201 |
枝垂桜 |
枝垂れた桜 |
古い池に枝垂れた桜は、年毎に乏しい花を開いた。 |
204 |
木高 |
木高い |
木高い屋形住まつていた。六の宮の姫君と云うのは、その土地の名前に拠ったのだつた。 |
206 |
棚 |
黒棚 |
黒棚や簾も新たになり、召使いの数も殖ふえたのだつた。 |
206 |
几帳 |
蝶鳥りの几帳 |
が、蝶鳥りの几帳を立てた陰に、燈台の光を眩しがりながら、 |
207 |
マツ |
軒に当つた松 |
屋形の軒に当つた松は、何度も雪に枝を折られた。 |
207 |
枝 |
枝を折られた |
屋形の軒に当つた松は、何度も雪に枝を折られた。 |
207 |
木 |
木から落ちた |
しかも木から落ちた拍子に、鎌を喉へ突き立てていた。 |
208 |
枝垂桜 |
枝垂しだれた桜 |
古い池に枝垂しだれた桜も、蕾を持つた事を話しながら。 |
208 |
蕾 |
蕾を |
古い池に枝垂しだれた桜も、蕾を持つた事を話しながら。 |
209 |
板 |
板を剥はぎ |
乳母は焚き物に事を欠けば、立ち腐れになつた寝殿へ、板を剥はぎに出かける位だつた |
210 |
クリ |
栗の実 |
「栗の実が落ちたのでございましょう。」 |
210 |
実 |
栗の実 |
「栗の実が落ちたのでございましょう。」 |
211 |
板屋 |
板屋 |
傾いた板屋のあるのを見つけた。 |
211 |
門 |
四足の門 |
昔あつた四足の門も、檜皮葺の寝殿や対も、悉く今はなくなつていた。 |
211 |
檜皮 |
檜皮葺の寝殿 |
昔あつた四足の門も、檜皮葺の寝殿や対も、悉く今はなくなつていた。 |
213 |
櫺子 |
櫺子の中に |
薄暗い窓の櫺子の中に、人のいるらしいけはいを捉えた。 |
216 |
マツ |
松の匂が |
あたりには唯松の匂が、夜気に漂っているだけだった。 |