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漢字に見る木の文化
「キョウ」と言う音が先にあった形声文字であるが、低い位置にある梁(はし)に対比しての高(喬)いと言うニュアンスも含まれている。「はし」は「はさま=狭間」や「はさみ」とも同根の「異なる二つのものの間」と言う意味がある。実は前々節の「はしら」も上と下の間と言う意味から出たものである。
 歩行者が渡るだけの木橋は、ゴルフ場や公園で数多くお目にかかる。何年か前の映画「マディソン郡の橋」にあった屋根付の橋は、日本でも境内に谷のある神社などで見られたが、建築物の扱いを受けることもあって修理のたびに非木造の無蓋橋に直され、今では珍しい。自動車が載る木橋は、四十年くらい前までは主要幹線道路を外れれば、日本のいたるところに見られたものだが、今はお目にかからない。交通量が増大し、設計条件が厳しくなった上に、頻繁にメンテナンスが必要になる木橋をやめてコンクリートと鉄の橋に架け替えることは、建設省の道路整備でも優先されたからである。  欧米では、鉄と木の腐食防止のメンテナンスとコンクリートの工事現場での品質確保の困難さはほぼ同列の技術的課題とされ、具体の プロジェクトにおいて課題への対応が最も確実な材料が選ばれているので、今でも新しい木の橋が建設されている。日本でも、山村振興を目的とするなどして、通過車両数の少ない ものについて、かつてのように丸太や製材を使うのではなく、品質管理の行き届いた集成材を使用する設計指針を模索しながら復興の兆しがあった。平成六年に建設省や 土木学会が一般道路への木橋の導入に取り組もうとしたが、直後にソウルのソンス大橋の崩落に続いて阪神・淡路大地震で神戸大橋の主鉄柱が断裂し、木橋どころではなくなった。その後再スタートしたが、木橋設置の第一候補である交通量の少ない道路を所管する市町村の財政事情が悪化してニーズは低下している。  梯(はしご)は、「橋の子=小さな橋」である。階梯は、寺社の本堂・本殿に上がるステップであり、転じて入門書や入門教育を指すようになった。段梯(だんばしご)は、五重の塔やお城の内部にあるもので、建築基準法施行令でも階段とは違うとして階段の安全基準は適用していない。
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