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ね から始まる言葉
根洗い (ねあらい) 植え替えの際、土を水でほとんど取り去る方法。土の崩し取りと水洗いを併用して行なう。この方法を特別に必要とする樹種が幾つかあり、特にさつきは根土が残っていると吸水・保水その他多くの点で調和を欠き、培養に悪影響を及ぼすことがある。
根石 (ねいし) 1.石工事で、一番下の部分に据える。あるいは張り付ける石のこと。2.建物の足元部分に積む石の総称。
ネイラー
nailer 釘打ち用具のこと ツーバイフォー工法の普及でひろがった、自動釘打ち機で「オートネイラー」、「エアネイラー」とも呼ばれる。コンプレッサーによる圧縮空気で釘を打つ機構になっている。
根入れ (ねいれ) 1.地中に埋まる杭、基礎、擁壁などの埋まっている部分のこと。「根入れ深さ」という。 2.地表面からの埋設物の先端までの貫入深さ。3.樹木の移植に際して、植穴に根を入れること。 4.庭石を土中に据えること。
値入れ (ねいれ1) 積算において、各工事項目の材料の数量や作業に対する人工(にんく)に単位当たりの単価の書き込みを行い、工事費用を算出すること。
根株材 (ねかぶざい) stump wood 樹木の太い脚部の材。年輪走向が複雑で、特殊な杢が得られることがある。
根搦み (ねがらみ) 柱の根元や束を固めるために相互の連結に用いる横木。床束(ゆかづか)に縦横に打ち付ける貫(ぬき)を「根搦み貫」という。
根腐れ (ねぐされ) 植物の根が腐ってしまう病害。多くは菌類などに侵されて起こるが、水や肥料のやりすぎ、あるいは水切れ、根のまわりの通気不良、根詰まりあるいは乾燥や高温などで根が十分に呼吸できなくなるために起こる。
猫 (ねこ) 1.一般に形の小さいものの意。2.土留めの切梁に取り付く火打を受けるために、梁側面に打ちつける小部材。3.木製建具などに利用する止め栓のこと。「よせざる」ともいう。
根子 (ねこ) 基礎と土台のあいだに入れる部材。床下の通気を確保するための部材、あるいはその工法。昔は腐りにくいケヤキなどの樫木を利用した。現在ではゴムやブラスチックなどを利用した市版品が発売されている。
猫足 (ねこあし) queen anneleg 猫の脚のような形をしたもので、テーブル、いすなどの脚の形をいうが、本来はクイーン・アン時代の古い様式家具の脚。猫足ではなく、獅子の足といわれている。
螺子 (ねじ) screw 丸棒の外側に溝を螺旋状に刻んだもので、山ねじと角ねじがある。
捻締まり (ねじしまり) 木製建具のねじ込み錠のこと。一本型と折れ型とがある。
鼠走 (ねずばしり) 門または出入り口などの、扉の枢 (くるる) を受けるために柱間に渡した梁 (はり) 。
根太 (ねだ) Joist、floor joist 床板を支える横架材。一般には1階の場合は大引きの上に取付け、2階は梁の上に取付ける場合も多い。それらに直交して架け渡される。間隔は普通45cmぐらい。床板を支えるために設置され、材質や取り付け方に問題があると、床が鳴る原因となる。根太と根太の間にグラスウールなどの断熱材を入れることもある。そのためグラスウールの幅は根太と根太の間のサイズになっている。
根太受け金物 (ねだうけかなもの) joist hanger ツーバイフォー工法における床根太、垂木、天井根太などの支持点において、それらを受ける指示点が得られない場合に用いる受け金物の総称。多くの形状のものが開発されている。
根太掛け (ねだがけ) ledger strip 根太の端部を受ける横木のこと。大引きに平行に柱や間柱または土台の側面に取り付ける。
根太床 (ねだゆか) 中間部を大引や床張りの支えを用いないで、根太のみを単純張りとして構成する床組。小さなスパンの場合に用いられる。「単床」ともいう。
熱圧接着 (ねつあつせっちゃく) hot gluing 加熱した圧縮板で接着プレスすること。
熱処理木材 (ねつしょりもくざい) heat-treated wood、Staybwood 熱処理によって寸法安定性を付与した木材。熱劣化を少なくするため、排気下あるいは窒素気流中で処理される場合もある。→ステイプウッド
熱帯雨林 (ねったいうりん) 熱帯性気候で育ったラワン材に代表される木材は、比較的均質で合板のような2時製品の素材として最適であった。しかし、伐り出した樹木は熱帯雨林の中でもまれな大きさで、生態系を一変させる環境への負荷を与えた。そのため各国で伐採は禁じられつつある。
熱帯植物 (ねったいしょくぶつ) おもに熱帯地方に分布する植物の総称。
熱帯多雨林 (ねったいたうりん) tropical rain forest 高温多湿で樹木の発育の良好な地域に発達した森林で、緯度南、北各20°前後の間にある。主にアフリカ、東南アジアに分布するフタバガキ科に属する樹種で成立している。樹木は通常30~40mの樹高で、板根が巨大な樹幹を支えるため発達しているのも特徴である。
熱帯林 (ねったいりん) tropical zone forest 南北回帰線に挟まれた地域に分布する極めて多様な森林の総称である。年平均気温が21℃以上の地域にある森林をいい、熱帯雨林を中心に森林サバンナを含む。榕樹帯ともいう。熱帯林全体の面積は約19億haで世界の森林のほぼ半分を占めている。地域別ではその半数が熱帯アメリカに分布し、次いで熱帯アフリカ、熱帯アジアの順である。年間降雨量の多寡と季節的配分により1.多雨林2.季節林3.サバナ林等に区分される。
熱帯林行動計画 (ねったいりんこうどうけいかく) Tropical Forest Action Plan TFAP FAO第8回熱帯林開発委員会により採択され、生活の糧を熱帯林に依存している地域住民の貧困が熱帯林の減少している根本的な要因であり、熱帯林の保全のための行動計画を提示するため優先分野の検討の勧告が各援助機関になされた。これを受けたTFAPは相互に密接な関連をもつ1.土地利用における林業、2.木材産業の開発、3.燃材とエネルギー、4.熱帯林生態系の保全、5.制度の5つの優先分野から成り立っている。
根土 (ねつち) 根が生長の過程で密着し続けてきた土のこと。台土(だいつち)ともいう。
熱伝達 (ねつでんたつ) heat transfer 物体表面と流体が接触していて、両者に温度差があるときに、熱が移動する現象。移動する熱量は、温度差に比例する。その比例定数を熱伝達率 熱伝達係数 という。
熱伝導 (ねつでんどう) heatまたはthermal conductivity 物体が熱を伝えることで、物体内に温度差があるとき、高温側から低温側に熱が流れる現象をいう。木材は、金属に対して熱を伝える割合がきわめて小さいので、一種の断熱材ともいえる。
熱板プレス (ねつばんプレス) hot plate press 蒸気、電気などによる加熱装置を備えた定盤で加熱圧締する木工用プレス。
根張り (ねばり) 1.root zone 樹木の根の広がりをいう。または、支根が地表に出ている状態 2.土の表面より外に出て見える樹木の根元の上根の状態。盆栽などでは基本となる大変重要な部分で、大きな見どころのひとつ。どっしりと大地を踏みしめるような根張りは、強い安定感を感じさせる。
粘り強さ (ねばりづよさ) 「靭 じん 性」ともいう。建物の構造は合成のあるものほど、かたく変形量は少ないが、体力を超えた場合は一気に破壊する。粘り強い構造体は、体力を維持しながら変形が進むので、外力のエネルギー吸収量が大きく壊れにくい。剛性の高い木造は、ツーバイフォー工法の一部やハイブリットと構造には見られるものの、一般的な木造住宅に普及するまでには至っていない。構造体の耐力確保の方法には、剛性によるものと粘り強さによるものがあることを知っておきたい。
根伏せ (ねふせ) 挿し木法の一つで、根の一部を切りとって、挿し木の要領で土中に埋めて発根させる植物の増やし方。根ざしともいう。
ねぶり箸 (ねぶりばし) 箸を使ううえでのマナー、タブー用語。もぎ箸ともいう。お箸についたごはん粒などを口でなめてとること。
根ほぞ (ねほぞ) 床束などの下方に付けたほぞで、束石などとの位置決めのために付けられる。
根水 (ねみず) 盆栽の水やりのときに、盆栽の頭から水をかけず根の部分にかける方法。葉水(盆栽の頭からかける方法)と対比して使われる
根杢 (ねもく) root grain 根張り材を製材するときに、波杢、鳥杢などの珍重杢がでることがあり、これをいう。根張り材は木理が不規則なため、用材として利用するには不向きでであるが波杢、鳥眼杢などの珍重杢が現われる。
燃焼 (ねんしょう) combustion 木材と酸素との発熱反応で、通常その進行が顕著なものをいう。木材の燃焼には、自然燃焼、発炎燃焼、くん焼、表面燃焼の四つの形態がある。
年輪 (ねんりん) annual ring 樹木の成長に従って樹木の横断面に毎年1輪づつ、同心円状に現われる模様。成長期(春~夏)につくられるものは細胞の形が大きく膜が薄い。夏から秋にかけてつくられる細胞は小さく膜は厚い。年輪を人間の成長に見立てて、「夏は大きく成長するが、柔らかい。厳しい冬は年輪も堅い。」と通説で言われることが多いがこれは間違い、樹木は冬は成長しない。水と紫外線が豊富な春に成長し年輪巾は大きく、色も白い。水の少ない夏は貴重な水を守るために膜が厚くなり堅くし、水が無駄に使われるのを防止する。温帯の樹木は季節の変動により年輪を形成するが、熱帯地方の樹木は年中夏のため、成長休止期がなく、年輪を形成しない。
年輪年代法 (ねんりんねんだいほう) 遺跡発掘用語で、木材の年輪の変動変化、いわゆる年輪の幅の変化のパターンから伐採年代か枯死年代を科学的に決める方法。一番の特徴は、木材試料中の各年輪が形成された年を一年単位で決定できる点にあり、得られた年代に誤差がないという点では数ある自然科学的年代決定法の中でもとりわけ高精度の方法である。 これまでに広い地域の考古学、建築史、美術史などに関連した木材の年代測定に応用し、数多くの成果をあげている。また、20世紀初頭にアメリカの天文学者ダグラス博士によって考え出された方法で、欧米を中心に世界40カ国以上で研究されている。
年輪パターン照合 (ねんりんパターンしょうごう) 遺跡発掘用語。標準年輪曲線に対して、年代不明の試料の年輪幅のデーターを一年一年ずらしながら比較し、もっとも変動の似通ったところを探して、年代を決定する方法。コンピューターによる年輪パターン照合法とコンピューターで検出した照合位置での目視による年輪パターン照合法とが併用される。この方法による精度では奈良文化財研究所が世界で最も厳しい基準を保っている。
年輪幅 (ねんりんはば) annual ring width 1年間に形成された成長層の幅。通常、年輪幅の広狭は、木口面の半径方向における年輪の占める長さを年輪数で割った平均年輪幅、あるいはこの値の逆数、すなわち、単位長さ当たりの年輪数で表示する(平均年輪密度)。一般には針葉樹では、年輪幅が大きいと早材の比率が高く、密度が低いので、強度を始め建築用材の材質としては劣るとされている。