枠は、康煕字典にはなく、国字である。と同義で使われた形跡のあるがほぞを穿って材を四角に組む「わく」の意味に転じたうえで、「卒」の略字の「卆」を旁に使うようになったと思われる。しかも、製糸作業で使う糸を巻き取る道具(現在では手釣りで釣り糸を巻き取るのが最もポピュラーである)や障子の周囲の材を指していたのだが、明治以降になって新聞などで 文章を四角く囲むコラムを枠と言うようになった。その後昭和になって「コンクリート型枠」などと使われるようになり、概念が元に戻ってきている。
だが、枠はあくまで仮枠のような簡易、暫定的なものを指し、建築の部位としてしっかりと造られる場合には框である。框は床の縁を押さえるために使う横架材であったが、出入り口などに同格の材を四本使って造ったものも框と言うようになった。框用の材の品質、規格が枠よりも上質、上級であることは当然である。