中川木材産業は大阪・関西万博の会場整備参加サプライヤーです
cExpo 2025
インドネシア Republic of Austria
インドネシア館公式スタンプ
西ゲートから大屋根リング左へ、すぐに柱番号24・
インドネシア館
インドネシアとのかかわりと70年万博との比較
1970年の大阪万博にもインドネシア館が出展していました。当時は第2代大統領スハルト政権になって2年目で、国としてはまだ発展途上の時代でしたが、それでも100名以上のインドネシア人が来日し、パビリオンで働いていました。
私(編集者)はお祭り広場で勤務し ていましたが、インドネシア館が近くにあったため、仕事の前後によく立ち寄りました。そこでホステス、踊り子、警備員、事務スタッフの人たち から言葉を学び、約1か月ほどでインドネシア語の会話が自由にできるようになりました。この経験がきっかけで人生は大きく変わり、総合商社に就職して憧れのインドネシアに赴任する ことができました。その後は経済団体でのミッション派遣や、テレビ番組の企画などを通じてインドネシアと深く関わるようになりました。現在に至るまで、当時のインドネシア館のスタッフとの家族ぐるみの交流が続いており、来日時のホームステイ、ジャカルタでの再会 、オンラインによる同窓会、近年ではSNSでのやりとりなど、交流の形は変わりながらも続いています。
インドネシア館 1970年
天皇皇后両陛下は、館で民族舞踊をご鑑賞になった。
自宅での誕生日パーティ toyonaka 1970年
35周年同窓会 jakarta 2025年
また、バンドン工科大学やインドネシアの団体(Hyphen. Yogyakarta )から、1970年万博インドネシア館の研究や顕彰のための使節団を受け入れる機会もありました。こうした活動はNHKにも取り上げられ、2023年と2025年に放送 されています。
2025年のインドネシア館にもすでに3度ほど訪問しましたが、1970年のパビリオンとは大きく趣が異なります。日本もインドネシアも、この半世紀で大きく変わったことを実感します。
1970年のインドネシア館では、踊り子や歌手、演奏者はいずれも選び抜かれた一流の人材で、ホステスは洗練され頭脳明晰、警備スタッフは落ち着いた屈強なタイプで、まさに一流ぞろいでした。彼らはにこやかではありましたが、過度に愛想を振りまくわけではなく、しかし一度話をすると長く親しく付き合える人懐っこさがあり、居心地の良いパビリオンでした。
建設は当時「日本一」と評された鹿島建設が担当し、インドネシアとの結びつきの深さから、同国関係者の寮も同社が建設しています。建物は鉄骨鉄筋構造で、外装には日本の杉皮が用いられていました。館内はゆったりとした設計で、多くの来場者を受け入れることができました。レストランはテーブルクロスを備えた本格的なもので、ゆっくりとインドネシア料理を楽しむことができ、毎日バリのガムランやアンクルンの演奏、ジャワ、スマトラ、カリマンタンの民族舞踊が披露されました。天皇陛下もご覧になった立派なステージでした。
一方、2025年のインドネシア館はグループごとの移動方式が採られており、多くの来場者を効率よくさばくには不向きです。また時間単位で区切られているため、スタッフとじっくり会話を交わすことは難しく、「こんにちは」と交わす程度で終わってしまいます。展示は映像が中心ですが、特に最後の部屋では映画館さながらの迫力ある映像が楽しめ、インドネシアが本来持つ文化・芸術の力を十分に発揮した内容になっています。
開会当初は控えめだったスタッフも、時間が経つにつれて雰囲気が変わり、来場者を楽しませようと一気にテンションが高まる場面も見られます。長年インドネシア人と付き合ってきた私にとっても新鮮な驚きでした。
1970年当時と2025年の現在とで大きく異なる点は多いものの、共通しているのは、やはり日本人に対する信頼と人懐っこさだと感じます。
外観とテーマ
インドネシア館は「船」をモチーフにしたダイナミックな外観を持ち、世界最多の1万7,000以上の島々から成る群島国家インドネシアを象徴しています。テーマは「自然・文化・未来の調和(Harmony in Diversity and Future Prosperity)」。2045年の先進国入りという国民の夢を船に重ね、持続的に前進する姿を表現しています。建築には米ぬか残渣(残渣) ・リサイクルプラスチックなどを原料とする環境配慮素材「プラナウッド(Plana Wood)」を採用し、エネルギー効率の高い照明や冷却システムを導入するなど、持続可能性を強く意識しています。
建築・施工
デザイン・プロデュース:PT. SAMUDRA DYAN PRAGA
設計・建設:西尾レントオール、ATA、フジヤによる共同企業体
構法:ATA開発の「ATA-CLT-S構法」を採用し、CLTパネルと鉄骨を組み合わせた効率的な木造建築。ということですが、完成後はこのCLTパネルは内装で隠れてしまって見ることができせん。
特徴的な構造:船首のように突き出したキャンチレバー、左右に取り付けられた鉤状のファサード、2階シアターを支えるトラス構造などで利用されているようです。プラナウッドは館内外で利用されていますが、材料はもみ殻60%、リサイクルプラスチック30%、添加剤10%の混合で作られています。
環境配慮:プレキャスト化による工期短縮や、再利用可能な部材の導入。閉幕後も一部が大使館などに移設され文化的遺産となる予定。
展示・体験ゾーン
館内は3つのゾーンで構成され、合計4つの大型映像体験が設けられています。
1. ネイチャーゾーン
熱帯雨林をリアルに再現。滝や湿度調整、7mを超える樹木などを配置。
インドネシアの豊かな生物多様性を紹介し、著名アーティストによる絶滅危惧種を題材とした作品も展示。
2. カルチャーゾーン
写真展「ワジャー・ヌサンタラ(国の顔)」や伝統武器の展示。
織物文化の紹介、舞台パフォーマンス、武術映像などを通じて1300民族の多様な文化を体感。
3. フューチャーゾーン
ジャカルタからの遷都計画「ヌサンタラ」を模型とプロジェクションマッピングで紹介。直径7mを超える巨大模型と映像の融合による未来都市体験。
再生可能エネルギーや持続可能なインフラ計画を紹介。
4. 映像体験・シアター
4つの映像演出が順に展開される構成。特に最後の超大型スクリーンでは文化や自然遺産を壮大に描き、来場者の拍手を呼ぶ圧巻の内容。
床が動いているかのように錯覚させる没入感ある演出が特徴で、会場でも特に評価の高い展示。
イベント・交流
パビリオン前のステージでは観客参加型のイベントを開催し、笑顔あふれる交流空間を演出。
館内では食文化・工芸体験やワークショップのほか、ビジネスフォーラムやプライベート会議スペースも用意され、観光・文化交流・経済交流を多角的に展開。
インドネシア館 プロモーション動画
VIDEO
「出典:Indonesia Pavilion Unveil Design Expo 2025 Osaka(YouTube)」