天然林と人工林
森林には二つの種類があり、ひとつは、「天然林」人の手をほとんどかけていない自然の森林です。母樹から地表へ種子が落下・着床した後、発芽・生長してできる森林のことです。
もうひとつは、「人工林」、母樹から採取した種子を苗畑に播き、2~5年育てた苗木を山に植えかえ、人の手をかけてつくりあげる森林です。
どちらも、主として、建築用木材を目的とした生産・管理がなされていますが、人工林の方は高い生産性を求めて集約的に作られているので、思いどおりの木材が入手可能。人工林育成の場として、天然の雑木林などを伐採した跡地に数年間育てた養苗の苗木を植えて作る事が一例に挙げられる。
植林したあとは、下刈り・枝打ち・除伐・間伐、その他様々な撫育(ぶいく)管理をします。
こうした木が成長して、伐採(収穫)できるまでに、針葉樹(マツ、スギ、ヒノキ等)では、35~60年。北海道のドドマツ、エゾマツは70~100年ぐらい。
広葉樹の場合は、針葉樹の約二倍以上かかります。
「植木は親、子、孫の三代の仕事だ」といわれますが、常に次世代、そのまた次の時代のことを考えていなくてはならないということです。
ところで、このような伐採跡地などに同じ樹種を一度に植林することを「一斉(いっせい)造林」といいます。この一斉造林は、長所として、経済性・効率性の追求があります。短所としては、伐採時に一斉造林の木を全部切ると、効率はよくても、一度に大部分の面積が丸裸になるため土壌の肥料分流出、あるいは急激な変化による土壌悪化、ということが起こります。
また、森林の大事な働きである水源涵養(かんよう)機能や土砂崩れ防止機能なども失われてしまいます。また、山の景観も台無しになってしまいます。
そこで、国有林では、一度に伐採する面積を小さくしたり、成長した材木から抜き伐りする(択伐)方法など、いろいろ工夫をこらしています。
一方、天然林といえば、山などに自然に生えた幼稚樹がほとんど人の手に掛かることなく、森林になっていくわけですが、収穫できるようになるまで 杉や桧のような針葉樹で普通200~300年はかかります。
北海道の天然の広葉樹の場合などは、300~400年です。
また、これらをそのまま伐らないでおいたら、いずれ老齢過熟木となって倒木し、次代の森林と入れ替わっていきます『森のサイクル(循環)』。
天然林の種子から倒木までのサイクル年数は針葉樹の> 杉・桧で300~400年(例外:秋田杉・屋久杉は、もっと長い)、欅・楠などの広葉樹は500年前後くらいです。
チークの天然林
レッドウッドの植林地