成分を木材に浸透することにより塗装するタイプの塗料。屋外使用の場合は塗膜性の塗料は耐候性がないので、浸透性の塗料が使われることが多い。日本ではキシラデコールなどが有名。
シンプソン金具 (しんぷそんかなぐ) アメリカのシンプソン社が製造しているDIY用の金物。ツーバイフォー材に対応していて、ウッドデッキから住宅の分野まで使用範囲がある。ただ機能を中心に考えられているので、日本人がデッキの部品として使う場合は見栄え上の違和感があり、見える部分に使うのは避ける方が無難である。なお中川木材産業の応接にある丸太輪切りテーブル(650年)はシンプソン社のオリンピツク州有林から 伐採され、 中川木材産業の新工場の記念として贈呈された。国際花と緑の 博覧会で展示、芯まで腐っていない丸太輪切りとしては日本最大である。
芯持ち材 (しんもちざい) 原木の樹心を含んでいる材を芯持ち材と言います。間伐材を利用した木材などは、径がほそいことから、必ず芯が入り、芯持ち材となる。
森林GIS (しんりんGIS) GIS(ジー アイ エス)とは、Geographic Information System の略称で、森林の地理情報システムの意味。地理情報をデーターベースとデジタル化によって運営利用している。
境界、道路、河川、林班位置、樹種などの森林基本図や森林計画図、森林簿といった森林の基本情報をデーターベース化し、これまで個別に管理されていた図面や帳簿を一元管理するシステムです。本システムは地方公共団体(都道府県、市区町村)が保有する森林基本データとGISの地図情報を活用した位置情報の連携ができるシステムです。数値をデジタル化することにより、視覚的にわかりやすくなるため、森林の現状を素早く把握し、様々な関連業務を迅速に処理することが可能になります。
森林環境教育 (しんりんかんきょうきょういく) 森林内でのさまざまな遊びや学習、活動をすることにより「地球温暖化防止」など森林の重要な役割や循環再生、森林資源、景観などの必要性を理解しやすいように教育する取組み。
森林林業基本計画 (しんりんきほんけいかく) 森林・林業基本計画は、森林・林業基本法に基づき、日本の森林・林業施策の基本的な方針等を定めるもので、森林・林業をめぐる経済、国際、環境などの変化に対応するため、おおむね5年ごとに変更することとされています。近年では令和3年6月15日に新たな森林・林業基本計画が閣議決定されました。
森林組合 (しんりんくみあい) forest owner's association 森林所有者を組合員として主に1町村を単位として、森林組合法法に基づいて設立されたく特別法人、つまり協同組合のこと。事業内容によって施設組合と生産組合に分けられる。施設組合は(1)森林経営の指導事業(2)販売、購買、金融等の経済事業(3)伐出、植栽等の生産事業を主として行う。生産組合は完全な共同化を目的として組合自身で森林経営を行うもので、組合員は出資とともに労力を提供して生産事業に従事することが義務づけられている。平成の時代には多くの森林組合が合併した。問題としては森林組合によっては補助金をあてにする体質や役所の天下り先となっていることであろう。
森林計画制度 (しんりんけいかくせいど) Forest Planning System 長期的視点に立って、森林の存続と環境保全、生産物の増大を図りながら、森林の多面的な機能を生かすよう森林の施業を計画的かつ合理的に行うための体系づけられた制度。戦争で荒廃した森林を復旧するため、将来の住宅用の資材として生産するため、昭和26年(1951)の森林法改正によって制度化したものである。全国レベルでは全国森林計画、都道府県レベルの地域森林計画、市町村レベルの市町村森林整備計画、森林所有者等が自主的に作成する森林施業計画がある。
森林産業 (しんりんさんぎょう) 従来では林業や木の実や炭、その他生産物のことを指していたが、現在では森林資源全体を利用する考えになっている。健康、観光、教育等の多様な分野で活用する新たなサービス産業となりえます。
森林審議会 (しんりんしんぎかい) forest council 森林法(第68条)に規定された政府または、地方公共団体首長の諮問機関。森林に関する重要事項について、諮問に応じの農林大臣、、都道府県知事にそれぞれ答申、または建議する。審議会の構成は中央森林審議会は学識経験者13名、関係行政機関の職員8名の委員からなり、農林大臣により任命される。都道府県森林審議会は学識経験者10名、関係行政機関職員5名からなり知事が任命する。任期は2年。
森林整備 (しんりんせいび) 森林の中での様々な仕事に必要な施設、特に道路(林道)等を作り、整備維持をすることにより森林全体を育成すること。
森林整備公社 (しんりんせいびこうしゃ) 財団法人東京都森林整備公社。森林の整備、林業の普及啓発、その他緑化に関する事業を行う東京都の外郭団体として昭和63年に設立。平成10年に農林水産振興財団に吸収・統合。
森林整備法人 (しんりんせいびほうじん) 立木(森林)の所有者が森林整備を行うことが困難な場合、代わりに造林、育林等を行うことを目的として地方公共団体や財団法人、社団法人等の出資等により設立された公益法人。
地方公共団体、社団法人は総社員の表決権の過半数を、財団法人にあっては基本財産の過半を拠出しているものをいう。
森林施業 (しんりんせぎょう) forest management plan 森林を維持造成するための伐採、造林、保育などの行動諸行為を適正に組み合わせ、目的に応じた一連の作業行動。広くは禁伐なども含める。
森林施業計画 (しんりんせぎょうけいかく) forest management prescription 地域森林計画に基づいて森林所有者が1人または共同でその所有林について40年以上の方針を元に5年を1期とした長期計画を作成し、市町村長や知事の認可をうける制度。→森林計画制度
森林帯 (しんりんたい) forest zone 植物が種類によって、その生育に適した環境に分布して育つ、その地域をいう。環境は 1.気候 2.土壌 3.地形に分けられ、その内植物成育上 1.による温度と水分が大きな比重を占める。従って植物生育地域の区分を気候、気温を基準として→寒帯林、温帯林、暖帯林、熱帯林に大きく4区分し、その地域に生育する代表的樹種によって表現されることもある。シラベ、トドマツ帯=寒帯林、ブナ帯=温帯林、カシ帯=暖帯林、榕樹(ヤシ、タコノキ、アカテツ、クロテツ)帯=熱帯林など。
森林蓄積 (しんりんちくせき) 森林を面積ではなく、樹木などの総計の体積で表した量のこと。日本では、現在およそ30億m3を超えるストックがあり、人工林が過半数以上。
森林のもつ多面的機能 (しんりんのもつためんてききのう) 森林は水源の確保、自然環境、林産物の供給場所、自然環境と景観などの機能がある。近年、樹木が二酸化炭素吸収や固定化する素材となることから、地球温暖化の防止機能としての役目が重要視されている。東京の森の多面的機能は貨幣換算すると年間約2千億円との試算もでている。
森林の流域管理システム (しんりんのりゅういきかんりしすてむ) どこかを中心とした円形の集まりではなく、森林の産地から川に沿った流域を基本的な単位として考える管理システム。実際の木材の流通のり流れにあっている。その流域内の市町村、林業・木材産業等の様々な関係者による協議・合意の下で、森林整備から木材の生産、加工、流通にわたる川上から川下の連携を進め、民有林と国有林を通じて適切な森林整備と林業、木材産業の活性化を総合的に展開しようとする取組。
森林を守る都民基金 (しんりんをまもるとみんききん) 平成元年8月1日に森林整備公社に設置された。目的は都民への森林理解と親しみ、都市住民と山村住民との交流、林業労働者の確保などがある。
森林林業基本法 (しんりんりんぎょうきほんほう) 森林のもつさまざまな特性をさらに推し進めてゆくために基本的事項を定めた法律内容を見ると、
森林の有する多面的機能では、森林の整備の推進、森林の保全の確保、技術の開発及び普及、山村地域における定住の促進、国民等の自発的な活動の促進、都市と山村の交流等、 国際的な協調及び貢献、
林業の持続的発展では、望ましい林業構造の確立、人材の育成及び確保、林業労働に関する施策、林業生産組織の活動の促進、林業災害による損失の補てん等、
林産物の供給では、、木材産業等の健全な発展、林産物の利用の促進、林産物の輸入に関する措置の項目がある。
地板 (じいた) bottom board 1.和室などあって床面と同じ高さに張られた板の総称。用いられる場所によって呼び名が異なり、和室の入口に張るものを「踏込み板」、茶室の座敷内のものを「板畳」などともいう。2.踏込み床の床板。3.床脇の遠い棚の下の幅広の板のこと。付書院下の化粧板。4.箱物家具などの一番下の板で、天板に対する語。寄せ木細工などの台になる板
JAS (ジェーエーエス) Japanese Agricultural Standard 日本農林規格)制度 ふつうは単に「ジャス」と呼ぶ。木材関係では、素材、製材、合板、集成材、フローリング等。製品は自主的検査機関において等級検査を行い、該当する等級と責任検査機関名を刷り込んだJAS標紙を添付して消費者の保護を義務づけている。
地円飛角 (じえんひかく) 奈良時代から平安時代にかけての、垂木の古式の形。寺院の軒は、地垂木と飛えん垂木を上下に重ねて使うが、下の地垂木の断面が丸く、上の飛えん垂木の断面が角であるとことをいう。
自家受粉 (じかじゅふん) self-pollination 自分の花粉が自分の雄しべについて受精し、結実すること。針葉樹は単性花を着けるので、同じ個体の花粉が同じ個体の雌しべに受粉すること(隣花受粉)、または花粉が同じクローンの雌花に受粉することも自家受粉という。
食堂 (じきどう) 寺院ではじきどうと呼ぶ。寺院で僧たちが食事をする堂舎。金堂、講堂とともに寺院建築の重要な建物で、多くは本堂の東廊に続き、廊下には魚板をかけて、食事の合図にたたく。
食堂(じきどう)と食堂(しょくどう)の違いは食堂(じきどう) には本尊を安置する。
仏教は生活そのもので、食事はいのちの場である、との仏教の考えから。
治具 (じぐ) 工作物の所定の位置に固定して刃物を案内する装置、工具。一般にウリン材などのあばれ、ソリ、ネジレが強い木は矯正することは素人では不可能で、キット化するためには金属製の治具を利用し、矯正し添え木などで一体化する必要があります。
軸組工法 (じくぐみこうほう) 構造体が柱や梁などの軸部材の組合せで構成される工法。昔からの木材の接合で、ホゾやアリカケ接合などを利用した柱中心の立て方で、現在はプレカットで工場で部材加工されるが軸組工法であることにはまちがいない。日本だけでなく、海外にも同様の工法がありログハウスでも柱(ポスト)と梁(ビーム)に丸太を使用した軸組構法がありポスト&ビーム(post&beam)構法という。
JIS規格 (じすきかく) 日本工業規格の英訳の略称。工業標準化法に基づいて制定される国家規格。JISによる規定の範囲は 1.技術的用語、記号、数値、 2.鉱工業品の種類、形状、品質、寸法、構造、装備、等級、成分、性能、 3.試験、分析、検査、測定方法、 4.設計、製造、使用、包装方法などである。規格に従って生産されたものが厳正に審査され、その結果、主務大臣の認可を受けた品物、製造業者名などを官報に公示し、同時に製品やその製品の普及伝達手段に日本工業規格の英訳の頭文字を図案化したJISマークの使用を認めている。木材関係では、繊維板、削片板、防腐防虫処理、石膏ボード、窯業系建材類などが対象となっている。
地垂木 (じたるき) 社寺建築などで上下2段の化粧垂木のうち、下段の垂木。木負(きおい)を受ける垂木。上段の垂木は、飛檐(ひえん)垂木。
地長押 (じなげし) 柱の最下部にあり、地面に接している長押を指します。地覆長押ともいう。 もともと長押は柱の強化のため横方向に架け渡す構造材で、取り付ける位置により呼称が変化する材。 長押の役割は時代に応じて変化し、近年では構造材ではなく、造作材となり装飾のための化粧部材として用いられることが多い。
地覆 (じふく) 建物の最下部を固めるために、柱などの足元に取り付ける横木の総称。地面に接して取り付ける横木。家の入り口の敷居や土台もその一つといえる。
地覆石 (じふくいし) 建物の地面に接する部分に据えてある石。
地覆長押 (じふくなげし) 柱の最下部にあり、地面に接している長押を指します。地長押ともいう。 もともと長押は柱の強化のため横方向に架け渡す構造材で、取り付ける位置により呼称が変化する材。 長押の役割は時代に応じて変化し、近年では構造材ではなく、造作材となり装飾のための化粧部材として用いられることが多い。
地袋 (じふくろ) 床脇の棚の下に地板に接して設けられる戸棚のこと。
住宅性能表示制度 (じゅうたくせいのうほしょうせいど) housing parformance warranty program この制度では構造の安全、火災時の安全、遮音性保持、劣化の軽減、省エネルギー性、温熱環境など大きく9項目に分かれている。購入者がこれらの住宅の性能を事前に公平に比較できるようにするため国土交通大臣が定めた住宅性能表示基準を作成した。指定住宅性能評価機関という第三者による評価なので客観性が期待できる。
樹冠 (じゅかん) crowntree crown、 独語でKrone 樹木の最上部を示す言葉。樹の先端部分で幹の頂点を「樹芯」と呼ぶ。ただ、樹冠という言葉は樹幹、樹間、樹乾などと音が同じでわかりにくいためドイツ語のクローネを使う人も多い。
熟材 (じゅくざい) ripe wood 心材の色が淡くて辺材とほとんど区別できない樹木を熟材樹といい、その中で心材含水率が辺材のそれより著しく低い部分をいう。トウヒ、モミ、ツガ、ヤナギなどの属にみられる。
樹種 (じゅしゅ) kind of tree 樹木の種類をいう。樹木の種類によって学名は異なる。材種は木材製品になってからの種類の違い。
樹心 (じゅしん) pithまたはheart wood 樹木の中心。「髄」ともいう。樹木の組織としては死んだ部分で、幼年期の未成熟部を除外すれば、対不朽性などの性質も優れ、建築用材としては優良材が得られる部分である。広葉樹など種類によって樹心が明瞭でないものもある。老樹では、空洞の場合が多い。心材をいうこともある。
樹勢 (じゅせい) 樹木の生きる力。樹木の生育状態。樹の勢い。枝葉、幹、根の伸長が順調である状態を樹勢良好であるとする。巨樹の場合は支えをともなっていることもあるが、枝葉が青々し勢いがある場合も樹勢があると言う。
受粉 (じゅふん) めしべの柱頭におしべの花粉が付着すること。自然界では花粉が風や昆虫によって運ばれ受粉するが、ナシなどのように同じ品種どうしでは結実しにくい場合は、人工的に受粉させることもある。
樹木の日 (じゅもくのひ) 米国ネブラスカ州のモートン州知事が唱えた緑化運動。毎年1日を植樹のための奉仕日とし、1872年4月10日に第1回が行われた。その後、モートン州知事の誕生日、3月22日をアーバー、デー(樹木の日)として州の祝日とした。日本での同様のものに植樹祭がある。国土緑化推進委員会が中心となって毎年3月から5月にかけ全国的規模で植樹運動を行っている。昭和61年の大阪府の植樹祭の記念品は中川木材産業で企画し、納品した。→植樹祭
丈三 (じょうさん) 1.木材の長さのこと。13尺の材のことをいうが、これは10尺と3尺からきている。約4mに相当する長さ。10尺は丈(じょう)と呼ばれている。また在来工法の柱の長さでもある。
2.大工用語で4mの長さの柱をいう。管柱は普通3m(10尺)であることから、天井の高い家を造るときはなど丈三(4m)の柱を使う。
上仕工、上仕子 (じょうしこ) 木材の最終仕上げの段階で用いる鉋に仕上げる仕立て方。刃先は直線に研ぎ出しきわめて平らに、かつ材表面に艶(つや)を出す。単に「仕上げ鉋」ともいう。
除伐 (じょばつ) cleaning cutting 育てようとする樹木の生長に邪魔になる、また悪い影響を与える近くの樹木を取り払う作業。
一般に除伐を行う樹齢は樹種によって異なるが、下刈を終了してから、クローネが欝閉したころ第1回を、その後2~3年して第2回を行う。
ジン 幹や枝の木質部が朽ち果て、白骨化したように見えるものをいうす。常緑の針葉樹に多く、特に真柏(イブキ)や杜松(ネズ)では見どころのひとつとされる。このジン・シャリの表現で盆栽の評価が大きく変わることもしばしばある。一般には、枝の枯れたものをジン、幹の枯れたものをシャリと呼ぶ。
人乾 (じんかん) kiln drying 人工乾燥の意味。
人工造林 (じんこうぞうりん) plantation 天然更新に対応する言葉。苗木の植栽、種子の播き付け、挿し木などの人の手や機械による方法で森林を造成すること。
人工林 (じんこうりん) plantation 苗木の植栽、挿し木、種子のまきつけ等人の力でつくりあげた森林。一般には人工造林による森林をさすことが多く、日本では植栽による造林が普通なので、植栽林と同じにつかわれる。適地に適木を育成して経済効果の高い用材林を仕立てられる利点がある。例えば東京都の人工林面積34ね000ヘクタール、人工林率48%天然(自然)林に対する語である。