木の数を表示した世界地図があり、この地図では緑色が濃くなるほど木が多く、黄色が濃いほど木が少ないことを表している。 北欧諸国があるスカンジナビア半島、ロシア、北アメリカのいずれも北極に近いエリアが最も濃い緑色で地球上で最も木が多い場所である。
では、反対に木の少ない場所はといえば、砂漠のあるアフリカ大陸北部である。 日本は、東京、大阪などの大都市を除いて全体が緑色であり、世界レベルで見ると、日本には木がたくさんあることが分かる。
この木の数を表示した世界地図を作り上げたのは米イエール大学で、森林・環境学を研究しているトーマス・クラウザー博士らのチームである。
南極大陸以外の地球上の全ての大陸のデータを集め、衛星画像から木の密度を推定、そして地上約40万カ所の場所で実際の木の数を数え、スーパーコンピューターの技術も借りながらこの地図を完成させたのである。結果、地球上の木の本数は3兆400億本である。地球の人口1人あたり約422本である。
これまでにも、地球の木の数を推定した研究が1つだけあり、木の数は4000億本、地球の人口1人あたり61本とするものであった。これは衛星画像と森林面積の推定値から出された数字であり、地上での観測を含まないものである。
木の数は、人間の文明の始まりの時代と比べると、すでに46%も減少している。
研究チームでは、森林伐採や土地の利用の仕方次第で、これからも森林の減少は進んでいくと考えている。現在1人あたり422本ある木も150年後には1人あたり214本と、約半数にまで減るとされており、危惧しなければならない。
個人レベルでは、エコバッグの持参、ペットボトルのリサイクル、冷房は28度に設定などと“小さな努力”を地道にやっていくしかないのである。