107 |
枝 |
枝 |
それから洋館の空に枝をのばしている、広重ひろしげめいた松の立木――そこには取材と手法とに共通した、 |
107 |
マツ |
松の立木 |
それから洋館の空に枝をのばしている、広重ひろしげめいた松の立木――そこには取材と手法とに共通した、 |
107 |
立木 |
松の立木 |
それから洋館の空に枝をのばしている、広重ひろしげめいた松の立木――そこには取材と手法とに共通した、 |
107 |
杖 |
細い杖 |
子爵は小声でこう云いながら、細い杖の銀の握りで、硝子戸棚の中の絵をさし示した。 |
108 |
銀杏返 |
銀杏返し |
洋服を着た菊五郎と銀杏返しの半四郎とが、火入ひいりの月の下で愁嘆場(しゅうたんば)を出している所です。 |
108 |
杖 |
杖 |
しかし本多子爵は更に杖の銀の握りで、芳年の浮世絵を一つ一つさし示しながら、 |
111 |
黒檀 |
黒檀 |
彫刻(ほり)のある黒檀の大きな書棚、鏡のついた大理石の煖炉、 |
111 |
マツ |
松の盆栽 |
それからその上に載っている父親の遺愛の松の盆栽 |
111 |
盆栽 |
松の盆栽 |
それからその上に載っている父親の遺愛の松の盆栽 |
111 |
蒲柳 |
蒲柳の体質 |
彼の蒲柳(ほりゅう)の体質が一切の不摂生を許さなかったからもありましょうが、 |
116 |
入梅 |
入梅 |
入梅で書物が大半黴(か)びてしまった事、 |
116 |
バラ |
薔薇の花束 |
何でも束髪(そくはつ)に結った勝美婦人かつみふじんが毛金(けきん)の繍(ぬいとり)のある黒の模様で、薔薇の花束を手にしながら、 |
119 |
バラ |
薔薇 |
それが薔薇かと思われる花を束髪にさして、地味な色の半襟の上に、 |
121 |
サクラ |
桜の釣枝 |
それほど私は賑な下座(げざ)の囃(はやし)と桜の釣枝との世界にいながら、 |
121 |
釣枝 |
桜の釣枝 |
それほど私は賑な下座(げざ)の囃(はやし)と桜の釣枝との世界にいながら、 |
122 |
薔薇 |
薔薇の花束 |
すると三浦は例の通り、薔薇の花束を持った勝美み夫人の額の下に坐りながら、 |
123 |
薔薇 |
薔薇 |
今日も薔薇を髪にさした勝美夫人を冷に眺めながら、 |
126 |
桐油 |
桐油 |
向うの俥が桐油(とうゆ)を下して、中の一人が沓脱へ勢いよく飛んで下りたのとが、 |
126 |
梶棒 |
梶棒 |
車夫が梶棒を上げる刹那の間も、異様な興奮に動かされながら、 |
126 |
バラ |
薔薇の花 |
或いは又束髪に薔薇の花をさした勝美夫人だったでしょうか。 |
127 |
欄干 |
欄干 |
大きく墨をなすったような両国橋の欄干が |
128 |
櫓 |
櫓の音 |
いつの間にか我々を乗せた猪牙舟(ちょきぶね)は、一段と櫓の音を早めながら、 |
128 |
首尾の松 |
首尾の松 |
夜目にも黒い首尾の松の前へ、さしかかろうとしているのです。 |
130 |
シイ |
椎の樹 |
空はまるで黒幕でも垂らしたように、椎の樹松浦の屋敷の上へ陰々と蔽いかかった儘、 |
132 |
並木 |
並木 |
かすかな舟脚を夜の水に残しながら、かれこれ駒形こまかたの並木近くへさしかかっていたのです。 |