306 |
枯葉 |
散りかけている枯葉 |
ひとに侮辱をされはせぬかと、散りかけている枯葉のように絶えずぷるぷる命を賭けて緊張している。 |
306 |
箸 |
箸とおわん |
思わず箸とおわんを取り落しそうだった。 |
308 |
箸 |
箸でほじくり出し |
せっせと貝の肉を箸でほじくり出して食べていたら、 |
309 |
おわん |
箸とおわん |
思わず箸とおわんを取り落しそうだった。 |
309 |
おわん |
箸とおわん |
なりあがり者の「流行作家」は、箸とおわんを持ったまま、うなだれて、何も言えない。 |
309 |
箸 |
箸とおわん |
なりあがり者の「流行作家」は、箸とおわんを持ったまま、うなだれて、何も言えない。 |
310 |
林 |
林の中 |
公園の林の中を歩きながら、草田氏は語った |
316 |
サザンカ |
山茶花が咲きはじめた |
十一月のはじめ、庭の山茶花が咲きはじめた頃であった。 |
316 |
枝 |
樹の枝が |
窓の外で、樹の枝が枯葉を散らしてゆれ動いておりますが、なんにも音が聞えません。 |
316 |
樹 |
樹の枝が |
窓の外で、樹の枝が枯葉を散らしてゆれ動いておりますが、なんにも音が聞えません。 |
318 |
枝 |
樹の枝の |
窓のそとの樹の枝のゆれぐあいで、風がひどいなと思っているうちに、雨が横なぐりに降って来ました |
318 |
樹 |
樹の枝の |
窓のそとの樹の枝のゆれぐあいで、風がひどいなと思っているうちに、雨が横なぐりに降って来ました |
320 |
果物 |
果物の腐ったような |
畳は赤ちゃけて、しめっぽく、部屋は日当りも悪くて薄暗く、果物の腐ったようないやな匂いがしていた。 |