182 |
香箱 |
香箱 |
台所の隅の蚫貝の前に大きい牡の三毛猫が一匹静かに香箱をつくつていた。 |
183 |
マツ |
荒神の松 |
狭い板の間を塞いだ竈、蓋のない水瓶の水光り、荒神の松、引き窓の綱、 |
183 |
板の間 |
板の間 |
狭い板の間を塞いだ竈、蓋のない水瓶の水光り、荒神の松、引き窓の綱、 |
187 |
ナシ |
桃や梨 |
何処か新しい桃や梨を聯想させる美しさがあった。 |
187 |
モモ |
桃や梨 |
何処か新しい桃や梨を聯想させる美しさがあった。 |
187 |
板の間 |
板の間 |
乞食の言葉には返事もせず、水口の板の間へ腰を下した。 |
188 |
板の間 |
板の間 |
乞食の存在も忘れたように、板の間の上に立ち上った。 |
191 |
荒神 |
荒神の松や |
と同時に荒神の松や油光りのする燈明皿も、 |
191 |
板の間 |
板の間 |
二人は狭い板の間の上に、少時(しばらく)の間掴(つか)み合った。 |
192 |
板の間 |
板の間 |
何時か髪も壊れたお富は、べったり板の間に坐りながら、 |
194 |
板の間 |
板の間 |
お富は彼を止めると同時に、手の中の剃刀を板の間へ落した。 |
194 |
板の間 |
板の間 |
彼は板の間へ出たと思うと、まだ茶の間へ背を向けたなり、 |
197 |
サクラ |
桜 |
おまけに桜も黒門のあたりは、もう大抵開いていた。 |