大阪ヘルスケアパビリオン

東ゲートから入り大屋根リングの手前の右に。
― REBORN を体現する、木と水の建築 ―
個人体験
会期後半のある日、大阪ヘルスケアパビリオンを訪れました。たまたま朝9時ちょうどに入場したところ、「1日50人限定・先着順」で体験できることが分かり、すぐに列に並びました。
ただし当日は時間の制約があり、メインプログラムである「リボーン体験」は断念し、1階部分の見学と写真撮影のみとなりました。スタッフの方からは何度も体験を勧めていただきましたが、他施設の記録撮影を優先する必要があり、今回は見送ることになりました。
パビリオンの概要
大阪府・大阪市が出展する大阪ヘルスケアパビリオンのテーマは「REBORN」。
未来に向けたヘルスケアや都市生活の姿、iPS細胞をはじめとする再生医療の可能性を発信する、開催地・大阪を代表するパビリオンです。夢洲駅に近い北東エリアに位置し、鉄道で来場する人々を最初に迎える“会場の顔”のひとつとなっています。
木と水を再構築した建築デザイン
本パビリオンの建築的特徴は、大阪の発展を支えてきた「木」と「水」を現代的に再構築している点にあります。
ひとつとして同じ形のない膜屋根は、多様な個性が集まる大阪を象徴する存在で、屋根全体には循環する水を流す「ウォーターベール」が設けられています。雨水を貯留・濾過し、再び屋根へと戻す循環型システムです。
中央のアトリウムには、DNAの二重らせんから着想された木製のらせん柱が立ち、建築の象徴的存在となっています。自然光が膜屋根越しに降り注ぎ、内部空間には木漏れ日のような柔らかな光が広がります。
木材利用の特徴
内外装には大阪府内産のヒノキが用いられています。
内装仕上げには厚さ9mmのヒノキ無垢材が使われ、館内には木の温かみとともに、はっきりとした木の香りが感じられます。この木材は、万博閉幕後に再利用されることを前提に計画されており、「REBORN=生まれ変わる」というテーマを建築そのものが体現しています。
また、アトリウムを支える木製らせん柱は、複雑な形状を実現するためにコンピューテーショナルデザインが駆使されました。3Dモデル上で木材一枚一枚まで精密に設計し、曲げ加工を極力避け、平板材の組み合わせで二重らせん形状を実現しています。意匠性と合理性を両立させた、現代的な木造表現といえます。
環境配慮と地域素材
トイレの天井仕上げには、淀川・鵜殿のヨシと、使用済み紙おむつ由来のリサイクルパルプを原料とした紙管が使われています。
ヨシは雅楽の篳篥(ひちりき)のリードにも用いられてきた大阪ゆかりの素材で、水質浄化やCO₂吸収といった環境機能も持ちます。これら地域資源とリサイクル素材を組み合わせた建材は、未来の建築のあり方を示す試みといえます。
建築概要
- 設計・監理:東畑建築事務所
- 施工:竹中工務店
- 構造:システムトラス構造・鉄骨造・骨組膜構造
- 階数:地上2階
- 延床面積:約9,725㎡
受賞
ウッドデザイン賞2025(ライフスタイルデザイン部門)
まとめ
大阪ヘルスケアパビリオンは、最先端の医療・ヘルスケア展示だけでなく、木材の使い方、再利用思想、水循環システムを含め、建築そのものがメッセージを発するパビリオンです。
当初は木造トラスも検討されましたが、社会情勢を踏まえ鉄骨構造に変更されつつも、木材の存在感と思想は失われていません。
「展示が終わっても、木は次の人生を歩む」──その考え方こそが、このパビリオンを象徴しているように感じました。
大阪ヘルスケアパビリオン プロモーション動画
YouTube Expo2025 大阪・関西万博 大阪ヘルスケアパビリオン|プロモーション動画 より
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