90 |
ヤナギ |
葉をふるつた柳の梢を |
幸、葉をふるつた柳の梢を、煙らせる程の雨もなく、やがて曇りながらもうす明い、 |
90 |
梢 |
葉をふるつた柳の梢を |
幸、葉をふるつた柳の梢を、煙らせる程の雨もなく、やがて曇りながらもうす明い、 |
90 |
葉 |
葉をふるつた柳の梢を |
幸、葉をふるつた柳の梢を、煙らせる程の雨もなく、やがて曇りながらもうす明い、 |
91 |
ボダイジュ |
菩提樹の珠数 |
法師じみた丈艸が、手くびに菩提樹の珠数をかけて、端然と控へていたが、 |
91 |
珠数 |
菩提樹の珠数 |
法師じみた丈艸が、手くびに菩提樹の珠数をかけて、端然と控へていたが、 |
92 |
楊子 |
羽根楊子 |
一椀の水と一本の羽根楊子とは、既にこの老僕が、用意して置いた所である。 |
93 |
楊子 |
羽根楊子 |
彼は慌しく視線を側へ外らせると、さり気なく羽根楊子をとりあげて、 |
94 |
楊子 |
羽根楊子 |
そうしてその羽根楊子へ湯呑の水をひたしながら、厚い膝をにじらせて、 |
95 |
楊子 |
羽根楊子 |
其角に次いで羽根楊子をとり上げたのは、さつき木節が相図をした時から、 |
96 |
楊子 |
羽根楊子 |
だから去来は羽根楊子をとり上げると、妙に体中が固くなつて、 |
97 |
楊子 |
羽根楊子 |
おづおづ席に復すると、羽根楊子はその後にいた丈艸(じょうそう)の手へわたされた。 |
98 |
ボダイジュ |
菩提樹の念珠 |
その惻々として悲しい声の中に、菩提樹の念珠を手頸にかけた丈艸は、 |
98 |
念珠 |
菩提樹の念珠 |
その惻々として悲しい声の中に、菩提樹の念珠を手頸にかけた丈艸は、 |
100 |
楊子 |
羽根楊子 |
その時羽根楊子の白い先を、将(まさ)にその唇へ当てようとしていた惟然坊は、 |
101 |
ナシ |
梨の実 |
忘れもしない初時雨の日に、自ら好んだ梨の実さえ、 |
102 |
ボダイジュ |
菩提樹の念珠 |
彼はこの恍惚たる悲しい喜びの中に、菩提樹の念珠をつまぐりながら、 |
102 |
念珠 |
菩提樹の念珠 |
彼はこの恍惚たる悲しい喜びの中に、菩提樹の念珠をつまぐりながら、 |