
ハンガリー館公式スタンプ

西ゲートから大屋根リング右折、、柱番号04付近を左に150メートル
ハンガリーパビリオン最大の見どころは、干し草の山を模した高さ約17メートルの木製ドームです。このドームの外装には、福島県いわき市周辺のスギ材429本が使用され、らせん状に組み上げられています。
ドームの施工を担ったのは、郡山市の木材加工会社「オノツカ」。供給されたスギ材は、自社工場でプレカットと耐候性を高める塗装処理を施し、現地で精密に組み立てられました。木材の取り付けには、鉄骨からミリ単位で延長したブラケットを用い、3D設計によるシミュレーションを活用することで、複雑な立体構造を正確に実現しています。
この木造ドームは、民族音楽のライブが行われる没入型シアターとしても機能し、構造美と音響性能を兼ね備えた、木材建築の傑作です。
建設を統括したのは静岡県の橋本組。パビリオン全体はドーム、3階建てのビジネス棟、サービス棟で構成され、短工期で高精度な施工が求められました。
地下階構造にプレキャスト工法(PC)を採用し、工期を圧縮、複雑な設備設計には3DCAD(レブロ)を導入し、工程と精度の管理を徹底。
木材だけでなく、ALCパネルや防水デッキプレート、屋上緑化など多様な建材を併用し限られた敷地で常時100名以上の作業員を管理しながら施工が進められました。
建築デザインには日本とハンガリーの民俗建築の共通点を活かし、自然素材と伝統技術が融合。ドームのほか、ファサードには風に揺れる35,500枚のテント生地が取り付けられ、風鈴や短冊のように優美な動きを見せます。
また、福島県産の木材を使用すること自体が東日本大震災からの復興を象徴する意味を持ち、世界に向けた希望のメッセージとなっています。