中川木材産業は大阪・関西万博の会場整備参加サプライヤーです。 cExpo 2025
日本万国博覧会と木のかかわり
カタール国
Qatar
ぜひ見たいと思っていたパビリオンのひとつがカタール館です。隈研吾さんが手がけた建物ということもありますが、三角帆の木造帆船「ダウ船」のイメージが、木材の使い方にどう反映されているのかに興味がありました。
順番待ちの列に並んですぐに帆の中に入ることができ、太陽の強い光を避けることができました。建物の外壁はスギ材で覆われており、木材業界でいう「羽目板」が使われています。他のパビリオンとは異なり、非常に緻密に、まるで日本的な几帳面さで貼りつけられていました。
単に板を突き合わせていく「突きつけ」ではなく、「本実加工」と呼ばれる施工方法が使われており、これはオス実(凸側)とメス実(凹側)に分かれた板を組み合わせて固定する方法です。しかも使われているスギ材は、小節もない「無地材」。かなり厳選された材料であることがわかります。施工後に塗装されたように見えました。
スギの貼り方にも変化があり、塗装も単色ではなく微妙に異なる色合いが施されていて、全体としてのデザインがとてもすばらしいと感じました。建物の外壁としては相当の費用がかかったのではないかと思われます。
なお、鉄骨の継ぎ目などはあえて露出させていますが、この方がコストを抑えられるうえ、全体の見た目のバランスとしても、むしろ好印象を与える仕上がりになっていると感じました。