元樹種 | 箇所計 |
---|---|
バラ | 32 |
ウメ | 22 |
スギ | 22 |
サクラ | 21 |
リンゴ | 19 |
マツ | 17 |
モモ | 16 |
サルスベリ | 10 |
グミ | 9 |
トチ | 8 |
ボタン | 7 |
ツツジ | 7 |
カラマツ | 7 |
カキ | 7 |
クワ | 6 |
カシ | 6 |
キョウチクトウ | 6 |
ブドウ | 6 |
ポプラ | 6 |
エノキ | 5 |
クリ | 5 |
ナラ | 5 |
ナシ | 5 |
フジ | 4 |
アスナロ | 4 |
イチョウ | 4 |
ネム | 4 |
ヤナギ | 4 |
ザクロ | 3 |
サザンカ | 3 |
シイ | 3 |
アジサイ | 3 |
モミ | 3 |
ヒイラギ | 3 |
ツバキ | 3 |
ミカン | 3 |
カワヤナギ | 3 |
ウルシ | 2 |
ハギ | 2 |
ケヤキ | 2 |
サンゴジュ | 2 |
ヤマナラシ | 2 |
シラカンバ | 2 |
ヤツデ | 2 |
シュロ | 2 |
ライラック | 1 |
イチジク | 1 |
モミジ | 1 |
もくせい | 1 |
カエデ | 1 |
ノイバラ | 1 |
ゲッケイジュ | 1 |
ナンテン | 1 |
キヨウチクトウ | 1 |
キリ | 1 |
クヌギ | 1 |
ムクゲ | 1 |
元樹種 | 小説名 | ページ | 掲載樹種 | 掲載言葉 |
---|---|---|---|---|
ウメ | I can speak | 10 | 梅 | 白梅かと思った |
スギ | ヴィヨンの妻 | 106 | 杉 | 池のはたの杉の木が |
サルスベリ | おさん | 140 | サルスベリ | さるすべりは、これは、一年置きに咲くものかしら。」 |
サルスベリ | おさん | 140 | 百日紅 | 玄関の前の百日紅は、ことしは花が咲きませんでした。 |
さるすべり | おさん | 234 | 百日紅 | 玄関の前の百日紅は、ことしは花が咲きませんでした。 |
さるすべり | おさん | 234 | さるすべり | 「さるすべりは、これは、一年置きに咲くものかしら。」 と呟(つぶや)きました。 |
ゲッケイジュ | きりぎりす | 127 | 月桂樹 | その人の額ひたいの月桂樹の冠は、他の誰にも見えないので、きっと馬鹿扱いを受けるでしょうし、 |
ウメ | ダス・ゲマイネ | 10 | 梅は咲いた | 私はフランス叙情詩の講義を聞きおえて、真昼頃、梅は咲いたか桜はまだかいな。 |
サクラ | ダス・ゲマイネ | 10 | 桜はまだ | 私はフランス叙情詩の講義を聞きおえて、真昼頃、梅は咲いたか桜はまだかいな。 |
モモ | ダス・ゲマイネ | 13 | 桃の実のように | 蒼黒い両頬が桃の実のようにむっつりふくれた。 |
クリ | ダス・ゲマイネ | 20 | 栗の木のした | 庭の栗の木のしたで籐椅子にねそべり、 |
ヤナギ | ダス・ゲマイネ | 27 | 柳の葉 | 眉は柳の葉のように細長く、うすい唇は苺のように赤かった。 |
ツツジ | トカトントン | 39 | 躑躅 | 光琳の躑躅などは |
カキ | トカトントン | 51 | 柿 | まだ柿の実を取って食おうという慾がありましたが、 |
サクラ | バンドラのはこ | 241 | 桜 | 桜の間は |
バラ | バンドラのはこ | 287 | 薔薇 | 薔薇の蔓を |
イチョウ | バンドラのはこ | 328 | 銀杏 | 僕は眼を大きくみはって、洗面所の窓からテニスコートの黄ばみはじめた銀杏を黙って眺めていた。 |
ナシ | バンドラのはこ | 341 | 梨 | 風呂敷の中の梨を |
ツバキ | バンドラのはこ | 386 | 椿 | 椿の花模様の赤い羽織をひっかけて、小走りに走って出て来て、お母さんに、どぎまぎしたような粗末なお辞儀をした。 |
キョウチクトウ | めくら草紙 | 324 | 夾竹桃 | ねむ。百日紅さるすべり。葵あおい。日まわり。夾竹桃。蓮はす。それから、鬼百合。夏菊。どくだみ。みんな好きです。 |
キョウチクトウ | めくら草紙 | 324 | 夾竹桃 | 八月の中ごろ、私はお隣りの庭の、三本の夾竹桃にふらふら心をひかれた。 |
サルスベリ | めくら草紙 | 325 | 百日紅 | 「くには、青森です。夾竹桃などめずらしいのです。私には、ま夏の花がいいようです。ねむ。百日紅。葵。日まわり。夾竹桃。蓮。それから、鬼百合。夏菊。どくだみ。みんな好きです。ただ、木槿だけは、きらいです」 |
キョウチクトウ | めくら草紙 | 325 | 夾竹桃 | 三本のうち、まんなかの夾竹桃をゆずっていただくことにして、 |
キョウチクトウ | めくら草紙 | 325 | 夾竹桃 | くには、青森です。夾竹桃などめずらしいのです。私には、ま夏の花がいいようです。ねむ。百日紅。葵。日まわり。夾竹桃。蓮。それから、鬼百合。夏菊。どくだみ。みんな好きです。ただ、木槿だけは、きらいです」 |
ネム | めくら草紙 | 325 | ネムノキ | 「くには、青森です。夾竹桃などめずらしいのです。私には、ま夏の花がいいようです。ねむ。百日紅。葵。日まわり。夾竹桃。蓮。それから、鬼百合。夏菊。どくだみ。みんな好きです。ただ、木槿だけは、きらいです」 |
ムクゲ | めくら草紙 | 325 | ムクゲ | 「くには、青森です。夾竹桃などめずらしいのです。私には、ま夏の花がいいようです。ねむ。百日紅。葵。日まわり。夾竹桃。蓮。それから、鬼百合。夏菊。どくだみ。みんな好きです。ただ、木槿だけは、きらいです」 |
キョウチクトウ | めくら草紙 | 325 | 夾竹桃 | 夾竹桃のことは、かえって恐縮であってどれでもお気に召したものを、と |
キョウチクトウ | めくら草紙 | 326 | 夾竹桃 | -私は、多少いい気持ちで夾竹桃などに心をひかれたのをくやしく思っていたので、 |
リンゴ | ロマネスク | 264 | 林檎畑 | 林檎畑のまんまんなか |
リンゴ | ロマネスク | 265 | 林檎畑 | ことごとくの林檎畑に |
リンゴ | ロマネスク | 266 | 林檎 | 林檎も前年に負けず |
リンゴ | ロマネスク | 266 | 林檎 | 林檎の果実が手毬くらいに |
キリ | ロマネスク | 266 | 桐の実 | 林檎の果実が手毬くらいに大きく珊瑚くらいに赤く、桐の実みたいに鈴成りに成ったのである。 |
ヤマナラシ | ロマネスク | 267 | 白楊 | 樫や樅や白楊の大木を |
モミ | ロマネスク | 267 | 樅 | 樫や樅や白楊の大木を |
カシ | ロマネスク | 267 | 樫 | 樫や樅や白楊の大木を |
ツバキ | 愛と美について | 130 | 椿 | ちょうど油壺一ぱいの椿油を頭からどろどろ浴びせかけられる思いで、 |
ミカン | 愛と美について | 131 | 蜜柑 | 一箇の蜜柑をぐしゃとしゃと踏みつぶして、おどろきの余り、 |
バラ | 愛と美について | 138 | 薔薇 | それでも、薔薇の大輪、三本買いました |
バラ | 愛と美について | 139 | 薔薇 | 薔薇の花です |
カワヤナギ | 陰火 | 312 | かわやなぎ | 女はその川楊の左側を歩いた。男は右側をえらんだ |
カワヤナギ | 陰火 | 312 | かわやなぎ | 道のまんなかにひとむれの川楊が、ぽっかり浮かんだ |
カワヤナギ | 陰火 | 312 | かわやなぎ | 川楊のひとむれを通り越すと |
モモ | 陰火 | 314 | 桃 | 桃いろの脚には |
マツ | 陰火 | 321 | 松の葉 | 松の葉ほど細い両脚は米粒ほどの白足袋を附けてゐた。 |
カシ | 猿ヶ島 | 99 | 樫 | 樫に似たのが、丘の上にも、一本 |
カシ | 猿ヶ島 | 100 | 樫 | 私は樫に似た木の傍へ行って |
カシ | 猿ヶ島 | 100 | 樫 | ほんとうに樫であろうか |
ナラ | 猿ヶ島 | 100 | 楢 | それとも楢か樅であろうか |
モミ | 猿ヶ島 | 100 | 樅 | それとも楢か樅であろうか |
カシ | 猿ヶ島 | 103 | 樫 | 「でも、この木は木曽樫のようだか」 |
シイ | 猿ヶ島 | 104 | 椎 | ふるさとでは、椎の若葉が美しい頃なのだ。 |
モモ | 猿ヶ島 | 106 | 桃 | 桃の花のような頬をしている |
クリ | 猿面冠者 | 190 | 栗 | 家の前庭のおおきい栗の木のしたにテエプルと椅子を持ちだし |
カキ | 火の鳥 | 161 | 柿 | 地べたに落ちた柿なんか |
ヤナギ | 火の鳥 | 173 | 柳 | 置き忘れた柳の絵模様の |
バラ | 火の鳥 | 178 | 薔薇 | 行く路々に薔薇の花を |
ヤツデ | 火の鳥 | 197 | やつで | ソファの傍には、八つ手の鉢植、むかしのままに、ばさと葉をひろげて、 |
ヤツデ | 火の鳥 | 198 | やつで | 鈍い光線も八つ手の葉に遮ぎられて、高須の顔は、三日月の光を受けたくらいに、幽(かす)かに輪廓が分明して |
サクラ | 華燭 | 119 | 桜 | 桜の園を取りかえす術なきや |
ウメ | 玩具 | 294 | 梅の花 | 雨上がりの黒土。梅の花。 |
サクラ | 玩具 | 298 | 桜 | 胡麻粒ほどの桜の花弁を |
クリ | 帰去来 | 245 | 栗の大木 | そうして、父の墓を拝んだ。墓の傍の栗の大木は、昔のままだった。 |
イチョウ | 逆行 | 200 | 銀杏 | すぐに銀杏の並木がある |
カシ | 逆行 | 200 | 樫 | 背を樫の古木の根株に持たせ |
イチョウ | 逆行 | 203 | 銀杏 | 列の尾の部分は、銀杏の並木のあたりまで達していた |
イチョウ | 逆行 | 203 | 銀杏 | 銀杏の並木にはさまれたひろい砂利道を歩きながら |
ヤマナラシ | 逆行 | 212 | ヤマナラシ | 路傍の白楊の杙であった |
モミ | 魚服記 | 76 | 樅 | 日が暮れかけると山は風の音ばかりだった。楢や樅の枯葉が折々みぞれのように二人のからだへ降りかかった。 |
ナラ | 魚服記 | 76 | 楢 | 山は風の音ばかりだった。楢や樅の枯葉が折々みぞれのように二人のからだへ降りかかった |
りんご | 饗応夫人 | 244 | 林檎 | 私の足もとへ来て止り、私はその林檎を蹴飛けとばしてやりたく思いました。 |
りんご | 饗応夫人 | 244 | 林檎 | やらのポケットから、小さい林檎が一つころころところげ出て、 |
りんご | 饗応夫人 | 244 | 林檎 | インドといってあれは飛び切り香り高い林檎だ。」 |
りんご | 饗応夫人 | 244 | 林檎 | おい誰か、林檎を持っていた奴があったな、惜しまずに奥さんに差し上げろ |
モモ | 駆込み訴え | 144 | 桃畠 | ずいぶん広い桃畠もあります |
モモ | 駆込み訴え | 144 | 桃の花 | 春、いまごろは、桃の花が咲いて見事であります。 |
モモ | 駆込み訴え | 144 | 桃の畠 | 美しい桃の畠も無い。ヤコブもヨハネも赤貧の漁人だ。 |
バラ | 兄たち | 302 | 薔薇 | カーネーションと薔薇とを組合せた |
リンゴ | 故郷 | 258 | 林檎のみのってい | 「いちど、林檎のみのっているところを、見たいと思っていました。」 |
リンゴ | 故郷 | 258 | 林檎畑 | 川部という駅でまた五所川原行の汽車に乗りかえて、もうその辺から列車の両側は林檎畑。ことしは林檎も豊作のようである。 |
リンゴ | 故郷 | 258 | 林檎 | 川部という駅でまた五所川原行の汽車に乗りかえて、もうその辺から列車の両側は林檎畑。ことしは林檎も豊作のようである。 |
リンゴ | 故郷 | 258 | 林檎は赤く光って | 手を伸ばせば取れるほど真近かなところに林檎は赤く光っていた。 |
ウメ | 虎徹宵話 | 271 | 小梅が里 | あれは名高い小梅が里の菜の花盛り。 |
ウメ | 虎徹宵話 | 279 | 小梅堤 | ピチャピチャピチャ春雨り小梅堤を源森堀に走り出した。 |
スギ | 最後の太閤 | 10 | 杉の林 | 裏山の杉の林からジージーージージーーと暑苦しい重たそうな |
モモ | 桜桃 | 168 | 桃 | 大皿に盛られた桜桃を |
モモ | 桜桃 | 168 | 桃 | 首にかけると、桜桃は |
モモ | 桜桃 | 168 | 桃 | 子供たちは、桜桃など |
リンゴ | 思い出 | 27 | 林檎 | 林檎の大木が五六本あったようで |
モモ | 思い出 | 30 | 桃 | 家の人には、きょうは桃の節句だから学校は休みです、と言って |
ネム | 思い出 | 36 | ねむのき | ねむのきの葉を枕のしたに敷いて寝るといいとか、 |
マツ | 思い出 | 41 | まつ林 | まちから半里も離れた松林の中に在った |
マツ | 思い出 | 41 | まつ林 | 松林の裏にある沼の岸邊に寢ころびつつ、 |
マツ | 思い出 | 44 | 松 | 浪の音や松のざわめきが授業中でも聞えて來て、注意「津軽」 |
クリ | 思い出 | 47 | 栗 | 中庭の大きい栗の木の下で |
ポプラ | 思い出 | 50 | ポプラ | たかいポプラの繁みで囲まれていて |
スギ | 思い出 | 52 | 杉林 | 社の杉林がその焔を囲うようにまっくろく立って |
ライラック | 思い出 | 58 | ライラック | 咲き乱れたライラックの花の下で最初に接吻を交した |
ブドウ | 思い出 | 67 | 葡萄 | 葡萄棚は東南の隅にあって |
ブドウ | 思い出 | 67 | 葡萄 | 葡萄のふさを摘んだ |
ブドウ | 思い出 | 68 | 葡萄 | 一籠の葡萄を膝の上にのせて |
バラ | 思い出 | 70 | 薔薇 | 薔薇の咲き乱れた花園であった |
サクラ | 私のシゴト | 83 | 桜の花 | 武士が何かで切腹するべき時桜の花がチラチラ散った。 |
ウメ | 斜陽 | 15 | 梅の木 | 梅の木の下に埋めさせ、私は小石を集めて墓標を作ってやった。 |
つつじ | 斜陽 | 17 | つつじ | そのつつじの枝先に、小さい蛇がまきついていた。 |
もくせい | 斜陽 | 17 | 木犀 | 隣りの木犀にも、若楓でにも、えにしだにも、藤にも、桜にも、どの木にも、どの木にも、蛇がまきついていたのである。 |
カエデ | 斜陽 | 17 | 若楓 | 隣りの木犀にも、若楓でにも、えにしだにも、藤にも、桜にも、どの木にも、どの木にも、蛇がまきついていたのである。 |
フジ | 斜陽 | 17 | 藤 | 隣りの木犀にも、若楓でにも、えにしだにも、藤にも、桜にも、どの木にも、どの木にも、蛇がまきついていたのである。 |
つつじ | 斜陽 | 17 | つつじ | 池の岸のつつじのところに立ちどまって、ふと見ると、 |
サクラ | 斜陽 | 17 | 桜 | 隣りの木犀にも、若楓でにも、えにしだにも、藤にも、桜にも、どの木にも、どの木にも、蛇がまきついていたのである。 |
ノイバラ | 斜陽 | 19 | 野ばら | 彼女は、芝生を静かに横切って野ばらの蔭まで行くと、立ちどまって首を上げ、 |
ウメ | 斜陽 | 21 | 梅の名所 | あのあたりは梅の名所で、冬暖かく夏涼しく、住めばきっと、お気に召すところと思う、 |
ミカン | 斜陽 | 28 | 蜜柑畑 | お庭の下には蜜柑畑がひろがり、それから村道があって、 |
ウメ | 斜陽 | 28 | 梅の木 | 芝生から石段を降りつくしたあたりに小さいお池があり、梅の木がたくさんあって、 |
ウメ | 斜陽 | 34 | 梅が咲き | 二月には梅が咲き、この部落全体が梅の花で埋まった。 |
ウメ | 斜陽 | 34 | 梅の花 | 二月には梅が咲き、この部落全体が梅の花で埋まった。 |
ウメ | 斜陽 | 34 | 梅 | 満開の梅は少しも衰えず、三月の末まで美しく咲きつづけた。 |
ウメ | 斜陽 | 34 | 梅の花 | 夜も、梅の花は、溜息ためいきの出るほど美しかった。 |
ウメ | 斜陽 | 34 | 梅の花びら | 窓から梅の花びらが吹き込んで来て、お茶碗の中にはいって濡れた。 |
リンゴ | 斜陽 | 41 | 林檎 | 機(おり)にかないて語る言は銀の彫刻物に金の林檎を嵌(は)めたるが如し、という聖書の箴言(しんげん)を思い出し、 |
キヨウチクトウ | 斜陽 | 54 | 「夾竹桃 | 「夾竹桃がたくさんあるじゃないの」 |
フジ | 斜陽 | 54 | 藤の花 | 藤の花はもう終って、やわらかな午後の日ざしが、その葉をとおして私たちの膝ひざの上に落ち、 |
バラ | 斜陽 | 54 | 薔薇 | 「私なら薔薇がいいな。だけど、あれは四季咲きだから、薔薇の好きなひとは、春に死んで、 |
ネム | 斜陽 | 54 | ねむの花 | 「私は、ねむの花が好きなんだけれども、ここのお庭には、一本も無いのね」 |
バラ | 斜陽 | 54 | 薔薇 | 「私なら薔薇ばらがいいな。だけど、あれは四季咲きだから、薔薇の好きなひとは、春に死んで、 |
ハギ | 斜陽 | 65 | 萩 | 萩、なでしこ、りんどう、女郎花(おみなえし)などの秋の草花が咲いていた。 |
ボタン | 斜陽 | 66 | 牡丹色 | そうして、この淡い牡丹色の毛糸は、いまからもう二十年の前 |
ボタン | 斜陽 | 66 | 牡丹色 | 淡い牡丹色のぼやけたような毛糸で、私はそれに、コバルトブルウの糸を足して、 |
ボタン | 斜陽 | 67 | 牡丹色 | 灰色の雨空と、淡い牡丹色の毛糸と、その二つを組合せると両方が同時にいきいきして来るから不思議である。 |
ボタン | 斜陽 | 67 | 牡丹色 | 私は、この淡い牡丹色の毛糸と、灰色の雨空と、一つに溶け合って、 |
ボタン | 斜陽 | 68 | 牡丹色 | 冬の雪空に、この淡い牡丹色が、どんなに美しく調和するかちゃんと識しっていらしてわざわざ選んで下さったのに、 |
バラ | 斜陽 | 69 | 薔薇 | 叔父さまが、この山荘の庭に移し植えて下さった薔薇である。 |
バラ | 斜陽 | 69 | 薔薇 | それに、お庭の薔薇のことだって、あなたの言うことを聞いていると、 |
バラ | 斜陽 | 69 | 薔薇 | 「とうとう薔薇ばらが咲きました。お母さま、ご存じだった? 私は、いま気がついた。とうとう咲いたわ」 |
バラ | 斜陽 | 69 | 薔薇 | お座敷のお縁側のすぐ前の薔薇。 |
バラ | 斜陽 | 69 | 薔薇 | とにかく遠いところからお持帰りになった薔薇で |
バラ | 斜陽 | 75 | 薔薇 | 苦しくつらくなり、お母さまに、だしぬけに薔薇の事など報告して、 |
フジ | 斜陽 | 77 | 熊野の藤 | 牛島の藤は、樹齢千年、熊野(ゆや)の藤は、数百年と称となえられ、 |
フジ | 斜陽 | 77 | 牛島の藤 | 牛島の藤は、樹齢千年、熊野(ゆや)の藤は、数百年と称となえられ、 |
ウメ | 斜陽 | 82 | 梅の枝 | 春の朝、二三輪の花の咲きほころびた梅の枝に朝日が当って、その枝にハイデルベルヒの若い学生が、ほっそりと縊(くび)れて死んでいたという。 |
サクラ | 斜陽 | 106 | 桜の園 | 「ごめんなさい。桜の園を思い出したのです。あなたが、お買いになって下さるのでしょう?」 |
サクラ | 斜陽 | 106 | 桜の園 | でも、桜の園のロパーヒンみたいに私どもに思われているのではたまらないと、 |
ナシ | 斜陽 | 120 | 梨 | とおっしゃって応接間の隅の戸棚から梨を三つ取り出して私に下さった |
ハギ | 斜陽 | 123 | 萩 | お庭の萩が咲いていますわ。それから、女郎花、われもこう、桔梗、かるかや、芒(すすき)。 |
アジサイ | 斜陽 | 129 | アジサイの花 | やっぱり赤いアジサイの花って本当にあるものなんだと思った。 |
アジサイ | 斜陽 | 129 | アジサイ | 霧の庭に、アジサイに似た赤い大きい花が燃えるように咲いていた。 |
アジサイ | 斜陽 | 129 | アジサイの花 | 真赤なアジサイの花が散らされてあるのを見て、へんに悲しかったが、 |
サザンカ | 十二月八日 | 184 | 山茶花が凛と | 山茶花が凛と咲いている。静かだ。太平洋でいま戦争がはじまっているのに、と不思議な気がした。 |
モミジ | 十二月八日 | 187 | 紅葉の木 | お隣りの紅葉の木の下に立って、お隣りのラジオに耳をすました。 |
りんご | 十二月八日 | 188 | 林檎 | 主人の田舎から林檎をたくさん送っていただいたので、 |
ウメ | 十二月八日 | 192 | 梅の花 | そしてそのおなかの真ん中より少し下に梅の花の様なおへそが附いている。 |
カキ | 春の盗賊 | 248 | 柿 | 軒先の柿の木にさえ火が燃え移って、 |
カキ | 春の盗賊 | 248 | 柿 | 柿の枯葉が、しゃあと涼しい音たてて燃えては黒くちりちり縮み、 |
カキ | 春の盗賊 | 248 | 柿 | その燃えている柿の一枝が、私の居る二階の窓から、 |
サクラ | 春の盗賊 | 259 | 桜 | 桜の一枝 |
シュロ | 春の盗賊 | 261 | 棕櫚 | 棕櫚の葉の如く、両手の指を、ぱっとひろげたまま、活人形のように、ガラス玉の眼を一ぱいに見はったきり、そよとも動かぬ。 |
バラ | 女生徒 | 22 | 白い薔薇の花 | 胸のところに、小さい白い薔薇の花を刺繍して置いた。 |
バラ | 女生徒 | 25 | 薔薇 | 急に音楽、薔薇のワルツ。ああ、おかしい、おかしい。 |
バラ | 女生徒 | 36 | 薔薇 | お庭の隅に、薔薇の花が四つ咲いている。黄色が一つ、白が二つ、ピンクが一つ。 |
バラ | 女生徒 | 37 | 薔薇 | その雨傘持って、校庭の隅の薔薇の傍に立っているよう、言いつけられた。 |
バラ | 女生徒 | 38 | 薔薇 | 先生は、私の下着に、薔薇の花の刺繍のあることさえ、知らない。 |
バラ | 女生徒 | 43 | 薔薇 | この空の色は、なんという色なのかしら。薔薇。火事。虹。天使の翼 |
グミ | 女生徒 | 44 | 茱萸の実 | 井戸端の茱萸の実が、ほんのりあかく色づいている。 |
グミ | 女生徒 | 45 | 茱萸 | ばかなやつ。茱萸を食べる犬なんて、はじめてだ。 |
グミ | 女生徒 | 45 | 茱萸 | 私も背伸びしては、茱萸をとって食べている。 |
グミ | 女生徒 | 45 | 茱萸 | 私が夕方ひとりで茱萸をとってたべていたら、ジャピイ黙って見ているので、可哀想で一つやった。 |
ボタン | 女生徒 | 50 | 牡丹の花瓣 | ャベツの黄色い葉は、牡丹の花瓣のように、鳥の羽の扇子のようにお皿に敷かれて、 |
サンゴジュ | 女生徒 | 58 | 珊瑚樹 | 珊瑚樹の青い葉が窓から覗いていて、一枚一枚の葉が、電燈の光を受けて、強く輝いている。 |
バラ | 女生徒 | 89 | 白い薔薇の花 | 胸のところに、小さい白い薔薇の花を刺繍して置いた。 |
バラ | 女生徒 | 92 | 薔薇のワルツ | 急に音楽、薔薇のワルツ。ああ、おかしい、おかしい。 |
バラ | 女生徒 | 104 | 薔薇の花 | お庭の隅に、薔薇の花が四つ咲いている。黄 |
バラ | 女生徒 | 106 | 薔薇の花 | 先生は、私の下着に、薔薇の花の刺繍のあることさえ、知らない。 |
グミ | 女生徒 | 111 | 茱萸 | 私が夕方ひとりで茱萸をとってたべていたら、 |
バラ | 女生徒 | 111 | 薔薇 | これは、この空の色は、なんという色なのかしら。薔薇。火事。虹 |
グミ | 女生徒 | 111 | 茱萸 | ばかなやつ。茱萸を食べる犬なんて、はじめてだ。 |
グミ | 女生徒 | 111 | 茱萸 | 私も背伸びしては、茱萸をとって食べている。 |
グミ | 女生徒 | 111 | 茱萸の実 | 井戸端の茱萸の実が、ほんのりあかく色づいている。 |
バラ | 女生徒 | 114 | 薔薇 | 和服に着換え、脱ぎ捨てた下着の薔薇にきれいなキスして、 |
ボタン | 女生徒 | 118 | 牡丹の花弁 | 牡丹の花弁のように、鳥の羽の扇子のようにお皿に敷かれて、 |
サンゴジュ | 女生徒 | 126 | 珊瑚樹 | 珊瑚樹の青い葉が窓から覗いていて、一枚一枚の葉が、電燈の光を受けて、強く輝いている。 |
モモ | 新樹の言葉 | 68 | 桃 | 桃の花の頬に |
サルスベリ | 新樹の言葉 | 76 | サルスベリ | 大きな、さるすべりの木が、お家のまえに在りました。 |
ネム | 新樹の言葉 | 77 | ねむ | 「さるすべりじゃないだろう。ねむ、の木なら、一本あるよ。それも、そんなに大きくない。 |
ツツジ | 新樹の言葉 | 78 | 躑躅 | もう躑躅が出ている |
ヒイラギ | 親友交歓 | 12 | 柊 | 柊のいわれを知っているか」 |
ヒイラギ | 親友交歓 | 12 | 柊 | さすがに、立派な普請だ。庭の眺めもいい。柊があるな。柊のいわれを知っているか |
ヒイラギ | 親友交歓 | 13 | 柊 | 「こんど教える。柊のいわれ」ともったい振る。」 |
ナシ | 親友交歓 | 17 | 梨 | 梨の皮などをむいて |
ヤナギ | 針医の圭樹 | 88 | 柳の木 | 沿岸には梅の木と柳の木とが多かった。 |
ウメ | 針医の圭樹 | 88 | 梅の木 | 沿岸には梅の木と柳の木とが多かった。 |
ウメ | 針医の圭樹 | 89 | 梅の花 | くずれかけて居る赤土塀りすき間から梅の花がチロチロ顔を出して居た。 |
ウメ | 針医の圭樹 | 89 | 梅の花 | 梅の花がポチポチ咲きかけた。 |
ウメ | 針医の圭樹 | 89 | 梅の花 | 両側の梅の花がポチリポチリ咲きかけて居るのが鮮やかに見える。 |
サクラ | 人間失格 | 24 | 山桜 | 真黒い樹肌の山桜の |
サクラ | 人間失格 | 24 | 山桜 | 山桜は、褐色のねばっこいような嫩葉と共に |
サクラ | 人間失格 | 24 | 桜 | その桜の砂浜が |
サクラ | 人間失格 | 24 | 桜 | 桜の花が図案化せられて |
サクラ | 人間失格 | 24 | 桜 | 桜の中学校を |
カキ | 人間失格 | 33 | 柿 | そっと蒲団から脱け出し、机の上の柿をむいて、その一きれをアネサに手渡してやりました。 |
カキ | 人間失格 | 33 | 柿 | ると、アネサは、しゃくり上げながらその柿を食べ、「何か面白い本が無い? 貸してよ」 と言いました。 |
サクラ | 人間失格 | 38 | 桜 | 桜と海の中学は |
スギ | 人間失格 | 116 | 杉 | 神社の杉木立で白衣の |
アスナロ | 人間失格 | 142 | ひば(アスナロ) | 総ひばづくりの |
トチ | 雀こ | 109 | 橡の木 | 山の中に橡の木がいっぽんあったずおん。 |
トチ | 雀こ | 109 | 橡の実 | からすあ、があて啼なけば、橡の実あ、一つぼたんて落づるずおん。 |
トチ | 雀こ | 109 | 橡の実 | また、からすあ、があて啼けば、橡の実あ、一つぼたんて落づるずおん。 |
トチ | 雀こ | 109 | 橡の実 | また、からすあ、があて啼けば、橡の実あ、一つぼたんて落づるずおん。 |
リンゴ | 雀こ | 111 | 林檎 | 千成の林檎こよりも |
スギ | 雀こ | 111 | 杉 | 杉の木 |
スギ | 雀こ | 112 | 杉 | 杉のき |
トチ | 雀こ | 114 | 橡の実 | また、からすあ、があて啼けば、橡の実あ、一つぼたんて落づるずおん。 |
トチ | 雀こ | 114 | 橡の実 | また、からすあ、があて啼けば、橡の実あ、一つぼたんて落づるずおん。 |
トチ | 雀こ | 114 | 橡 | 山の中の橡の木いっぽんあったずおん。 |
サクラ | 正義と微笑 | 15 | 桜 | 窓一ぱいにあんなに見事に咲いていた桜の花も |
マツ | 正義と微笑 | 73 | 松 | 畑の向うの約百米ばかり離れた松の木の下の穴に入れるのである。 |
マツ | 正義と微笑 | 74 | 松 | 別荘をかこんでいる松の林は、その赤い光を受けて、真赤にキラキラ輝いている。 |
マツ | 正義と微笑 | 75 | 松 | それに家の西側の松が、二、三本切られているので、たまらない。 |
クリ | 誰も知らぬ | 112 | 栗 | いざよい最中といって、栗のはいった餡の最中を、昔から自慢にいたして売って居ります。 |
バラ | 誰も知らぬ | 114 | 薔薇の花園 | 薔薇の花園の背景の前に、本を持って立っている写真がありましたので、 |
バラ | 誰も知らぬ | 326 | 薔薇 | 薔薇の花園の背景の前に |
エノキ | 地球図 | 87 | ヨワン榎 | ヨワン榎えのきは伴天連バテレンヨワン・バッティスタ・シロオテの墓標である。 |
エノキ | 地球図 | 87 | 榎 | としを経て大木になり、ヨワン榎とうたわれた |
エノキ | 地球図 | 87 | 榎 | 榎は根を張り枝をひろげた |
エノキ | 地球図 | 87 | ヨワン榎(榎) | としを経て大木になり、ヨワン榎とうたわれた。 |
エノキ | 地球図 | 87 | 榎 | ひとりの風流な奉行がそこに一本の榎を植えた |
ばら | 恥 | 170 | 薔薇 | お庭も綺麗に手入れされて、秋の薔薇が咲きそろっていました。 |
マツ | 津軽 | 9 | 松 | 松葉の形の干菓子(ひぐわし)を出したり、青磁の壺に水仙を投げ入れて見せたつて、 |
マツ | 津軽 | 9 | 松 | 浪の音や松のざわめきが授業中でも聞えて來て、 注意「思い出」 |
カラマツ | 津軽 | 47 | カラまつ | 杉、山羊欅、楢、橡、カラ松などの木材も産し |
アスナロ | 津軽 | 47 | 扁柏林 | そうしてこの扁柏林に就いては、あまり知らないように見受けられる |
ミカン | 津軽 | 47 | 蜜柑 | 紀州の蜜柑などに較べるとねはるかに歴史は古いのである |
クワ | 津軽 | 47 | 桑 | 東京の雷おこし、桑名の焼はまぐりほど軽率な「産物」でも無いが |
ケヤキ | 津軽 | 47 | 欅 | 杉、山羊欅、楢、橡、カラ松などの木材も産し |
ナラ | 津軽 | 47 | 楢 | 杉、山羊欅、楢、橡、カラ松などの木材も産し |
アスナロ | 津軽 | 47 | 扁柏 | この山脈は、全国有数の扁柏(ひば)の産地である。 |
トチ | 津軽 | 47 | 橡 | 杉、山羊欅、楢、橡、カラ松などの木材も産し |
リンゴ | 津軽 | 47 | 林檎 | その古い伝統を誇ってよい津軽の産物は、扁柏である。林檎なんかじゃないんだ |
スギ | 津軽 | 47 | 杉 | 杉、山羊欅、楢、橡、カラ松などの木材も産し |
スギ | 津軽 | 47 | 杉 | 杉、山羊欅、楢、橡、カラ松などの木材も産し |
アスナロ | 津軽 | 47 | 扁柏 | その古い伝統を誇ってよい津軽の産物は、扁柏(ひば)である。林檎なんかじゃないんだ |
マツ | 津軽 | 93 | まつ毬 | ケチで用心深い妹は、松毬を大事にして一個づつ竈にはふり込んで燃やし、 |
マツ | 津軽 | 93 | まつ毬 | 松母親から同じ分量の毬を与えられ、これでもつて、ごはんとおみおつけを作つて見よと言ひつけられ、 |
マツ | 津軽 | 93 | まつ毬 | 与へられた松毬をいちどにどつと惜しげも無く竈にくべたところが、 |
カラマツ | 津軽 | 128 | 落葉まつ | 並木の落葉松の陰に |
ウルシ | 津軽 | 134 | ウルシ | これは、ウルシの木じゃないだろうな |
ポプラ | 津軽 | 141 | ポプラ | 木造のポプラほど |
ポプラ | 津軽 | 141 | ポプラ | 薄みどり色のポプラの若葉が |
ポプラ | 津軽 | 141 | ポプラ | ポプラの並木が立っている |
ポプラ | 津軽 | 141 | ポプラ | はじめてポプラを見た |
リンゴ | 津軽 | 156 | 林檎 | 林檎はもう、間伐というのか、少しずつ伐って、 |
クワ | 東京八景 | 189 | 桑の葉 | 今では、此の蚕に食われた桑の葉のような東京市の全形を眺めても、そこに住む人、各々の生活の姿ばかりが思われる。 |
シイ | 燈籠 | 10 | 椎の若葉 | 待合室の窓からそとの椎の若葉を眺めてみても、 |
シイ | 燈籠 | 10 | 椎の若葉 | 椎の若葉がひどい陽炎に包まれてめらめら青く燃えあがっているように見え、 |
マツ | 道化の華 | 145 | 松 | 千本ばかりのひくい磯馴松がいちように雪をかぶり |
マツ | 道化の華 | 158 | 松 | 松のしたかげや |
ナシ | 道化の華 | 166 | 梨 | 梨の木の枯枝のあいだからちらちら見える大きなひらいた岩を指さした |
カラマツ | 道化の華 | 173 | 落葉松 | 落葉松の細い並木路へさしかかった |
モモ | 彼は昔の彼ならず | 217 | 桃 | 桃の湯という |
スギ | 彼は昔の彼ならず | 218 | 杉 | 杉の林だ |
シュロ | 彼は昔の彼ならず | 218 | シュロ | あれは棕梠である。あの樹木に覆われているひくいトタン屋根は、左官屋のものだ。 |
ウメ | 彼は昔の彼ならず | 219 | 紅梅 | ぼんやり赤いだろう。紅梅が二本あるのだ |
サルスベリ | 彼は昔の彼ならず | 219 | 百日紅 | かなりの大きさの百日紅もあれば、霧島躑躅きが五株ほどもある。 |
ナンテン | 彼は昔の彼ならず | 219 | 南天燭(漢名) | 昨年の夏には、玄関の傍に南天燭を植えてやった。 |
ツツジ | 彼は昔の彼ならず | 219 | 躑躅 | 霧島躑躅が五株ほどもある |
ツツジ | 彼は昔の彼ならず | 220 | 霧島つつじ | 裏庭の霧島躑躅がようやく若芽を出しかけていた頃であった |
クワ | 彼は昔の彼ならず | 224 | 桑 | 桑の小奇麗な茶箪笥とが |
サルスベリ | 彼は昔の彼ならず | 225 | 百日紅 | 百日紅の幹が夕日に赤くそまりはじめたころろ、ようやく帰って来た。 |
ウメ | 彼は昔の彼ならず | 235 | 紅梅 | 庭の紅梅の粒々の蕾は、ふくらんでいた。 |
サルスベリ | 彼は昔の彼ならず | 237 | 百日紅 | 夕闇がせまっていて百日紅の幹だけが、軟らかに浮きあがって見えた。 |
サルスベリ | 彼は昔の彼ならず | 238 | 百日紅 | 百日紅の木々の股からささくれのようなひょろひょろした若葉を生やしていた。 |
ウメ | 彼は昔の彼ならず | 238 | 紅梅 | 紅梅は散ってしまっていて青青した葉をひろげ、 |
ツツジ | 彼は昔の彼ならず | 238 | 霧島つつじ | 霧島躑躅の花は |
スギ | 彼は昔の彼ならず | 258 | 杉 | 杉林のほうへ |
グミ | 皮膚と心 | 94 | グミの実 | グミの実、桑の実、どっちもきらい。 |
クワ | 皮膚と心 | 94 | 桑の実 | グミの実、桑の実、どっちもきらい。 |
ザクロ | 皮膚と心 | 107 | 石榴 | ちらと自分の乳房を見て、私は、石榴を見ちゃった。 |
クワ | 美少女 | 228 | 桑畑 | 桑畑の中にあり |
ザクロ | 美少女 | 229 | 遠柘榴 | かっと赤い花が、満開であった。甲府には柘榴の樹が非常に多い。 |
ザクロ | 美少女 | 229 | 遠柘榴 | かなり大きい柘榴の木が在り、かっと赤い花が、満開であった。 |
モモ | 美少女 | 230 | 桃 | 青い桃実を思わせた |
バラ | 富嶽百景 | 59 | 薔薇 | 娘さんの家のお庭には、薔薇がたくさん植えられていた。 |
マツ | 負けぎらいト敗北ト | 63 | 小さい松 | 田圃の中に小さい松が一本だまって死んだように静かに立って居た。 |
ポプラ | 負けぎらいト敗北ト | 66 | ポプラの枝 | 高いポプラの枝が黄ばんで来た。 |
クワ | 母 | 72 | 桑の実 | 桑の実酒でも |
リンゴ | 母 | 72 | りんご | リンゴの酒でも |
スギ | 洋之助の気焔 | 347 | 杉の並木道 | 杉の並木道にさしかかった。 |
スギ | 洋之助の気焔 | 349 | 杉並木 | この杉並木はもうすこし半町ほどつづき、 |
ツバキ | 洋之助の気焔 | 349 | 椿の花 | 帯にちらばっている大きな椿の花。 |
カラマツ | 洋之助の気焔 | 351 | 落葉松の森 | つまり躊躇せずに、落葉松の森のなかにはいって行った。 |
カラマツ | 洋之助の気焔 | 351 | 落葉松の並木路 | 左手の落葉松の並木路にはいれば、木の茂った丘にぬけ出る。 |
カラマツ | 洋之助の気焔 | 352 | 落葉松の並木 | 落葉松の並木がつきて、私たちは樹木でとりかこまれた十坪ほどの原っぱへ出た。 |
ナラ | 洋之助の気焔 | 356 | 楢の古木 | ここは杉の林で、ところどころに櫟や楢の古木がまじり、 |
スギ | 洋之助の気焔 | 356 | 杉林 | 「森林」という単語の出るこどに私は窓外に見えるその黒い杉林を眺めたのである。 |
クヌギ | 洋之助の気焔 | 356 | 櫟 | ここは杉の林で、ところどころに櫟や楢の古木がまじり、 |
スギ | 洋之助の気焔 | 356 | 杉の林 | ここは杉の林で、ところどころに櫟や楢の古木がまじり、 |
スギ | 洋之助の気焔 | 356 | 杉林 | 杉林のなかは、思いのほかじめじめしていて、 |
スギ | 洋之助の気焔 | 358 | 杉林 | そう言ってさっさと杉林から出て行った。 |
カラマツ | 洋之助の気焔 | 358 | 落葉松の並木 | 落葉松の並木の方角から、だしぬけに出て来て、 |
スギ | 洋之助の気焔 | 358 | 杉の幹 | ふとい杉の幹のかげに自分のからだをかくし、 |
スギ | 洋之助の気焔 | 360 | 杉林 | 杉林を抜け出るとき、 |
ナラ | 洋之助の気焔 | 361 | 楢の木 | 女は楢の木の下の窪地に座り、 |
スギ | 洋之助の気焔 | 362 | 杉林 | 深くうなだれたまま杉林の奥へとすすみながら、 |
スギ | 洋之助の気焔 | 362 | 杉林 | 私はずんずん杉林の奥へすすんだ。 |
スギ | 洋之助の気焔 | 362 | 杉林 | 杉林のなかに霧が立ちこめ、木立の隙間をもれる鈍い月光が刷毛描きの縞模様となって |
スギ | 洋之助の気焔 | 362 | 杉林いっぱいに | 拡がりのある杉林いっぱいにその縞の交錯が充ちていた。 |
バラ | 洋之助の気焔 | 364 | 薔薇の花びら | 私の歩く道には薔薇の花びらがまちちらされ、 |
ケヤキ | 葉 | 11 | 欅 | てらてら黒光りのする欅普請の長い廊下をこわごわお厠のほうへ、 |
マツ | 葉 | 11 | 老松 | 婆様の老松やら浅間やらの咽(むせ)び泣くような哀調のなかにうっとりしているときがままございました程で、 |
バラ | 葉 | 17 | 薔薇 | 薔薇の花弁に |
ナシ | 葉 | 18 | 梨 | 窓ちかくの三本の梨の木はいずれもほつほつと花をひらき、そのしたで巡査が二三十人して教練をやらされていた。 |
サザンカ | 葉 | 19 | 山茶花 | ねこはどこからかやって来て、庭の山茶花のしたで居眠りしている。 |
サクラ | 葉桜と魔笛 | 36 | 桜 | 桜が散って、おおかた散ってしまって、 |
モモ | 葉桜と魔笛 | 42 | 桃 | ことし咲きけり桃の花白と聞きつつ 花は紅なり |
サクラ | 葉桜と魔笛 | 70 | 桜が散って | 桜が散って、このように葉桜のころになれば、私は、きっと思い出します。 |
モモ | 葉桜と魔笛 | 78 | 桃の花 | 待ち待ちて ことし咲きけり 桃の花 白と聞きつつ 花は紅なり |
イチジク | 老人ハイデルベルヒ | 315 | 無花果 | 庭を見下せば、無花果の樹蔭で何事も無さそうに妹さんが佐吉さんのズボンやら、私のシャツやらを洗濯して居ました。 |
サクラ | 哄笑に至る | 113 | 千本桜 | 彼の十八番は千本桜のいがみの権太だと彼は常に言って居た。 |
サクラ | 哄笑に至る | 114 | 千本桜 | 今が千本桜の最高潮だとも言うべき時、 |
モモ | 懶惰の歌留多 | 14 | 桃 | 無縫天衣。桃李言わざれども。絶望。豚に真珠。一朝、事あらば。 |
ブドウ | 懶惰の歌留多 | 15 | ブドウ | 葡萄たべながら |
ブドウ | 懶惰の歌留多 | 15 | ブドウ | 葡萄は、あれは、 |
ブドウ | 懶惰の歌留多 | 15 | ブドウ | 葡萄の正しい食べかたを知りたい |
シラカンバ | 懶惰の歌留多 | 20 | 白樺 | 三人目はこの人だ。二人目は、二人目はこの白樺 |
シラカンバ | 懶惰の歌留多 | 20 | 白樺 | 森の出口の白樺の下で二人目の男のひとに逢った。 |
サザンカ | 懶惰の歌留多 | 28 | 山茶花 | 冠氏は、薄紅の山茶花の如く寒しげに、肩を小さく窄(すぼ)め、困惑の有様であった。 |
サクラ | 懶惰の歌留多 | 31 | 桜 | 桜の園を売り払っても、なあに山野には、桜の名所がたくさん在る、 |
ヤナギ | 懶惰の歌留多 | 32 | 柳 | 狐火は、沼の岸の柳の枝にぶらさげた三個の燈籠であった。 |
ウルシ | 懶惰の歌留多 | 32 | うるし | うるしの並木路を走り抜け、私は無意味やたらに自転車の鈴を鳴らした。 |
マツ | 懶惰の歌留多 | 34 | 松 | 姨捨山のみねの松風 |