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え から始まる言葉
柄(え) (え) handleまたはgrip 工具などの手で持つ部分の総称である。のみ、玄能、斧(おの)の柄などは衝撃を受けるので、これを吸収し、かつ折損しないように、かし(樫)などの硬くて粘りのある材を使い、鋸、小刀などの柄は手ざわりをよくし、手のひらになじむように、ひのき、きりなどのやわらかい木を用いる。
エアスプレー air spray 木に塗装する方法のひとつで、吹付け塗装の一種。現在最も多く利用されている塗装方法。コンプレッサーからの圧縮空気をホースでスプレーガンと呼ばれる吹付け器具まで送り、その圧力で塗料を噴霧する。刷毛塗りに比べ、均質な塗膜と作業時間の短縮が可能となるが、飛散する塗料の無駄、作業者の健康等の点で問題が指摘される。
AQ制度 (えいきゅうせいど) 木質建材認証、勧告制度新しい木質建材等について品質性能試験を行い優良な製品にはAQマークの表示を認める制度をいう。製品認証と項目認証の2つがある。昭和49年に農林水産大臣が行う制度としてスタートしたが、昭和63年度から日本住宅、木材技術センターが運営する事業に移行し、現在に至っている。平成7年10月1日時点でAQ認証を受けているのは高耐久性機械プレカット部材84件、乾燥処理機械プレカット部材50件、保存処理材7件、屋外製品部材50件、防腐、防蟻処理構造用集成材9件、防蟻処理材6件、軒下天井板1件、モルタル下地用合板1件の合計159件である。
AD (エイデイ) 自然乾燥、反対語は人口乾燥
ABS樹脂 (エイビーエスじゅし) acrylonitrile butadiene styrene resin アクリルニトリル、ブタジェン、スチレンの三種の共重合樹脂。硬質で各種の性質がすぐれている。これを発泡させたものは、合成木材の名でよく知られている。
エイ瘤 (えいりゅう) gall disease 樹木の一部に他の生物が寄生、または共生することによって、樹木の一部が異状に発達するもの。虫瘤(こぶ)ともいう。
AAC (エーエーシー) alkyl ammonium compound 第4級アンモニウム塩化合物。R4NXの一般式をもつ化合物で、水溶性の木材防腐防虫剤。
AQ認定 (エーキューにんてい) Apporved Qualityの略。JAS(日本農林規格)だけでは対応できない木質建材の品質、性能を保証する制度。(財)日本住宅、木材技術センターが運営する事業の一つ。認証されたものには、AQマークが表示される。
ACA (エーシーエー) ammoniacal copper arsenate アンモニア性亜ヒ酸銅系防腐剤。木材に注入後、アンモニアが揮散してヒ酸銅の沈殿が固着する水溶性防腐剤。
ACQ (エーシーキュー) ammoniacal copper quaternary ammonium compound 現在の主流の防腐剤で、アンモニア性銅、AAC系防腐剤。アンモニア、無機銅塩および第4級アンモニウム塩化合物を成分とした水溶性木材防腐剤。
エージェント agent 外国の会社の委任を受けてビジネス代理を行うもの。代理店契約に基づき、商品の販売を委任された販売代理店と商品の仕入れを委任されたものとがあり、また、広域の売買を代理する総代理店がある。
エクステリア exterior 屋外の装飾品、構築物の総称。門、扉、塀、物置、カーポート、フェンスなど、住宅の外まわりの設備。インテリアに対する対語。近年ではDIYが普及しウッドデッキ、フェンスなど木製のものが人気ある。
エクステリアウッド exterior wood 屋外で使用される木材および木製建築物のこと。雨ざらしまたはそれに近い過酷な環境下で使用されるため、耐久性が重要な課題となり、木材のもつ自然さ、暖かさ、やわらかさのほか、景観との調和が評価されて、デッキやフェンスなど住宅の外溝やボードウォークや木造橋など屋外の景観施設の分野で利用されている。
エクステンションテーブル expansiontable 天板が伸縮できる伸張式のテーブル。
エクスポートレス Exportres 旧ソ連木材輸出入公団。昭和2年(1927)に設立されたソ連の木材貿易専管機関。
エコマテリアル ecomaterial 資源や環境の保全、材料の製造、輸送におけるエネルギー消費の抑制や環境負荷の軽減、使用時に環境を汚染しない、リサイクルし易いなどを考慮した環境調和材料のこと。
エコロジー ecology 生物と環境との関係を調べる学問であるが、公害などにより環境破壊が問題になるとともに脚光を浴びてきた。ある地域内の生物に加えて、その生物をとりまく気象、土壌、地形などの環境をもひっくるめて生態系 ecosystem とよび、人間を生態系の1要素と位置づけ生態系全体を守ろうとするのがエコロジー運動である。日本で最初に公的にこの言葉を使ったのは南方熊楠。
SS級丸太 (エスエスキュウマルタ) 米材丸太の等級。
枝打ち (えだうち) pruning 主に針葉樹での作業。森林の中での光環境の改善、また節の無い良材を生産するため、樹木の生育過程において下方の不要な枝を切り落とす作業のこと。無節の幹材を得るためには下枝を計画的に切って死に節などのできるのを防ぐ。枝打ち季節は樹木の成長休止期(秋~冬)がよい。しかし現実には人手と費用の関係でこの作業は十分にされていないと思われる。
枝打機 (えだうちき) pruner 枝打ち、枝払いに用いる機械、器具のこと。
枝下高 (えだしたこう) crown height 枝のない幹の部分の高さ、地上から最初の枝までの高さのこと。
枝払い (えだはらい) "1.trimming 立木の場合で枝打ち斧などで枝を枝裏から切り離すこと。枝表から切ると材面を傷つけやすく、製材した場合の商品価値に影響することがある。
2.伐倒した樹木の場合 branching limbing 伐倒した原木の枝をチェーンソーなどによって幹から切り離して丸太を仕上げ、次の玉切り作業に備えること。"
江戸間 (えどま) 田舎間と同意語。 基準尺の一つで、江戸および関東地方の都市部の町家で用いられてきたもの。1間の柱心々寸法を6尺(1。82m)とする。
NCU (エヌシーユー) 脂肪酸金属塩系木材防腐剤。ナフテン酸銅を成分とする木材防腐剤。
NCルータ (エヌシールーター) numericail controlled router 加工寸法や加工条件に関する数値情報を記憶させたテープ及びフロッピーによりテーブルやヘッドの動きを3次元的に同時制御するルータ。→ルータ
海老虹梁 (えびこうりょう) ornamental beam 側柱と本柱との高低差があるときにつなぐ虹梁(こうりょう)の一種である。海老状の湾曲しているところからの名称であり、寺院に見られる。
愛媛県の木 (えひめけんのき) 「まつ」が県の木として指定されている。
F.O.B. FOB (えふおーびー) Free On Board 本船持込渡しのこと。本船に荷物(原木、製品)等の積込み完了によって売手の責任が解除される。FOB価格とは、本船積込みまでの諸費用や危険負担のすべてを売手が負担し、積み出し港で買手に荷物を引渡したときの価格をいう。南洋材やNZ材および北欧、北洋材の一部で行われている。
絵振板 (えぶりいた) 主に門と塀の接続部分に使う。設計や工事の関係などで、どうしても塀や庇が飛び出してしまうことがある時に、小口を見せないように、絵振板を使って隠すとともに、装飾として利用する。
エポキシ樹脂 (えぽきしじゅし) eooxyresin エポキシ基をもつ合成樹脂で、無溶剤型の接着剤としてはきわめて強力。木材はもちろん金属や陶器などの接着にも用いる。
MBM (エムビーエム) イギリス、アメリカなどの輸入材の取引に使用される単位。1MBMは1000BMで、約2.5m3
LC (えるしー) Letter of Credit エルシーと呼ぶ。信用状りこと。取引銀行が、発行依頼者の手形信用について、手形上の責任を負うことを示した保証状のこと。これによって振り出された手形は、輸入者が支払い不能となっても信用状発行銀行が支払いに対する最終的な責任を負うので、売り手にとって極めて安全なものとなる。
L樹 (えるじゅ) エルじゅ=広葉樹の略称。Lは独語Laubholzの頭文字をとったもので、広葉樹、またはその製材品を示す。
LVL (えるぶいえる) 単板積層材 ロータリーやスライサー等で作られた単板を、その繊維方向を互いにほぼ平行して積層接着した木質材料。JASには造作用と構造用があり、それぞれ要求される性能が異なる。寸法や形状の自由度が高く、強度、耐火性に優れているところは集成材と同様であるが、寸法安定性や釘の保持力などで多少劣る面もある。
縁 (えん へり) verandah 縁側ともいう。和風住宅の畳部屋の外側に設けられる板張りの部分。
縁板 (えんいた) 縁側に張られた板のことで、ヒノキや松の縁甲板が張られることが多い。
煙害 (えんがい) damage by smoke 大気中に拡散された有毒ガスによる被害で、葉を中心とした呼吸作用、同化作用が妨げられる。有毒ガスを常時呼吸する樹木の緑葉は黄白色、灰色、褐色などに変色して、落葉したり、葉量が減少し甚だしいものでは樹木が枯死に至る。
縁側 (えんがわ) 建物の畳敷き部屋の外側にある板敷きの部分をさし、単に縁ともいう。現在は、建物内部にあるものを縁側といい、壁や建具の付かない濡れ縁を縁ということが多い。縁甲板(えんこういた)を縦張りにしたものを榑縁(くれえん)、横張りにした木口を見せたものを切目縁(きりめえん)という。
縁側板 (えんがわいた) verandah board 縁板ともいう。住宅の居室と外部との間にある板の敷いてある間。ヒノキの糸柾無節が上物とする。
縁側柱 (えんがわばしら) verandah post 四方から見られる位置にある柱のため無節などの良材 を使用する。縁柱ともいう。
園芸品種 (えんげいひんしゅ) 野生種を人為的に改良交配してつくった種で、花色、花つきなど原種にない特徴が出ている。慣用的に「品種」とも呼ばれるが、植物分類学上の分類階級として品種(forma)と混同される場合があるので略さない方がよい。様々な園芸品種が出回っており、これらを厳密に見分けるのが困難。学名が記されている場合は判明す。
縁桁 (えんげた) verandah lintel 縁側の軒桁のこと。長尺材のスギの磨き丸太などがよく使われる。高級なものでは吉野材、京都の北山材等の磨丸太を使うことが多い。
縁甲板 (えんこういた) coniferous flooring board、flooring board 縁板、床板などに用いられる本実の加工の小幅板。フローリングと同じ。幅6~12cm、厚さ12~15mmの板を本実)加工したので、ヒノコ、スギ、ナラ、ケヤキ、ラワン、アピトンなどの材料が通常使用される。床板として張られるほか、壁や天井に用いられる。床板に張る場合は、合板などの捨て板の上に張ると暴れもなく仕上がる。
エンジニアリングウッド Engineered Wood、Engineered Wood Products エンジニアーウッドということもある。北米でも明確な定義はないが、生産方式が高度に工業化され、製品の品質が安定した高信頼性木質材料のことである。大断面集成材、MSR材、構造用LVL、Iビーム、OSB、構造用合板などがその範疇に含まれる。その多くは北米からの輸入品。
エンドジョイント end joint 「つぎて」のこと
エントランス 建物の出入り口、玄関。客を迎え出入りする場所としてガーデニングがやりやすい、または効果的な場所。
円鋸 (えんのこ) circular saw 丸鋸の俗称。
エンボス emboss 浮彫りにするという意味であり、いわゆる物の表面に凹凸をつけることである。また木目印刷に導管の凹凸をつけることをいい、天然の木材の木目を洗い出すこともいう。
縁を切る (えんをきる) 構造的に他材からの力の影響を受けないため、意匠的な配慮から、部材と部材をつなげずに切り離しておくこと。完全に切り離したり、目地で見え掛かりで切れているように見せたりなどする。