この字も「なぜ木偏?」と言う字である。木を横に使うことと少し関係があるのでここで取り上げる。
秦の始皇帝の偉功の一つが度量衡の統一である。権力の行使には人に
対してだけでなく、物事全般に対しても評価が伴う。その評価が公平、客観的であるほど信頼は得やすく、権力支配は容易になる。任せるに足る腹心を得られなかった始皇帝が評価基準を客観的にすることに力を注いだのはよく判る。弁護士のバッジに天秤がデザインされているのも、人の評価を客観的にということである。
こんな前置きをしたのは、「権」が現在のような意味で使われる前は「はかり」の意味であったからである。そしてその前は天秤用の「おもり」であり、「おもり」に使われたのが「権」と言ぅ木の実であったらしいのである。