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ルクセンブルク大公国 Grand Duchy of Luxembourg 

ルクセンブルクスタンプ

ルクセンブルクパビリオンは、「DOKI DOKI ― ときめくルクセンブルク」というテーマのもと、持続可能性と循環型社会のビジョンを伝える建築と展示で構成されています。パビリオン全体は、ルクセンブルクの建築設計事務所STDM(シュタインメッツ・デ・マイヤー)と日本の設計事務所みかんぐみによって設計され、解体・再利用を前提とした“循環型建築”としての明確な姿勢が打ち出されています。

この建築は、大小13個の鉄骨造の箱型ユニットを配置し、それらの上を大きな白い膜屋根で覆うことで、一体感のある空間を生み出しています。箱型ユニットはそれぞれが都市や民族を象徴するように設けられ、ルクセンブルクという多民族・多文化の国の成り立ちを建築で表現しています。これらのユニットはモジュール構造となっており、地盤の弱い夢洲においても施工がしやすく、かつ解体後の再利用を容易にする設計です。箱のサイズは3.24m角の小型から13.6m×9.61mの大型まであり、それぞれに異なる展示コンテンツが組み込まれています。

パビリオンの屋根には、テンション膜構造による軽量で高耐久な白い膜が使用されています。これはフランスのSerge Ferrari社が開発したもので、日本ではまだ施工例の少ない材料です。この膜屋根は、夢洲の強い日差しや雨を遮る機能を持つとともに、光を通す特性を活かして夜間には内部からライトアップされ、“ドキドキ”というテーマの感情表現を視覚的に演出します。屋根には山型の突起とホルン状のくぼみがあり、くぼみ部分には雨水が集まり、地表に排水されるように設計されています。構造的には、風の影響に耐えるために膜材が強く下方に引っ張られ、基礎にしっかりと固定されており、見た目の軽やかさとは裏腹に精緻なエンジニアリングが施されています。

外装には、日本のコンクリート型枠用合板(塗装合板) が使用されており、取り付けにはルクセンブルク国旗の色である赤と青のベルトを交互に配置することで、安全性と意匠性を両立させています。これらの合板も再利用を前提に選定されており、素材選びから構造、施工に至るまで、徹底したサステナビリティ志向が貫かれています。さらに、膜屋根の一部は、万博閉幕後に眼鏡やオブジェとして再利用する計画も進行中です。

建築チームは国際的な構成で、実施設計は「みかんぐみ」が担当し、施工は内藤ハウス(山梨県)、構造設計はベルギーのNey & Partners、設備設計はルクセンブルクのBeticと東京のZO設計室が担っています。現場では英語、フランス語、日本語が飛び交い、まさに万博らしいグローバルな協働によって建築が実現されています。

館内の動線は、13のユニットの間に設けられた路地や庭園を巡る形で構成されており、日本的な「路地」や「坪庭」の感覚が随所に取り入れられています。展示は3つの「幕」で構成され、舞台美術は「jangled nerves」が手がけています。第1幕では、ルクセンブルクの住民の暮らしや多様性に触れることができる空間が広がり、等身大の映像やパネルを通して来館者と対話するような展示が用意されています。第2幕では、未来技術とサステナビリティをテーマに、インタラクティブなゲームやタッチディスプレイを通じて環境保護や先端産業(宇宙開発や医療技術など)への理解を深める体験ができます。中でも、来館者がボタンを押して反応を楽しむ球体展示など、感覚的な参加型コンテンツが特徴的です。

第3幕は、ルクセンブルクの自然と文化の魅力を全身で感じられる没入型展示です。床に設けられたネットに寝転びながら、頭上や足元に投影される映像と音響に包まれ、まるで空を飛ぶような体験を味わえます。渓谷や中世の街並み、森などがダイナミックに展開され、訪れた人々は非日常的な没入感を得ることができます。

また、パビリオン内にはルクセンブルク料理を楽しめるレストランや物産販売のスペースも併設されており、グロンペレキッヒェルヘン(ジャガイモ料理)や国旗カラーのマカロンなどが提供されています。

このように、ルクセンブルクパビリオンは、最新の建築技術とサステナブルな思想を融合させた構成のもと、文化・技術・自然を多角的に紹介する場となっています。建築そのものが“体験の器”として機能し、再利用可能なモジュール型の構造、膜屋根の活用、日本と欧州のコラボレーションなど、未来の建築のあり方を示す先進的な事例となっています。

関西万博-ルクセンブルグ館
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