6月16日に2回目の見学をしました。
この日は朝9時5分前に西口から入場できました。すごいですね、みんな走っています。お目当てはイタリア館でしょう。
私はトイレに立ち寄ってから向かったため、すでに多くの人が並んでいましたが、それでも10分ほどで入館できました。
館内にはミニシアターがあり、座って「イタリアとは?」という映像を約5分間鑑賞します。上映が終わると、スクリーンが4枚の扉のように開き、メイン展示へと誘導されるというユニークな演出があります。
メイン展示の中心には、古代ローマ時代の大理石彫刻『ファルネーゼのアトラス』が展示されています。
広角で撮影したため天井も写っていますが、実はこの天井と2階の床は一体構造で、イタリア館は完全な木造3階建ての建物です。
『ファルネーゼのアトラス』はナポリ国立考古学博物館所蔵で、国外に出るのは今回が初めてとのことです。
近くにはミケランジェロの彫刻『キリストの復活』も展示されています。
同じ会場内には、木製飛行機の骨格模型が天井から吊るされています。
これは大正時代、友好親善を目的に行われた「ローマ—東京間飛行」を成功させた機体の復元です。
1920年(大正9年)1月以降、ローマから11機が飛び立ちましたが、故障や不時着で次々に脱落。
同年5月31日、陸軍のアルトゥーロ・フェラリン中尉らが乗った2機が、代々木練兵場に着陸しました。
展示されているのは、成功した複葉機「アンサルドSVA9型機」(全長約8メートル)の骨格を復元したものです。
この復元機は、イタリア人のジョルジョ・ボナートさん(59歳)がカナダ産の木材(樹種は不明)を用いて手作業で製作。
流線形の部材が多く、湯気で木を温めながらカーブをつけるなど、緻密な技術が使われています。
2年前、イタリア館のマリオ・バッターニ政府代表から「人の手で作った本物を見せる」という方針に合致するとして出展を依頼されたそうです。
細部まで見てもらえるよう、あえて骨組みのままで展示されていますが、天井の木材と同化してしまっているようにも見え、少しもったいない印象もありました。
なお、1970年の大阪万博でもこの実物飛行機が展示されており、現在は航空自衛隊浜松基地に保存されていると思われます。
バチカンパビリオンはイタリア館内に設置されています。
「美は希望をもたらす」をテーマに、カラヴァッジョの名作『キリストの埋葬』が展示されています。撮影可能なのが魅力的です。
また、レオナルド・ダ・ヴィンチのコーデックス原本が2点展示されていますが、こちらは列ができていて、ゆっくり撮影するのは難しい状況でした。
その他にも、イタリア人職人による作業風景の紹介など、見どころ満載のパビリオンです。
グループ単位で強制的に移動する方式ではなく、自分のペースで展示を見て回ることができるため、貴重な文化財をじっくり観賞したり、写真撮影を楽しんだりすることができます。
本当にすばらしい構成です。
最後は階段を上がって3階へ。屋上庭園を散策できます。
なお、イタリアンレストランは地上階で順番待ちが必要です。
また、地上にはジェラート屋さんやピザの屋台もあり、大変な人気でにぎわっていました。