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小説と木
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  9. モミジ 1箇所

国木田独歩の小説 「わかれ」に出てくる樹木や木製品

この小説の初出は1898年、文庫本におけるページ数は17ページ
ページ 元樹種 掲載樹種 掲載言葉
57 カシ 樫の木 樫の木に取り囲まれし二棟は右なるに牛七匹住み、
57 クリ 栗樹 栗樹などの雑わるは地柄なるべし、
58 ウメ 松、桜、梅 流れの岸には紅楓の類(たぐい)を植えそのほかの庭樹には松、桜、梅など多かり、
58 サクラ 松、桜、梅 流れの岸には紅楓の類(たぐい)を植えそのほかの庭樹には松、桜、梅など多かり、
58 マツ 松、桜、梅 流れの岸には紅楓の類(たぐい)を植えそのほかの庭樹には松、桜、梅など多かり、
58 モミジ 紅楓 流れの岸には紅楓の類(たぐい)を植えそのほかの庭樹には松、桜、梅など多かり、
59 カシ 樫七株八株 一抱ばかりの樫七株八株一列に並びて冬は北の風を防ぎ夏は涼しき陰もてこの屋を覆ひ、
59 軒先 水車場の軒先 水車場の軒先に立てば黒き水は蹄のわきを白き藁わら浮かべて流れ、
59 水車 水車場 この辺りには水車場多し、
59 水車 水車場 水車場とこの屋との間を家鶏(にわとり)の一群れゆききし、
59 水車 水車場の軒先 水車場の軒先に立てば黒き水は蹄のわきを白き藁わら浮かべて流れ、
59 水車 水車場 水車場を過ぎて間もなく橋あり、
59 水車 水車場 水車場を離れて孫屋立ち、
59 水車 水車 林を出ずれば土地にわかに凹みて一軒の茅屋(くさや)その屋根のみを現わし水車(みずぐるま)めぐれり、
59 欄の高さ 欄の高さは腰かくるにも足らず、
59 庭を貫く流れは門の前を通ずる路を横ぎりて直ちに林に入り、
59 林を出ずれば土地にわかに凹みて一軒の茅屋(くさや)その屋根のみを現わし水車(みずぐるま)めぐれり、
60 下駄 駒下駄 襟頸を縮め駒下駄つまだてて飛ぶ毎に後ろ振り向くさまの可笑しき、
60 板橋 板橋 流れには板橋いくつかかかりて、
60 かの青年のが林に次ぎてこの町を愛ずるも理なきにあらず。
60 林の間 これを渡りてまた林の間を行けば忽(たちま)ち町の中ほどに出いづ、
60 東の林 巷をこめて東の林を離れし月影淡く小川の水に砕けそむれば
61 木葉 木葉 木葉半ば落ち失うせし林は狭霧(そぎり)をこめたり。
61 林を出で 、独り流に沿うて林を出で、
61 失うせし林 木葉半ば落ち失うせし林は狭霧(そぎり)をこめたり。
62 カエデ 紅に染め出いでし楓の葉末に凝る露は
62 カエデ 楓の木陰 程近き楓の木陰にうずくまりて物洗いいたる女の姿なり。
62 小枝 小枝 かれは意にもなく手近の小枝を折り、
62 真紅の葉 真紅の葉一つを摘みて流れに落とせば、
63 カエデ 楓の葉 青年が落とせし楓の葉、
63 カエデ 楓の葉 青年はまた楓の葉を一つ摘みて水に投げたり。
63 小枝 小枝  こたびは青年手に持ちし小枝をそっと水に落とせば、
63 木葉 木の葉 紅の木の葉拾いのせしふるまいのみやびて見えつるか、
63 木葉 木の葉 木の葉は少女の手もとに流れゆきぬ、
63 紅の葉 紅の葉ごとに水の滴り落つるを見てありしが
63 楓の葉 青年が落とせし楓の葉、
63 楓の葉 青年はまた楓の葉を一つ摘みて水に投げたり。
64 愚かなると言いし声は低ければ杖もて横の欄打ちし音は強く
64 森も林も 森も林もおぼろにかすみ秋霧重く立ちこむる野面に立つ案山子の姿
64 愚かなると言いし声は低ければ杖もて横の欄打ちし音は強く
64 山脈林 国境を限る山脈林の上を走りて見えつ隠れつす、
64 森も林も 森も林もおぼろにかすみ秋霧重く立ちこむる野面に立つ案山子の姿
65 梢は梢と 車もようよう通ひ得うる程なれば左右の梢は梢と交わり、
65 梢は梢と 車もようよう通ひ得うる程なれば左右の梢は梢と交わり、
65 森の様 霧立ち迷うておぼろにかすむ森の様は哀れに物悲し、
65 木葉 木葉 かれは木葉一つ落ちし音にも耳傾け
65 木葉 木葉 夏は木葉をもるる日影鮮やかに落ちて人の肩にゆらぎ、
65 木葉 木葉 木葉半ば落ちて大空の透かし見らるる林を秋霧立ち
65 落葉 落葉の音 かれが踏みゆく落葉の音のみことごとしく鳴れり。
65 落葉 落葉深く 冬は落葉深く積みて風吹く終夜(よすがら)物の囁く音す。
65 立木 立木 この真直なる路の急に左に折るるところに立木やや疎なる林あり。
65 疎らなる林 この真直なる路の急に左に折るるところに立木やや疎なる林あり。
65 犬もまたこの林になずみけん、
65 左右(さう)の林の静けさをひとしおに覚え、
65 林の趣 日の光と風の力とに変わりゆく林の趣をめで楽しみたりければ、
65 霧深き林 霧深き林の奥に消えゆくなどみつめたる、
65 木葉半ば落ちて大空の透かし見らるる林を秋霧立ち
65 林の貫きて真直に通う路あり、
66 山鳩と一羽いずこよりともなく突然程近き梢に止まりしが急にまた飛び去りぬ
66 林を隔てて遠く響く轍(わだち)の音、
67 水車 水車場 水車場の翁は略々(ほぼ)かれが上を知れるなり。
67 時雨の通りこせし後は林の中
68 バラ 野薔薇 野薔薇、小笹の類入り乱れし
68 木陰 緑の木陰 サハラを旅する隊商も時々は甘き泉湧き緑の木陰涼しきオーシスに
68 木陰 林の木陰 薄暗き彼方より現われ又薄暗き林の木陰に隠れ去るなり。
68 落葉 落葉 何時もかれが好みて訪い来る処にいで落葉を敷きつ、
68 林の中 青年のは身を起こしてしばし林の中をたどりしが、
68 薄暗き林 薄暗き彼方より現われ又薄暗き林の木陰に隠れ去るなり。
68 林を貫く辺りは一直線に走りて
69 梢よりは音せぬほどの風に誘われて木葉落ち、
69 木の葉 木の葉 見よ、水上より流れ来たる木の葉を、
69 木陰 木陰 大小さまざまの木葉はたちまち木陰より走りいでてまた木陰にかくれ走りつ。
69 木陰 木陰 大小さまざまの木葉はたちまち木陰より走りいでてまた木陰にかくれ走りつ。
69 木葉 木葉 梢よりは音せぬほどの風に誘われて木葉落ち、
69 木葉 木葉 大小さまざまの木葉はたちまち木陰より走りいでてまた木陰にかくれ走りつ。
69 紅の葉、 紅の葉、黄色の葉、
69 黄色の葉 紅の葉、黄色の葉、
69 林あり。流れあり。
70 紅黄 紅黄 流れには紅黄大小かずかずの木の葉、
70 岸に近き桜よりは幾千の胡蝶一時に梢を放れ、
70 風の枝より枝に 涼しき風の枝より枝にわたるごとに青き光と黒き影は幾千万となき珠玉の入り乱れたらんごとく、
70 風の枝より枝に 涼しき風の枝より枝にわたるごとに青き光と黒き影は幾千万となき珠玉の入り乱れたらんごとく、
70 枝頭 枝頭そよがず 四辺(あたり)の林も暫時(しばし)はこの青年に安き眠りを借さばやと、枝頭(しとう )そよがず、
70 小枝 小枝 手に持つ小枝をもて青年を招ぐさまは此方に舟を寄せてわれと共に恋の泉を掏みたまわずや、
70 小枝 小枝 小枝を流れに浸し此方に向かいて振れば、
70 梢の間 雲すこしく綻(ほころ)びて梢の間より薄き日の光、
70 梢を放れ 岸に近き桜よりは幾千の胡蝶一時に梢を放れ、
70 梢と梢との間には 仰げば梢と梢との間には大空澄みて蒼く高く、
70 梢と梢との間には 仰げば梢と梢との間には大空澄みて蒼く高く、
70 梢より落つる滴りの落葉をうつ音雨のごとし。
70 新緑 新緑の光 左右の岸は新緑の光に輝き
70 森林 森林 両岸は緑野低く春草煙り、森林遠くこれを囲みたり。
70 木間 木間木間 木間木間よりもるる光はさまざまの花を染出いだし、
70 木葉 木葉 風起こりて木葉あらあらしく鳴りつ、
70 木葉 木葉 流れには紅黄大小かずかずの木葉、
70 落葉 落葉 梢より落つる滴りの落葉をうつ音雨の如し。
70 四辺の林 四辺(あたり)の林も暫時(しばし)はこの青年に安き眠りを借さばやと、枝頭(しとう )そよがず、
70 林の奥は日の光届きかねたれど、
71 クリ 栗の梢 風一陣、窓に近き栗の梢を魔(もの)ありて揉みしようなる音す
71 枯葉 枯葉の音 風に揉(もま)るる枯葉( こえう)の音を聞け。
71 実を結ぶもその甘き汁はすなわちこの泉なり。
71 栗の梢 風一陣、窓に近き栗の梢を魔(もの)ありて揉みしようなる音す
71 草も木も 草も木も命をここに養い、花もこれより開き、
71 木立 木立ちに没れて 青年(わかもの)の耳たてし時は二騎の姿既に木立ちに没(かく)れて笑う声のみ高く聞こえたり。
71 遠き林 遠き林をわたる風の音の幽(かす )かすかに聞こゆるのみ、
75 木葉 木葉 木葉浮かびて流るる真直の水道、美しき優しき治子、
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  13. 小春
  14. 初恋
  15. 糸くず
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