サウジアラビア王国 Kingdom of Saudi Arabia

シンガポール館公式スタンプ
サウジアラビア館は、「より良い未来のために一緒に」をテーマに、同国の遺産・伝統・価値観と未来へ向けた変革を体験的に示すパビリオンです。デザインはサウジアラビアの伝統的な都市構造や集落のイメージから着想され、来場者が街や路地を巡るような空間体験が構成されています。
木材の使われ方としてまず印象的なのは、事務室入口に設けられた重厚な木製扉で、高級感があり素材の力を強く感じさせます。館内の床には木製フローリングが採用され、空間全体に落ち着きと温かみを与えています。展示の中には本物のマングローブの木もあり、日本では普段なかなか目にすることのない樹木として興味深い展示です。
家具にも木材が用いられていますが、天板は重厚である一方、脚部はDIYの作業台や大工道具を思わせる組立式となっており、その意図はやや分かりにくいものの、素材感の対比を強調する表現とも受け取れます。全体として木材を前面に押し出したパビリオンではありませんが、扉や床、展示物といった要所で木を効果的に用い、文化や自然、持続可能性を静かに伝える構成となっています。
サウジアラビアは次の万博開催国として、2030年に首都リヤドで初めてとなる「リヤド万博2030(Expo 2030 Riyadh)」の開催を予定しています。テーマは「Foresight for Tomorrow」。会期は2030年10月1日から2031年3月31日までの約半年間で、195以上の国と地域の参加と4000万人以上の来場者が見込まれています。会場面積は約600万㎡と、大阪・関西万博の約4倍という規模です。
会場は5つのコアゾーンを中心に構成され、砂漠や乾燥地帯の地形、雨期に水が流れる「ワジ」など、サウジアラビアの自然環境から着想を得た計画となっています。伝統的な景観と未来的な都市構想を融合した広大な敷地は、最新のモビリティーで結ばれる予定です。
大阪での展示は木材の量としては多くありませんが、素材としての存在感や自然観を伝える使い方が印象的でした。2030年の自国開催に向け、サウジアラビアが今後どのように自然素材や木材を取り入れていくのか、その展開にも注目したいところです。

デザイン化されたヤシの木

デザイン化されたヤシの木