130 |
サクラ |
葉桜の陰 |
茂り合う葉桜の蔭を忍びにかよふ風の音は秋に異ならず、木立の夕闇みは頭うなだれて影のごとく歩む人の類(たぐい )を心まつさまなり |
130 |
枝 |
枝ほど |
げに偽りという鳥の巣(すく)ふべき枝ほど怪しきはあらず、 |
130 |
木立 |
木立 |
年若き男の嘆息つきてこの木立ちを当てもなく行き来せしこと幾度ぞ。 |
130 |
木立 |
木立 |
木立の夕闇みは頭うなだれて影のごとく歩む人の類(たぐい )を心まつさまなり |
131 |
東屋 |
東屋 |
一足歩みては唄い、斯(かくて)くて東屋の前に立ちぬ。 |
132 |
ウメ |
梅林 |
急ぎて裏門を出でぬ、貴嬢(きみ)はここの梅林を憶へたもうや、 |
132 |
木陰 |
悲しき木陰 |
今や貴嬢には苦しき紀念(かたみ)なるべし、二郎には悲しき木陰となり、 |
132 |
木立 |
一陣の風木立ち |
一陣の風木立ちを過ぎて夕闇嘯(うそぶき )し時、 |
133 |
カシ |
樫の葉陰 |
我車五味坂を下れば茂み合う樫の葉陰より光影(ひかげ)きらめきぬ。 |
133 |
葉陰 |
樫の葉陰 |
我車五味坂を下れば茂み合う樫の葉陰より光影(ひかげ)きらめきぬ。 |
135 |
樫 |
樫の老木 |
われら皆な樫の老木( おいき)を楯にしてその陰に蹲居(うずく )まりぬ。 |
135 |
老木 |
樫の老木 |
われら皆な樫の老木( おいき)を楯にしてその陰に蹲居(うずく )まりぬ。 |
145 |
檣 |
檣のかなたに |
この時檣(ほばしら )のかなたに立つ人あり、 |
146 |
檣 |
檣の蔭より |
檣の蔭より現われしは一個(ひとり )の大男なり。 |
146 |
檣 |
檣の方 |
檣の方に身を突きいだして、 |