おわりに
財団専務理事として職員の仕事ぶりを見ているだけでも、財団を取り巻く社会の課題や期待が伝わってくる。職員の立場では言えない話も含め、財団の将来のため少しでも整理しておいたほうが良いと思うことを漢字の由来にかこつけて書いた。公益法人といえども安易に社会に迎合しているだけでは未来が開けないと思うところもあって、一部過激に受け取られかねない書き方をし、かえって誤解を招くかもしれないが、その節は忌憚なくご意見をお寄せいただきたい。
実は、月刊誌「建設オピニオン」を主宰していた野崎幸氏から何か書かないかと言われ、毎月思いつくまま順不同で当財団の宣伝を兼ねて書いたところ、当財団の職員がある団体の機関誌で「激を飛ばす」と書いてしまった。
そこで大筋を木材の「単純な利用から複雑な加工へ」と決めて加筆訂正し、A5版縦書き小冊子にまとめて職員に配るとともに名刺代わりに配布してきたが二年あまりで状況が変わり、在庫も切れた。
今からは配布先もそんなに多くないので、印刷屋に発注して積んでおく代わりに自前でWordソフトを使って原稿を作り、財団のコピー機で両面印刷をしようとしたところ、A5版縦書き週刊誌綴じというのがとても複雑で、手直しまで制約されるのでこのスタイルに変更した。
これまでに「札(ふだ)から(さかだる)まで画数順に木工品を並べてあるものを見たことがある」とか、「『うだつ』のことが面白いはずだ」とかのアドバイスを頂いたが、うまく組み込めないまま終わっている。
ところで、当財団の職員がミスった「激」については、私からあなたへの宿題に差し上げるのでお手元の辞書などでお調べいただきたい。
平成13年5月
野村 信之
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