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木の辞書・辞典

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糠目 (ぬかめ)
年輪の過密状態のことをいう。ナラ、シオジ、ハリギリなどにみられる年輪幅が極めて狭く、全体が春材部で占められ、秋材部がほとんどみられないもの。年輪幅が非常に狭くなると早材部分の道管の比率が高くなり、木質繊維部分が占める割合が少なくなり、道管の占める比率の多い軽軟な木材になる。
貫 (ぬき)
rail、batten  1.軸組にあって、柱や束などを貫いて横につなぐ小幅板のこと。真壁とする場合に、仕上げ材を取り付けるための下地として用いられるとともに、軸組を固める構造材でもある。種類は位置によって天井貫、小屋貫、頭貫、通貫、飛貫、内法貫、胴貫、腰貫、地貫、水貫などがある。  2.二つの部材を横につないで補強する部材。いすやテーブルなどの脚をつなぐ部材などをいう。
貫穴 (ぬきあな)
柱や束などに抜きを通すために開けられた穴。貫の成(せい)に楔代(くさびしろ)分を加えた高さで穴開けする。穴の幅は貫の厚さより1~2部 3~6mm 程度広くないと施工しにくい。今では電動の角鑿(かくのみ)機によって行われる。
貫組子 (ぬきくみこ)
格子戸で格子子(こうしご)を横に貫通する小さい桟。
貫構造 (ぬきこうぞう)
鎌倉時代に禅宗建築の導入によって大陸から伝えられた。柱に貫を通し軸組を固める方法は、寺院建築に限らず、町屋や民家の住宅にも構造の要素として用いられてきた。素の軸組は貫の厚さと成(せい)、段数、材質、楔での止め付け具合などによって変わるが、初期の剛性は下地材や仕上げ材に依存し、変形は多くても、比較的粘り強い構造といえる。
貫構法 (ぬきこうほう)
主として壁下地に使われ、2本以上の垂直材柱などを貫通する貫を設けて、軸組を補強する構法。
拭い板 (ぬぐいいた)
表面が平らで滑らかに仕上げた板のことを特別に持ち上げた言い方。昔は現代のような工具がないため、広い板を平滑にすることは難しいものであった。文字を書いたり消したりするために、漆などを塗って仕上げた板のことでもある。
抜け節 (ぬけぶし)
loose knot 木材の欠点の一つで、死節が抜け落ちているもの。「死に節」ともいう。節は枝の後であり、樹木としては自然だが、建築用材としては具合が悪く、特に板材などでは穴が開いてしまうことになるので、特別なこと以外は使用しない。
塗師 (ぬし)
漆塗りの職人。、木製の物に漆を塗る「漆芸家」(しつげいか)のことをいう。
塗師屋 (ぬしや)
洋家具などの塗装屋の略称。
布 (ぬの)
 1.布丸太、布基礎の略。この場合、水平、長手、連続などの意を示す 2.足場において建地と直角に組まれ、建地同士を連結する水平材をいう。
布石積 (ぬのいしづみ)
coursed masonry 森林における土木工事の石積み工法の一つ。石材を横に規則正しく水平に築積する方法。
布板張り (ぬのいたばり)
廊下や居間の床板を張る際、材を長手方向に貼ることをいう。
布裏甲 (ぬのうらごう)
茅負と平行にとりつける裏甲。通常の住宅建築で裏甲を使うことはない。
布着せ (ぬのきせ)
漆塗りの手法の一つ。木地の薄い寒冷紗などの布を張りつけて木地固めをすること。
布基礎 (ヌノキソ)
continuous footing  断面が逆T字型で、壁の方向に帯状に続いている基礎。主に木造建築に使われる。
布継ぎ (ぬのつぎ)
木造継手の一つ。金輪(かなわ )継ぎに類似した継手ではあるが、木口に丁字の目違いは設けないため、側面の胴付きには目違いが現れない。継手中央に栓を打って固める。桁などの継手に用いられる。
布羽目 (ぬのはめ)
flush boarding 板の長手を横方向に張った羽目板。板傍(そば)は相決(あいじゃくり)または本実(ほんざね)とする。横羽目ともいう。
布張り (ぬのばり)
壁や天井の仕上げ材として布を張るもの。壁装材としての布は、裏面に糊 のり を付けるための紙張りをしてある。防火性能の認定を取っているものが多いが、内装制限を受ける室の場合は注意が必要である。
布挽き (ぬのびき)
だら挽きともいう。原木を製材機で挽く時の方法のひとつ。皮や丸身がついているままの木材の状態になる。この製材でした材は耳付き材とも言われる。この方法だと角材は取れず、ほぼ板材としての生産する方法になります。
布目塗り (ぬのめぬり)
布繊維の凹凸を利用した塗り方。下地に布を張って、その上に塗膜を塗って研ぎ出し、布の糸目の凸部を出す方法。布目を転写する方法もある。
塗り框 (ぬりがまち)
漆塗りとした床框のことで、黒漆塗りのものは最も格が高く、真行草の真の床の間に用いる。塗りには黒蝋色漆塗り、黒漆塗り、蝋色消し、溜め漆塗り、木地塗り、布目塗り、春慶塗り、鎌倉塗りなどがある。
塗土天井 (ぬりつちてんじょう)
塗り天井のうち特に土で仕上たもの。茶室、待庵(たいあん)の室床(むろどこ)の天井は壁と同じ素材で、塗土天井の代表的なものである。
塗り天井 (ぬりてんじょう)
プラスターや漆喰など塗り物で仕上げた天井の総称。壁と比べて塗り厚は薄く、木摺下地やラスボードドした地が使用される。外部の軒天井を防火の目的で塗り込んでしまう手法を「揚げ塗り」という。木摺漆喰の場合は、落下防止に麻のひげこが打たれる。
塗屋 (ぬりや)
町家の耐火建築構法で、17世紀以降の近畿地方で始められた。土蔵造りの外壁より薄い塗り厚の土と漆喰を柱の外側に6-8センチ位塗り込め、室内側は木部を露出した。モルタル塗り外壁が普及してから、衰退した。「塗屋造り」、「塗籠(りごめ)」ともいう。
塗床 (ぬりゆか)
建物の外部に設け、雨ざらしになっている縁側のことで、単に「えん」ということもある。内部の縁板が長手方向に張られるのに対して、濡れ縁の場合は木口を見せる切目とすることが多い。竹を用いた簀子縁(すのこえん)にする場合もある。
ぬれ縁 (ぬれえん)
居室の外側に設けられた縁側のこと。風雨を防ぐ壁などがなく、雨に濡れてしまうのでこの呼び名がある。単に「縁[えん]」ということもある。当然水に強い耐久性のある木材を利用する。また木材の使い方は縦使いになり、ウッドデッキの横使いとは異なる。

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