134 |
カキ |
柿の木の下 |
赤あかと実のつた柿の木の下に長崎の入江も見えてゐるのである。 |
137 |
乳香 |
乳香や没薬を |
東の国の博士たちはクリストの星の現はれたのを見、黄金や乳香や没薬を宝の盒(はこ)に入れて捧げて行つた。 |
140 |
カシ |
かしの木のように |
クリストに洗礼を授けたヨハネはかしの木のように逞(たくま )しかつた。 |
140 |
カシ |
カシの木の力 |
しかし獄中にはひつたヨハネはもう枝や葉に漲(みなぎ)つているカシの木の力を失つていた。 |
140 |
カシ |
シの木 |
太いカシの木は枯かかつたものの、未だに外見だけは枝を張つている。 |
140 |
枝 |
枝や葉に |
しかし獄中にはひつたヨハネはもう枝や葉に漲(みなぎ)つているカシの木の力を失つていた。 |
140 |
枝 |
枝を張つて |
太いカシの木は枯かかつたものの、未だに外見だけは枝を張つている。 |
140 |
葉 |
枝や葉に |
しかし獄中にはひつたヨハネはもう枝や葉に漲(みなぎ)つているカシの木の力を失つていた。 |
146 |
バラ |
薔薇の花 |
石鹸の匂のする薔薇の花に満ちたクリスト教の天国はいつか空中に消えてしまつた |
153 |
イチヂク |
柘榴や無花果も |
しかし深い谷の底には柘榴や無花果も匂つていたであらう。 |
153 |
ザクロ |
柘榴や無花果も |
しかし深い谷の底には柘榴や無花果も匂つていたであらう。 |
155 |
イチヂク |
無花果 |
彼は道ばたの無花果を呪った。 |
155 |
イチヂク |
無花果 |
しかもそれは無花果の彼の予期を裏切つて一つも実をつけていない為だつた。 |
155 |
枝 |
樹の枝 |
樹の枝を敷いた道の上に「ホザナよ、ホザナよ」の声に打たれながら、 |
155 |
実 |
実を |
しかもそれは無花果の彼の予期を裏切つて一つも実をつけていない為だつた。 |
155 |
樹 |
樹の枝 |
樹の枝を敷いた道の上に「ホザナよ、ホザナよ」の声に打たれながら、 |
156 |
カンラン |
橄欖 |
ゲツセマネの橄欖はゴルゴタの十字架よりも悲壮である。 |
157 |
カンラン |
橄欖 |
同時に又あらゆるクリストの弟子たちは「いたく憂て死ぬばかり」な彼の心もちを理解せずに橄欖の下に眠つてゐる。 |
158 |
ヤマナラシ |
白楊の木に |
しかしユダはクリストを売つた後、白楊の木に縊死いししてしまった。 |
162 |
イチヂク |
無花果の |
けれども彼は無花果の下や象嵌をした杯の前に時々彼の友だちのクリストを思ひ出していたことであろう。 |
165 |
梯子 |
折れた梯子で |
それは天上から地上へ登る為に無残にも折れた梯子である。 |
166 |
艸木 |
太平の艸木 |
太平の艸木(そうもく )となることを願つた「東方の人」たちもこの例に洩れない。 |