59 |
バラ |
薔薇 |
娘さんの家のお庭には、薔薇がたくさん植えられていた。 |
60 |
杖 |
長い杖 |
墨染の破れたころもを身にまとい、長い杖を引きずり、富士を振り仰ぎ振り仰ぎ、峠をのぼつて来る五十歳くらいの小男がある。 |
61 |
杖 |
杖をかなぐり捨て |
ついには杖をかなぐり捨て、取り乱し、取り乱し、いまはかなはずと退散した。 |
64 |
棒杭 |
大井川の棒杭 |
大井川の棒杭にしがみついて、天道さまを、うらんでいたんじや、意味ないよ。 |
70 |
紅葉 |
山の紅葉 |
それこそ血の滴るような真赤な山の紅葉を、凝視していた。 |
70 |
落葉 |
落葉 |
店のまえの落葉を掃きあつめている茶店のおかみさんに、声をかけた。 |
70 |
枯葉 |
枯葉を掃いた |
おばさんはただ曖昧にうなずいただけで、また枯葉を掃いた。 |
76 |
薪 |
薪を持ち出し |
娘さんは薪を持ち出し、それでもつて私の肩をとんとん叩いた。 |
76 |
机 |
机 |
、仕事する気も起らず、机のまへに坐つて、 |
76 |
頬杖 |
頬杖つき |
朝、私が机に頬杖つき、目をつぶつて、さまざまのことを考へていたら、 |
77 |
紅葉 |
山の紅葉 |
十月末になると、山の紅葉も黒ずんで、汚くなり、とたんに一夜あらしがあって、 |
77 |
木立 |
冬木立に化し |
みるみる山は、真黒い冬木立に化してしまつた。 |
80 |
木立 |
蕭条たる冬木立 |
蕭条(しょうじょう)たる冬木立に接しては、これ以上、この峠で、 |