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そ から始まる言葉
粗悪林相 (そあくりんそう) unproductive forest type 森林を構成する樹種、林冠の疎密度、林の年齢と生育状態が標準林形より劣っている森林のこと。優良林相に対する語。
草庵 (そうあん) 草ぶきの粗末な住まい。わびずまい。のちに世俗を離れて詫びた境地で住まう住居のことをさすようになった。
早期硬化 (そうきこうか) precuring 圧締前に接着剤が硬化すること。前硬化ともいう。
総合施業団地 (そうごうせぎょうだんち) synthesis working circle 林業振興地域において、特に森林施業を組織的、計画的に行う必要がある区域として設定計画されるもの。自然的条件などから一体として森林施業を行う必要があること。当該団地のすべての森林について団地共同森林施業計画が作成されていることなど一定の要件が必要である。
倉庫渡し (そうこわたし) 倉庫で受渡しをする契約。
送材車 (そうざいしゃ) carriage 帯鋸盤で、丸太の保持と歩出し装置による繰り出しを行うヘッドブロックに積載し、挽板寸法を決めて往復運動して製材する装置のこと。手押式と自動送り式がある。
早材部 (そうざいぶ) 樹木の成長が盛んな季節に形成された木部をいう。枝葉が繁ると樹の成長が活発になり、同心円をなす早材部の幅が増して、年輪幅が広くなり目荒な木材となるので、長期的に木材を育て銘木級の原木を得るときは、枝打ちを強くして生長を仰えることもある。
双子葉植物 (そうしようしょくぶつ) dicotyledon 植物分類学上の名称で、広葉樹のこと。
草生造林 (そうせいぞうりん) reforestation with grass 林地の保全、地力維持、林木の成長促進を目的として草類を間作栽培すること。一般的にイネ科やマメ科の牧草類が栽培され、飼料生産も目的とされる。
相対林地 (そうたいりんち) relative forest land 絶対林地に対する語。林業と農業のどちらにも利用できる土地。
送風機 (そうふうき) fanまたはblower 空気に圧力を与えて送り込み、または送り出す装置。給気装置と排気装置とがあり、とくに木工場では、これによって風の流れをつくり、除塵装置の主体とする。
草本 (そうほん) いわゆる「草」の専門的な呼び名。茎があまり木質化しないこと、冬に地上部が枯れることなどで木本と区別されるが、厳密な境界はいまだに曖昧な部分もある。
草木灰 (そうもくばい) 草木を燃やして得た灰。無機質肥料。カリ分に富み、リン酸も多い。即効性で元肥だけでなく追肥としても使われる。釉薬や媒染剤としても古くから用いられてきた。
副心板 (そえしんいた) sub-core veneer 5枚合わせ以上の合板で、表、裏および心板以外の中間の板を副(そえ)心板という
副え刃 (そえば) 二枚鉋の裏刃のこと。また、予備の刃物のこともいう。
添え柱 (そえばしら) 1.柱の脇に添えられた小柱。袋床などのように、落し掛けの下に床柱の脇に設けられる小柱も添え柱の一種である。 2.補強の意味で柱に添え付けられる小柱で、曲げ耐力の補強や2階梁の取付け個所の補強に用いる。
ソー saw 「のこぎり」のこと。
ソーダスト saw dust 鋸くず、おがくずなどのこと。
ソード単板 (そーどたんぱん) sawed veneer 日本ではあまり行われないが、スライド単板をつくると同じ目的で鋸で挽いて作る単板。
ソードベニヤ sawed veneer 鋸挽き単板のこと。鋸で挽いてできた薄い板で、化粧単板としては裏割れ、亀裂(きれつ)などがなく最高級となるが、歩止まりが悪く、そのため高価となる。「ソーン ベニヤ(sawn veneer)」ともいう。
ソーミル saw mill 製材、製材工場のこと。大型の製材機械のこともいう。
枌板 (そぎいた) 1.スギ、ヒノキ、エゾマツ、トドマツなどの材を薄く割った板をいい、剥板、殺板とも書く2..小刀、鉈(なた)などで薄くそいでつくった板、
束 (そく) bundle 板や挽き割り類をある単位の数だけ束ねたものの取り引きの計算単位。普通は1坪(3。3㎡)入りを標準とする。
促進耐候性試験 (そくしんたいこうせいしけん) accelerated weathering test 塗膜の耐候性を検討する方法の一つ。屋外において、日光、雨雪などの自然条件下の影響を受けて、時間の経過にともなって生じる材質変化をウェザリングという。ウェザリングを人工的に促進するために再現性のある標準的な試験条件を作り出す促進暴露試験装置ウェザオメーターを用いて試験し、光沢、割れ、はく離などの発生を検討する。
促進暴露試験 (そくしんばくろしけん) accelerated exposure test、accelerated weathering test 接着の耐久性を検討する方法の一つ。ウェザオメーターで試験し、接着力の変化を検討する。
促進劣化試験 (そくしんれっかしけん) accelerated aging test 木質パネル類の耐久性試験。ASTM法とBS法などがあり、所定のサイクル試験後に木質ボードの性能試験を行い、処理前後の性能低下を検討する。
束生 (そくせい) 葉の付き方の一つで、枝の先端から複数の葉が束になって生えること。互生の樹木の一部に、この束生が見られる場合がある。樹木を見分ける上では、互生の一形態と言える。クロモジ、アオハダなどが代表的。
底板 (そこいた) bottom board 天板に対する底の板のこと。箱などの底部。床の間など天袋の下端の厚板のこと。
素材 (そざい) solid wood、lumber、log、crude wood 木材業界でいう、素材の意味は未加工の原材料という意味。丸太や加工していない材のこと。ただ伐採後枝を切り払ったり一定の長さに切りそろえたりはしている。薪炭材を除く。日本農林規格は、用材を素材と製材の二つに大別し、それぞれの規格を制定しているが、素材はさらに丸太と杣(そま)角に区分している。
素地 (そじ) wooden basis 被塗装物あるいは被塗装面のこと。塗られる前の白木のこと。「木地」ともいう。
疎植 (そしょく) sparse planting 造林・植林法の1つ。植付け密度が疎であること。林地の環境と植付け樹種の性質によって面積当たりの植付け本数を決めるが、成長の早い樹種や陽樹は疎植することが多い。ただし、アカマツのように疎植すると幹形が悪くなるものは密植する。粗植とも書く。
礎石 (そせき) 古代の寺院の基壇におき、柱をのせた石。「いしずえ」ともいう。柱が建物の重さで沈下するのを防ぎ、木造の柱の根元を普及から守る効果がある。後世、民家では「石場建て」と呼んだ。
速乾ニス (そっかんニス) copal spirit varnish マニラ コーパルをアルコールで溶かした塗料。低級安価な塗料として用いられる。
側溝 (そっこう) 建物から外側に突き出して設けられた比較的幅の狭い垣をいい、目隠しの目的に景趣を添える意味がある。タケ、クロモジ、ハギ、スギ皮などで造られ、形状や細部の意匠は多岐にわたる。
速効性肥料 (そっこうせいひりょう) 与えるとすぐに効果の現れる肥料。効果は長続きしない。液体肥料が代表。追肥に適する。
袖 (そで) pedestal 脇についているもの。机などの両脇 片脇の場合もある についている引出しのある部分。「箱脚」ともいう。
袖壁 (そでかべ) 1.建物の外側に突き出して設けられた壁の総称。構造上の機能をもたせる場合と目隠しや防火、防音、集合住宅などでは、戸境壁 こざかいかべ の延長として設けられる。 2.2階建ての民家において、平側の軒先下両側に突き出した壁をいう。
外壁材 (そとかべざい) 住宅用の外壁材にはモルタル塗り、窯業系サイディング、金属サイディング、ALC 軽量気泡コンクリート 、タイルなどがあり、住宅の外壁は従来、モルタル塗りが主流。一部に木材を使うところも増えてきている。
外法 (そとのり) 箱などの外部寸法のこと。。
外丸鉋 (そとまるがんな) 材の長手方向の凹部を削るための台面を凸(とつ)曲面にした丸鉋。
稜 (そば) side 板などの側面のこと。木端(こば 」と同じ意味。また、板や箱などの角、とがった個所をいう。傍、稜とも書く
側屑 (そばくず) 板材などの両側の刃切り捨て部分。
粗挽き材 (そびきざい) rough lumber 鋸で挽いただけの材。鉋やフレナーをかけてない材。
ソフトウッド
soft wood 軟材、針葉樹のこと。針葉樹は広葉樹にくらべ柔らかいという米国らの考え。ハードウッド(広葉樹)に対する言葉。針葉樹は木目が通直で柔らかいため、加工性が容易で古来から建築にはソフトウッドが使われていた。デッキに使われる針葉樹はウエスタンレッドシダー、レッドウッド、サザンイェローパイン、サイプレス等があるが、サイプレスはソフトウッド中では硬い方であるので、ハードウッドとして販売しているところもある。尚、ホームセンターで販売している代表的なソフトウッドはSPFであるが、これは腐りやすいのでウッドデッキには適さない。
杣角 (そまかく) hewn lumber 立木の伐採後、現地で玉切りし、丸太の四面を斧で削り、挽角状にしたもの。押し角ともいう。集運材の無駄を省くために行われていたが、現在ではほとんど行われていない。野角ともいう。
杣夫 (そまふ) logger 森林、林業労働者の旧称。とくに伐木造材に従事した者をいう。
反り (そり) warping warp 1.木材の異方性、または不均一な伸縮によって生ずる変形。板材のうち主に板目木取りのものは人工乾燥に際して、急激な収縮のため反りを生じることがある。幅反り、弓反り、縦反りなどがある。樋(とよ)状の反りをcupping、弓状の反りをbow crook、なぎなた(長刀)状の幅反りをspringといって分ける。 2.屋根面などで凹状に湾曲している曲面や曲線のことをいう。反り屋根や反り破風(はふ)などがあり、「照り」ともいう。
反り台鉋 (そりだいがんな) bow plane、warped plane 台面に弓形の反りをもたせた鉋。筒の内面などを曲率に沿って削る。反りのある破風(はふ)など、沿った湾曲面を削るのに用いる。
ソリッド solid 堅い、中空でない固体という意味から転じて、木工では、全然加工を施していない無垢の材、素材のことをいう。
反り破風 (そりはふ) 破風板が凹状に反っている破風をいう。
造園 (ぞうえん) 1.回遊式庭園、枯山水の庭園、住宅の植栽計画など、庭に関係する計画と施工を行うこと。 2.公園から河川の利用までを含め、土地の利用や環境の開発において、美的効果と利用価値を高めるために行う景観調整計画とその施工。「ランドスケープ」、「修景」などともいわれる。
雑木 (ぞうき) coppice tree 木材としてはあまり利用価値のない種々雑多な樹木の総称。コナラ、クヌギなど落葉樹が中心。一方で流通用語として広葉樹材を意味することもあり、広葉樹材を専門に扱う業者を雑木屋ともいう。山野の風情を演出するために庭木に植えられることがある。特殊な例ではその野趣を好んであえて雑木を用いることもあり、最近では天然資源の有効利用をはかり、ウェハーボードなどで、雑木としていた未利用材を原料とする工夫もなされている。
雑木盆栽 (ぞうきぼんさい) 松柏盆栽と草花盆栽以外の樹木盆栽を言う。優美で季節感溢れるところが、この盆栽の特徴。
増強剤 (ぞうきょうざい) fortifier 接着剤の耐水性などの性能向上のために添加する物質。例えば、ユリア樹脂にミラミンあるいはメラミン樹脂を添加する場合など。
雑巾摺り (ぞうきんずり) 壁と床板との境界に取りつける細長い1.5センチぐらいの角棒。また、押し入れ内部の壁と棚や地板との縁木(ふちぎ)のこともいう。
造材費 (ぞうざいひ) cost of bucking 直接費のみの場合と間接費を加えた場合の計算方法がある。根切り、玉切り、杣 そま 取りを加えた場合と、さらに木寄せ、小出し、搬出、その他雑費等一切を含めた場合など。
造作 (ぞうさく) furnishing、fixture 建物の内部の天井、敷居、鴨居、縁側、床板、階段などの構造骨組み以外の木工事のことを意味する。雑作と書くこともあるが、最後の仕上げを意味する木工事なので造作の方が言葉としては合っている。しかし、昔の木造住宅で鴨居も敷居もない掘っ立て小屋に近い頃は、これらの工事は雑作に近かったかも知れない。
造作材 (ぞうさくざい) 木造建築の内部の化粧回り(見える部分 )に使用されている製材部材のこと。天井回りや敷居、鴨居、階段、床板など構造以外の部分で通常、無節、上小節など見た目の美しさを第一とした材を使う。大工が木材で行う仕上げの工事に使う木材材料のことてせあったが、現在では木材以外の部材が多くなっている。
造作用集成材 (ぞうさくようしゅうせいざい) furnishing laminated wood 挽板等の積層による素地の美観を表した集成材のことで、建物内部の造作に用いられる。集成材の表面に美観を目的として薄板をはり付けた集成材を化粧ばり造作用集成材という。
増粘剤 (ぞうねんざい) thickener 初期接着力の向上を目的として接着剤液の粘度上昇を図るために添加する物質。例えば、アミノ系樹脂に対してポリビニルアルコールなどを用いる。
増膜性 (ぞうまくせい) film forming ability 酢酸ビニル樹脂エマルジョン木材用接着剤が連続した皮膜を形成する性質。
造林 (ぞうりん) afforestation 土地に育てようとする樹種の林をつくること。方法は大別して、人工造林と天然更新がある。
また、何もない土地に新しく木を植える場合と、現在ある森林を伐採して跡地に植林する方法がある。
人工造林には、林地に種子を直接まく方法(播種)、苗木を植える方法、挿し木による方法などがある。