- ツバキ 2箇所
- マキ 2箇所
- アオギリ 1箇所
- キリ 1箇所
- サルスベリ 1箇所
- ナラ 1箇所
- ミカン 1箇所
- リンゴ 1箇所
川端康成の小説「温泉宿」に出てくる樹木や木製品
この小説の初出は1929年、文庫本におけるページ数は56ページ
ページ |
元樹種 |
掲載樹種 |
掲載言葉 |
48 |
木馬 |
木馬 |
木馬を飛ぶように高い窓をとっと躍り超え、 |
49 |
ナラ |
楢の葉洩れ |
楢の葉洩れの月が縞馬のように染めていた。 |
49 |
葉 |
楢の葉洩れ |
楢の葉洩れの月が縞馬のように染めていた。 |
51 |
あずまや |
あずまやの柱 |
お滝はあずまやの柱の傍に花火を見つけた。 |
51 |
あずまや |
あずまや |
谷川の中の島へ橋を架け、あずまやを建て、 |
51 |
サルスベリ |
百日紅の枝 |
お雪が百日紅の枝から、客の水着をおろして、 |
51 |
枝 |
百日紅の枝 |
お雪が百日紅の枝から、客の水着をおろして、 |
51 |
手桶 |
手桶 |
セメントに手桶を置く音が聞こえて来た。 |
51 |
杉林 |
杉林の秋虫 |
岩の白さが--向こう岸の杉林の秋虫の声と一つになって、 |
51 |
柱 |
あずまやの柱 |
お滝はあずまやの柱の傍に花火を見つけた。 |
52 |
丸木柱 |
丸木柱 |
泳がせていた足をやっと丸木柱に巻きつけると、 |
52 |
梢 |
葉桜の梢 |
爆音で火玉が葉桜の梢を貫いた。 |
52 |
桃割髪 |
桃割髪 |
だぶだぶの水着を着て桃割髪のお雪を笑い、 |
52 |
棒 |
棒のように |
棒のように倒れて眠る彼女等だった。 |
52 |
葉桜 |
葉桜の梢 |
爆音で火玉が葉桜の梢を貫いた。 |
54 |
横木 |
横木 |
横木に疎らな歯のあるすきを |
54 |
柄 |
すきの柄 |
母はすきの柄を握ったまま、よろけて行った。 |
56 |
板 |
板で |
大きい湯槽を板で三つに仕切ってある。 |
57 |
杉山 |
杉山の雪 |
向こうの岸の杉山の雪が、霧のように降って来た。 |
57 |
木枯らし |
木枯らし |
また木枯らしが鳴っていた。 |
59 |
板橋 |
板橋 |
お滝は板橋を渡りながらお雪に、 |
60 |
桃割髪 |
桃割髪 |
桃割髪が油でぴちゃぴちゃに濡れたように、 |
60 |
白木 |
白木造 |
白木造りの湯殿が、もう一つあって、 |
64 |
リンゴ |
林檎 |
畑が林檎のように紅く、 |
64 |
幹 |
木の幹 |
木の幹や川瀬など白いものが、 |
64 |
桃割れ |
桃割れ |
同じ桃割れにしても、首筋の生え際が、 |
64 |
木 |
木の幹 |
木の幹や川瀬など白いものが、 |
67 |
ツバキ |
椿の林 |
海岸に続いた椿の林が満開、蜜柑の山が色づいて、 |
67 |
ミカン |
蜜柑の山 |
海岸に続いた椿の林が満開、蜜柑の山が色づいて、 |
67 |
木 |
木の間 |
木の間からは大きい瓦屋根と土蔵の白壁ばかりが見える。 |
67 |
林 |
椿の林 |
海岸に続いた椿の林が満開、蜜柑の山が色づいて、 |
71 |
炭焼 |
炭焼きの煙 |
二百十日は、炭焼きの煙も見える晴れだった。 |
72 |
板戸 |
板戸 |
真夜中に女中部屋の板戸をぎちりきちり明けて、 |
74 |
襖 |
部屋の襖を |
旅絵師は客のいない部屋の襖を描き出した。 |
74 |
橋板 |
橋板 |
橋板の端に穴をあけて針金を通し、 |
74 |
板 |
板 |
板は岸へ流れ寄っているのだ。 |
74 |
板橋 |
板橋 |
岩から岩へ掛け渡した板橋は、 |
74 |
物干台 |
物干台 |
物干台に青い落葉だられだった。 |
74 |
落葉 |
青い落葉 |
物干台に青い落葉だられだった。 |
75 |
アオギリ |
青桐の葉 |
大きい青桐の葉を踏んだのだ。 |
75 |
葉 |
青桐の葉 |
大きい青桐の葉を踏んだのだ。 |
78 |
板場 |
板場の手伝い |
つい板場の手伝いをさせられたり、 |
80 |
葉 |
ひどい葉っぱ |
「あら、あら、ひどい葉っぱ」 |
80 |
落葉 |
青い落葉 |
物干台には、黄ばんだ--というよりも青い落葉が一面だ。 |
81 |
キリ |
定紋の桐 |
黒塗りに定紋の桐を大きく浮かせた、 |
82 |
行李 |
行李 |
今朝行李を明けてみたんだよ。 |
82 |
行李 |
人の行李 |
人の行李をあけてみのが病気さ |
84 |
銀杏返 |
清潔な銀杏返し |
女の青白い細面と、清潔な銀杏返しとは、 |
85 |
紅葉 |
紅葉見の |
紅葉見の団体の来るまでは、 |
85 |
庭木 |
庭木越し |
温泉宿の二階を庭木越しに覗いて行くだけだつた。 |
87 |
板敷 |
広い板敷 |
広い板敷きの料理場には、倉吉がかいがいしく-- |
88 |
襖や |
襖や障子 |
襖や障子は一枚もなくなってしまった百姓家だ。 |
88 |
障子 |
襖や障子 |
襖や障子は一枚もなくなってしまった百姓家だ。 |
89 |
マキ |
槇の木 |
彼女はぱたりと竹箒を槇の木に倒して、 |
89 |
マキ |
槇の古木 |
槇の古木の間から宿の玄関が見えるのだが-- |
89 |
古木 |
槇の古木 |
槇の古木の間から宿の玄関が見えるのだが-- |
89 |
欄干 |
橋の欄干 |
小さい橋の欄干に両肘を突いて、 |
90 |
板戸 |
板戸 |
女中部屋の板戸を荒々しくしめた。 |
95 |
橋板 |
橋板 |
凍りついた橋板は、馬の蹄に金属のような音を立てた。 |
96 |
ツバキ |
椿の林 |
首を縮めて椿の林へ一散に駆け込んだ。 |
96 |
林 |
椿の林 |
首を縮めて椿の林へ一散に駆け込んだ。 |