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国内のパビリオンや施設などで木材を構造や内外装などに多用しているもの

飯田グループ×大阪公立大学共同出展館

―西陣織とメビウス構造による象徴的建築と、展示模型に使われた木材―

2025年大阪・関西万博の「飯田グループ×大阪公立大学共同出展館」は、飯田グループホールディングスと大阪公立大学による国内初の本格的な産学連携パビリオンとして出展されました。テーマは「人、社会、地球の健康」で、未来の住宅や都市、エネルギー技術を総合的に紹介する施設です。

パビリオンの一般的特徴

建物は、無限や循環を象徴するメビウスの輪をモチーフにした三次元躯体が大きな特徴です。曲線状のアーチやリング状構造材を組み合わせた複合的な立体構造により、連続性や循環、継承と進化といったサステナビリティの思想を可視化しています。
外観は、1200年以上の歴史を持つ西陣織を外装全面にまとわせた極めて特徴的なもので、特殊加工された織物が建物全体を覆っています。長径約64m、短径約39m、外装面積約3027㎡という大規模な西陣織外壁は、「世界最大の西陣織で包まれた建物」とされ、さらに「世界最大の扇子形屋根」とあわせてギネス世界記録にも認定されました。
伝統工芸と最先端技術を融合させ、「いのちを紡ぎ、育み、未来へつなぐ」という理念を建築として表現した象徴的なパビリオンです。
内部では、未来の都市と住宅をテーマに、
・人工光合成によるエネルギー創出 ・健康的な暮らしを支えるウェルネス住宅
・未来都市「ウェルネススマートシティ」の大型ジオラマ
などが展示され、来館者が身近な「家」や「街」から未来社会を想像できる構成となっていました。中央には長径約24mの巨大な都市模型が配置され、展示全体がその周囲に収束するワンルーム型の立体展示空間となっています。

木材利用について

建物自体は膜構造と鉄骨を主体とした構成で、木造パビリオンではありません。しかし、館内の中心展示である未来都市の大型ジオラマに木質材料が使用されていました。
調査と入館確認の結果、この模型の基材にはランバーコア(ブロックボード)が用いられ、大阪市の九州木材商会がNCルーターで精密加工を行い、模型会社からの発注に応じて部材供給をしていたことが分かりました。軽量で反りが少なく加工精度の高いランバーコアは、大型かつ精密な都市模型の構造材として適した材料であり、万博における木材利用の一端を担っています。

個人的関わり

筆者は大阪公立大学工学部の非常勤講師として、2012年の大阪市立大学時代から講義を担当しており、統合後も継続しています。そのため本パビリオンには開幕前から関心を持ち、資料収集や現地確認を行いました。当初は建物自体に木材利用が少ない印象でしたが、展示模型の制作に木質材料が使われていることが確認でき、万博における木材利用が建築以外の分野にも広がっていることを実感しました。

まとめ

飯田グループ×大阪公立大学共同出展館は、西陣織とメビウス構造によって伝統と未来を象徴的に融合させたパビリオンです。建物本体は木造ではないものの、館内展示の大型都市模型に木材(ランバーコア)が使用されており、万博における木材利用が建築だけでなく模型・展示制作の分野にも及んでいることを示す事例となっています。産学連携による未来都市提案とともに、木材の多様な使われ方を考えるうえでも興味深いパビリオンといえるでしょう。
建築データ 敷地面積:約3,500㎡
規模:地下1階・地上2階
高さ:約12.3〜12.7m
構造:骨組膜構造(一部鉄骨造)
設計:高松伸建築設計事務所
施工:清水建設
万博-大阪公立大学
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