184 |
行李 |
行李 |
私には、蒲団と、机と、電気スタンドと、行李一つだけが残った。 |
189 |
クワ |
桑の葉 |
今では、此の蚕に食われた桑の葉のような東京市の全形を眺めても、そこに住む人、各々の生活の姿ばかりが思われる。 |
189 |
葉 |
桑の葉 |
今では、此の蚕に食われた桑の葉のような東京市の全形を眺めても、そこに住む人、各々の生活の姿ばかりが思われる。 |
189 |
埋木 |
埋木 |
何の前後の関聯も無く「埋木」という小説の中の哀しい一行が、胸に浮かんだ。 |
190 |
大工 |
大工 |
大工さんの二階である。 |
194 |
材木屋 |
材木屋 |
身のまわりの物だけを持って、日本橋・八丁堀の材木屋の二階、八畳間に移った。 |
194 |
材木屋 |
材木屋 |
いそいで八丁堀、材木屋の二階に帰って来たのだが、なかなか言い出しにくかった。 |
196 |
棍棒 |
棍棒 |
自分の生活の姿を、棍棒で粉砕したく思った |
200 |
行李 |
行李 |
行李一杯ぶんは充分にあった。庭に持ち出して、きれいに燃やした。 |
212 |
櫃 |
お櫃 |
下宿の夕飯がお櫃に残れば、それでこっそり握りめしを作って置いて深夜の仕事の空腹に備えた。 |
216 |
蓮葉な |
蓮葉な |
それには、「よく考えてみましたら、先刻のお願いは、蓮葉(ハスッパ)な事だと気が附きました。 |
217 |
山門 |
山門 |
T君の部隊は、山門の前にちょっと立ち寄り、五分間休憩して、 |
217 |
山門 |
山門 |
私たちは境内から出て、山門の前に立ち、T君の部隊の到着を待った。 |
218 |
山門 |
山門 |
間もなく兵隊を満載したトラックが山門前に到着した。 |
218 |
山門 |
山門 |
T君の名前を書き記した大きい幟(のぼり )が、六本も山門の前に立ちならんだ。 |
218 |
山門 |
山門 |
私は皆から離れて、山門の端のほうに立った。 |
218 |
山門 |
山門 |
この東京名所の増上寺山門の前に、ばかな叔父が、のっそり立っているさまを、 |
218 |
山門 |
山門 |
二十台ほど、絶えては続き山門の前を通り、 |