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せ から始まる言葉
背 (せ) back 木材が育った環境によって曲がりや年輪密度の差があり、密度が高い凸側を背という。丸太でも挽角るいにしてもこの性質は同じで、横架材では背を上にして男木に使うと強く、製材時から配慮する。軒先の垂木や床の大引きは背を下にした女木に使うのが普通である。
成 (せい) 桁、梁などの部材断面で、横方向の幅に対して、下端から上端までの垂直の高さのことをいい、構造部材では、一般に成の寸法を幅よりも大きくする。背、丈とも書く。
生育適温 (せいいくてきおん) 植物がいちばん活発に光合成を行い、生育できる温度。
静荷重 (せいかじゅう) static load 時間的に変動しない一定の荷重。建物の自重、積載荷重など
成型合板 (せいけいごうはん) formed plywood、moulded plywood 曲面合板ともいう。合板製造の圧締過程で所定の型に入れて成型する。箱物、椅子の背、家具類に多く用いられる。
成形切削 (せいけいせっさく) mould cutting 平面だけでなく、曲面状に切削すること。自動三、四面かんな盤、面取り盤、ルーターなどは、いずれも成形切削機械である。
製材 (せいざい) sawing 製材機械によって原木から製材品を木取りすること。または木取りされた製品を指す一般的な呼称である。製材の材種は、板類(板、小幅板、斜面板、厚板)、挽き割類(正割、平割)、挽き角類(正角、平角)の3つに区分されている。
製材機械 (せいざいきかい) sawing machinery 原木を切削加工して、柱、板などの製材品を生産するために用いる機械類の総称のこと。帯鋸盤、丸(円)鋸盤、長(おさ)鋸盤などがあり、わが国では帯鋸盤が中心をなしている。
製材技士 (せいざいぎし) qualified sawyer 製材品の品質および製材技術の向上を目的として、製材要員について学術および技術の試験を行い、一定基準以上の者に対して技能優秀者として製材技士の称を与える制度。なお、鋸歯の目立、製材品の選別技術に対しても同じような制度が行われている。認定者は、社団法人、全国木材組合連合会。[
製材品 (せいざいひん) lumber 製材木取法に基づいて規格に合った寸法に挽き割った木材をいう。板類、挽割類、挽角類。柱や板類の特長は値段がピンからキリまである。
生産森林組合 (せいさんしんりんくみあい) Production Forest Association 森林の経営の共同化を目的として、森林組合法に基づき設立された協同組合のこと。森林組合は組合員の森林経営の一部(例えば、施業、販売、購買など)の共同化を目的とするが、生産森林組合は組合員の森林経営の全部の共同化を目的とするもの。すなわち、組合員が土地の現物出資と自らの労働により、資本と労働と経営能力を提供し合って、森林経営を行うものである。
製紙用材 (せいしようざい) pulp wood 製紙用パルプ原木として用いられる樹木をいう。洋紙と和紙に大別され、大部分が洋紙用として、エゾマツ、トドマツ、アカマツ、モミ、ツガ、シラベなどの針葉樹を主として用い、広葉樹はブナ、カバ、シナノキ、ドロノキ、イタリヤポプラなどが用いられる。和紙はコウゾ、ミツマタ、ガンピを主とする。その他、竹材も製紙材料として使われる。
星状毛 (せいじょうもう) 葉に生える毛の形態の一つで、星のような形をした毛、一ヵ所から放射状に生えた毛のこと。
星状割れ (せいじょうわれ) star shake 樹木の生育中か伐採時の衝激、または温、湿度、強風などの気象が原因で生ずる割れをいう。木口面に現われた状態で樹心から外に星形に割れのあるもの。
背板 (せいた) slab、back board 1.「皮板」ともいう。 皮付きの厚板。丸太を大割りしたときに採れるもので、原木の丸みを含んだ板状の部分をいう。この部分も捨てずに割箸(わりばし)に利用することもあるが、製材と分業化かが進み、すべて使い切っているわけではない。。 2.ベンチなどの背中の当たる部分の板。
精緻木理 (せいちもくり) fine grain 木理が鮮明で密なものをいう。主に柾目の材で銘木としても高級なもの。
成苗 (せいびょう) grown-up seedling ある程度、成長した苗木のこと。植林地に移植するのが目的
製品 (せいひん) logging 国有林野事業で用いられる語。立木を伐採して造材加工したもの。木材市場では丸太に対する製材品をいう。[
製品中割合 (せいひんちゅうわりあい) WWFジャパンが公表している、林産物調達チェックリスト用語。対象製品について、記載した「部材」が占める体積や重量の割合(%)。製品全体の体積や重量と比べ、±5%以内の誤差で記入する。
製品の出所 (せいひんのしゅっしょ) WWFジャパンが公表している、林産物調達チェックリスト用語。材料詳細で記載した材料を生産した森林の出所を記載することになっていて、森林の管理区画名などの詳細は記載しない。
政府貿易 (せいふぼうえき) government trade その国の政府が非営利目的のもとに貿易取引の当事者となる貿易の形態。
青変 (せいへん) 辺氏良く菌によって辺材部分が青く変色したもの。腐れよりは軽度の欠点で、強度低下の恐れはない考えてとよいが、美観を損ねる。マツ材などによく見かける。漂白剤などである程度は脱色できるが、木肌の風合いも失われる。
青変菌 (せいへんきん) blue-staining fungus 未乾燥木材の辺材、あるいは乾燥された製材であっても水分を含んだ場合に青変を起こす菌類をいい、変色は菌の生産するメラニン色素によって生じることが多い。木材の強度性能に影響を与えない。
成木 (せいぼく) 厳密な定義はないが、大人になった樹木のこと。
生理的伐期齢 (せいりてきばっきれい) physical cutting age 自然的伐期齢ともいう。 1.樹木が自然に枯死(生理的寿命がつきる)する年齢、 2.更新に最も適した(後継林をつくるのに)伐期齢、 3.心待ち材としての用途に当てる目的で、樹幹に心材が構成された時に伐採するなどをいう。工芸的伐期齢に対する語である。
世界文化遺産 (せかいぶんかいさん) 正式には「世界遺産」といい、ユネスコに登録されている、1 自然環境、2 歴史的、文化的環境の総称。ユネスコは1972年11月、国連人間環境会議の上記の保護に関する国際協力の合意をうけ、「世界の文化遺産と自然遺産の保護に関する条約」を採択した。1992年の国連環境開発会議を契機に日本は締結国となり、屋久島地域、白神山地地域が1 、法隆寺地域の仏教建造物、姫路城、古都京都の文化財、白川郷、五箇山の合掌造り集落、巌島神社が2 として登録されている。
背金 (せがね) back piece 胴付き鋸のように、薄い身の鋸の背に、補強のためにつける枠金。
セカンドグロス Second growth 米国ではオールド、グロスに対してヤング、グロスともいう。樹齢100年未満の若齢2次林、つまり伐採地、森林火災跡地、災害跡地などで生育した木を指し、日本ではセカンド、グロスと呼ぶことが多い。これに対してオールド、グロス Oldgrowth は老齢樹のことで、開拓時代以前から存在する樹齢100年以上の用材適齢木をいう。セコンドグロースともいう。
堰板 (せきいた) 1.コンクリートの型枠工事で、直接コンクリートに触れる板の部分。木材、合板、鋼板、プラスチックなどが用いられる。 2.土工事や基礎工事で、土砂が崩れないように地面に打ち込む土留めの板。
赤外線乾燥 (せきがいせんかんそう) infrared ray drying 赤外線の幅射熱を利用して、主として塗膜を加熱乾燥すること。一般に、赤外線電球を用いる。金属製品の塗膜乾燥に多く用いられるが、木製品に適用するときは、温度管理に注意を要する。
積載荷重 (せきさいかじゅう) 鉛直荷重の一種で、建物の床に加わる荷重。 主に人や家具等の重力で、床に対しては180kg㎡、やや分散するので柱、床梁、基礎に対しては130kg㎡、地震力算出のためには低減して60kg㎡とする。適切な補強がピアノや本棚がある所は必要となる。
積算 (せきさん) cost account 生産に要した費用を寄せ集めて集計すること。建築の分野にあっては、目的とする建築物の工事費算定を、設計図書などをもとに行い、各部分に必要な材料や工数の数量を拾い出し、集計を行い、工事費を予測する。見積と同意で使われることもあるが、詳細な各部数量の拾い出し、集計を積算といい、それに単価を掛けて工事金額を求めることを見積という見方もある。
積層材 (せきそうざい) Laminatedveneerlumber、laminated wood 木材の節などによる強度低下の補強するために考えだされた、改良木材の一種。単板あるいは挽板を繊維方向を平行にして積層接着した材料。単板を用いた場合は単板積層材、挽板を用いた場合は挽板積層材(集成材)という。強度的に優れるとともに、長尺の構造材が得られる。主に建材用に使われ、LVLと言う。
積層複合材 (せきそうふくごうざい) laminated combination lumber 普通の合板に用いる単板よりやや厚めの単板(3~10mm)を繊維方向(木目の方向)を平行に重ねて接着したもの。LCLの略号を用いることがある。→単板積層材
石綿スレート (せきめんスレート) asbestine slate セメントと石綿とを重量比で85対15の割合に混合して圧縮成形した板の総称。
瀬占め漆 (せしめうるし) うるし樹の細枝や梢を水に浸してから採った漆。
せせり箸 (せせりばし) 箸を使ううえでのマナー、タブー用語。いろんな料理をほじくり返すこと。
雪害 (せつがい) damage by snow 樹木の雪害には樹木が折れたり、曲がったり、割れたりするような機械的な雪害(冠雪害、雪圧害など)と、根雪の期間が長く生育を妨げたり、雪ぐされなどを起こす生理的雪害とがある。
設計書 (せっけいしょ) 金抜き、数量明細書ともいわれ、設計図書に基づき積算された工事数量を、項目ごとに記載した金額を入れない内訳書。設計変更、工事の出来高の算定の際、工事数量の増減の規準となる。
石膏 (せっこう) gypsum 石灰の水溶液に硫酸を加えて沈殿させた白色粉末材料。漆くい壁材料(plaster)としても用いる。
接合 (せつごう) jointing 2個以上の材を結合させることの総称。接着剤を用いる接着と、釘、木ねじ、紐(ひも)などによる緊結、雌雄の凹凸(おうとつ)部による嵌合(かんごう)の三つのことで、接着の接と、嵌合の合をとって接合と呼ぶといわれる。
接合金物 (せつごうかなもの) Connecter 木造の接合部に用いられる金物をいう。わが国ではクギ、ボルト、木ねじ、ラグスクリューのような単体を接合具と呼び、梁受け金物、ホールダウン金物、筋違プレートなどの金物類を接合金物と呼んでいる。規格としては、住木センターか定めるZマーク表示金物(枠組壁工法用)と、Cマーク表示金物(在来軸組工法用)がある。現代の木造住宅建築においては、強度、施工、工期の面などから、この種の金物の使用が不可欠なものとなっている。
接合具 (せつごうぐ) connector 接合に用いるための金具類の総称。
接合部 (せつごうぶ) 2つ以上の部材同士が取り合った部分をいう。伝統的な継手、仕口 しぐち など。
石膏ボード (せっこうぼーど) gypsum-board 新建材の一種で、石膏と無機繊維などの混合物を芯として両面を紙、布等で圧締成形した板。明治35年(1902)アメリカで発明された。日本では大正10年(1921)に製造が開始され第2次大戦後は急速に伸びて現在、吸音板をはじめ天井板、間仕切用など各種用途向けのものが製造されている。。耐水性と強度に問題を残しているが、耐火性に優れ、(準)不燃材料として広く普及している。石膏ボード自体は重く、物に少し接触しただけで端が崩れたり凹んだりするので、住宅の建築現場に運び込むのは、大変な作業になる。流通会社でも合板と異なり扱いに注意が必要。
石膏ラスボード (せっこうラスボード) 石膏をボード用紙の間にはさんだものに剥離防止の引掛け孔を開けたもので、一般的に屋内塗り壁の下地として最も使用されている。ボード用プラスターをラスボードへの下塗りでは使用する。
切削面 (せっさくめん) cutting surface 刃物で削るべき面、刃物で削った面。「被削面」ともいう。
接着強度 (せっちゃくきょうど) bond strength 接着物を破壊するのに要する単位面積当たりの力。試験方法には、引張せん断、圧縮せん断、割裂、衝撃などがある。
接着工作 (せっちゃくこうさく) gluing work 接着剤を利用して2個以上の部材を接着する作業をいう。矧ぎ、継ぎ、積層接着、成形接着、合板接着などの作業がある。
セッティ settee 長椅子。背付き長椅子。
セットバック setback 1.道路の日当たりや通風および防災を考えて、建物を道路から後退させて建てること。2.ツーバイフォー工法では、2階外壁を1階外壁より交代させて建てることを指す。この場合、1階部分を吹抜けにすることも可能。
セトリング ログハウスの施工後、木材がより乾燥するにつれて木材の径が収縮するため、またログ丸太の重さもあり、壁面の高さが低くなる現象をいう。ログ壁全体で8~10cmほど沈む英語で沈む・落着くという意味から使われる言葉。日本の伝統工法でも似たようなものに「上げ越し」がある。
セトリングスペース ログハウスは施工後に丸太の収縮で壁全体が下がるため柱や開口部、建具等を施工するのに、事前に隙間作る必要がある。その隙間のことをいう。一般的には開口高の3~5%くらい。
セトルダウン Settle Down ログハウス用語で、ログの乾燥などによる収縮沈み。2~5年くらいかかる。丸太の径や角ログによって違うが丸太の方がより沈みがある。
セミオートマチック semiautomatic 半自動ということ。全自動 fullautomatic に対して、一部分を手動操作による自動化機械を呼ぶときに用いる。
セルウォーター cell water 細胞水のことをいう
セルロース cellulose セルローズともいう。 木材の主成分であり、ブドウ糖に似た化合物で、糸のようにつながっていて縦の力には強い。木材の特徴は、この物質によるところが大きく、木材中ではセルロースが束(たば)になったミクロフィブリルが、幾重にもなって細長い形状の木材の細胞の壁を構成している。針葉樹、広葉樹とも木質部の50%程度を占めている。
栓 (せん) tap、stopper 1.物を動かないようにする楔状のもの。継手や仕口(しぐち)を固定するために、2つの材を貫通する穴に打ち込む細長いカシやナラなどの堅木(かたぎ)で作られた小部材。 2.穴をふさぐ先細のもの。樽の呑口(のみくち)をふさぐ樽栓、びんの口をふさぐコルクなど。
繊維板 (せんいばん) fiber board おもに植物繊維でつくった熱圧成型した板の総称のこと。軟質板、半硬質板、硬質板などがある。合板より均一な品質が得られる。利用樹種はマツ、ヒノキ、エゾマツ、トドマツ、ラワン、ブナ、カバ、シナ、ハンノキ、ドロノキなど針葉樹、広葉樹ともに利用できる。また小径木、梢端材、枝などの林地廃材、製材や木工等の廃材も原料となる。
先駆植物 (せんくじゅもく) 他の樹木がまだ生えていない裸地などに、真っ先に侵入してくる樹木のこと。生育力が旺盛で、生長が早く、貧弱な環境にも耐えるといった共通 の性質をもつ。先駆性植物。ヤシャブシ、ヤマツツジ、ハコネウツギなどアカメガシワ、ハリエンジュなど。
穿孔 (せんこう) boring 刃物や錐で回転させながら木材中に押し込んで、穴、とくに丸穴をあけること。
染色 (せんしょく) 1.染料系着色剤を使う塗装をいう 2.木材を染料に浸漬(しんし)させる塗装方法。木地染色の欠点は着色が不安定だが、人工色にはない自然色の魅力がある。
船側渡し (せんそくわたし) free alongside ship FAS 本船の船側で、貨物を荷受け人に引き渡す一般的な方法。
剪断 (せんだん) 相反する平行力によって生ずる物体の変形。形状だけが変化し、体積は変化しないもので、押切り、鋏(はさみ)などによる切断が剪断である。木材は繊維方向に剪断しやすい。最大剪断荷重を断面積で除したものを剪断強度という。
剪断応力 (せんだんおうりょく) shearing stress 木材の強度の表示の一つ。他に圧縮強度、引張り強度などがある。
選木 (せんぼく) tree selection 林木や材木の集団の中から目的とする個体を選ぶこと。間伐では、対象林分の中から間伐木を選ぶことであり、選抜育種では野生種や在来品種のなかから形質の優れた樹木を選びだすことである。または木材市場で売買に当たって市場価値の高い良材を抜き出すこともいう。
千本膠 (せんぼんにかわ) 1貫(約3。75kg)の膠から千本つくった短冊形の膠のこと。
全国森林計画 (ぜんこくしんりんけいかく) nation-wide forest plan 農林水産大臣が「資源基本計画」及び「需給長期見直し」にもとづき、全国の森林を、5年ごとに15年を1期として計画すること。森林のもつ各種機能の重要性を考慮し、国が森林施業の基本的事項などを定める。つまり国の森林関連政策の長期ビジョン(戦術、戦略)のこと。