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  6. 国木田独歩 の集計
小説と木

国木田独歩の小説に出てくる樹木(元資料)

元樹種 箇所
マツ 26
スギ 17
ウメ 9
ナラ 8
ヤナギ 7
カシ 6
サクラ 6
シラカンバ 5
カエデ 4
クリ 4
ハゼノキ 3
モミジ 2
カキ 1
クワ 1
ケヤキ 1
シュロ 1
リンゴ 1
だいだい 1
バラ 1
サルスベリ 1

元樹種 小説名 ページ 掲載樹種 掲載言葉
ナラ 武蔵野 12 則ち木は重に楢の類で冬は悉く落葉し、春は滴るばかりの新緑萌え出ずるその変化が秩父嶺以東十数里の野いっせいに行なわれて、
シラカンバ 武蔵野 13 一日自分がさる樺の林の中に座していたことがあッた。
ナラ 武蔵野 13 楢の類の落葉林の美を余り知らなかった様である
マツ 武蔵野 13 林といえば重に松林のみが日本の文学美術の上に認められていて、
シラカンバ 武蔵野 14 さのみ繁くもない樺のほそぼそとした幹は思いがけずも白絹めく、やさしい光沢を帯おび、地上に散り布しいた、細かな落ち葉は俄に日に映じてまばゆきまでに金色を放ち、頭をかきむしッたような『パアポロトニク』(蕨の類い)のみごとな茎くき、加之(しか)も熟(つ)え過ぎた葡萄めく色を帯びたのが、際限もなくもつれからみつして目前に透かして見られた。
シラカンバ 武蔵野 14 樺の木の葉はいちじるしく光沢が褪(さ)めてもさすがになお青かッた、
シラカンバ 武蔵野 14 樺の木立も、降り積ッたままでまた日の眼に逢わぬ雪のように、白くおぼろに霞む
シラカンバ 武蔵野 14 林これはロシアの景でしかも林は樺の木で
ナラ 武蔵野 14 これはロシアの景でしかも林は樺の木で、武蔵野の林は楢の木
マツ 武蔵野 14 もし武蔵野の林が楢の類でなく、松か何かであったらきわめて平凡な変化に乏しい色彩いちようなものとなってさまで珍重するに足らないだろうと。
クリ 武蔵野 15 多分栗が落ちたのであろう、武蔵野には栗樹もずいぶん多いから。
クリ 武蔵野 15 栗樹0 多分栗が落ちたのであろう、武蔵野には栗樹もずいぶん多いから。
サクラ 武蔵野 25 成程小金井は桜の名所
スギ 武蔵野 25 杉の森や林や藪に籠もって
サクラ 武蔵野 26 桜の陰などに遊んで居る
サクラ 武蔵野 26 桜の木陰にでも坐って
カシ 武蔵野 33 月が家並の後ろの高い樫の梢まで昇ると、向う片側の家根が白ろんできた。
ナラ 郊外 46 楢林 何でも森を斜に取って西北の地平線から西へかけて低いところにもしゃもしゃと生えてる楢林あたりまでを写して見ることに決めた。
カシ わかれ  57 樫の木 樫の木に取り囲まれし二棟は右なるに牛七匹住み、
クリ わかれ  57 栗樹 栗樹などの雑わるは地柄なるべし、
ウメ わかれ  58 松、桜、梅 流れの岸には紅楓の類(たぐい)を植えそのほかの庭樹には松、桜、梅など多かり、
サクラ わかれ  58 松、桜、梅 流れの岸には紅楓の類(たぐい)を植えそのほかの庭樹には松、桜、梅など多かり、
マツ わかれ  58 松、桜、梅 流れの岸には紅楓の類(たぐい)を植えそのほかの庭樹には松、桜、梅など多かり、
モミジ わかれ  58 紅楓 流れの岸には紅楓の類(たぐい)を植えそのほかの庭樹には松、桜、梅など多かり、
カシ わかれ  59 樫七株八株 一抱ばかりの樫七株八株一列に並びて冬は北の風を防ぎ夏は涼しき陰もてこの屋を覆ひ、
カエデ わかれ  62 紅に染め出いでし楓の葉末に凝る露は
カエデ わかれ  62 楓の木陰 程近き楓の木陰にうずくまりて物洗いいたる女の姿なり。
カエデ わかれ  63 楓の葉 青年が落とせし楓の葉、
カエデ わかれ  63 楓の葉 青年はまた楓の葉を一つ摘みて水に投げたり。
バラ わかれ  68 野薔薇 野薔薇、小笹の類入り乱れし
クリ わかれ  71 栗の梢 風一陣、窓に近き栗の梢を魔(もの)ありて揉みしようなる音す
マツ 置土産 77 老松樹ち 老松樹(た)ちこめて神々しき社なれば月影のもるるは拝殿階段の辺(あたり)のみ、
マツ 源叔父 93 家の横なる松 渠(かれ)が家の横なる松、今は幅広き道路の傍に立ちて夏は涼しき蔭を旅人に借せど十余年の昔は沖より波寄せて節々(をりをり)その根方を洗いぬ。
マツ 源叔父 99 松が枝に 明朝(あすあさ)あの松が枝に翁の足のさがれるを見出さんもしれずといふ、
マツ 源叔父 107 老松並ぶ 左は堤の上を一列に老松並ぶ真直の道をなかば来りし時、
マツ 源叔父 108 松の梢を嘯きて 門に立てる松の梢を嘯(うそぶ)きて過ぎぬ。
マツ 源叔父 110 松が枝 道に差出でし松が枝(え)より怪しき物さがれり。
ウメ 114 梅桜乱れ咲き 木々は野生(のばえ)のままに育ち、春は梅桜乱れ咲き、
サクラ 114 梅桜乱れ咲き 木々は野生(のばえ)のままに育ち、春は梅桜乱れ咲き、
スギ 114 杉の叢 煙は真すぐに立ちのぼりて、杉の叢立つあたりに青煙一抹(せいえんいちまつ )、霧の如くに重し。
スギ 114 松杉の類 中にも松杉の類(たぐひ)のみは緑に誇る。詩人は朝夕にこの庭を楽しみて暮らしき。
マツ 114 松杉の類 中にも松杉の類のみは緑に誇る。詩人は朝夕にこの庭を楽しみて暮らしき。
サクラ おとづれ 130 葉桜の陰 茂り合う葉桜の蔭を忍びにかよふ風の音は秋に異ならず、木立の夕闇みは頭うなだれて影のごとく歩む人の類(たぐい )を心まつさまなり
ウメ おとづれ 132 梅林 急ぎて裏門を出でぬ、貴嬢(きみ)はここの梅林を憶へたもうや、
カシ おとづれ 133 樫の葉陰 我車五味坂を下れば茂み合う樫の葉陰より光影(ひかげ)きらめきぬ。
マツ 詩想 151 松の小かげ 丘にのぼり松の小かげに横たわりて、
マツ 詩想 151 松の梢 松の梢を吹くともなく吹く風の調べは遠き島根に寄せては返す波の音にも似たり。
ウメ 詩想 154 この梅 この梅を此処にまきし少女( おとめ)のこの世に有りしや否やを知らず。
ウメ 詩想 154 梅の老木 されど路傍なる梅の老木のみはますます栄えて年々、花咲き、うまき実を結べば、
マツ 忘れえぬ人々 164 背の低い松 山の根がたの彼処此処に背の低い松が小杜を作っているばかりで、
マツ 忘れえぬ人々 169 松山 奥に松山を控えているだけこの港の繁盛は格別で、
マツ まぼろし 179 松の梢 やや疲れを覚え、横になったまま庭をながめて秋の日影がだんだんと松の梢をのぼって次第に消えてゆくのを見ながら、うつらうつらしていた。
マツ 鹿狩 188 一本の松 この三派(みつ )の路の集まった処に一本の松が立っている。
マツ 鹿狩 188 松の下に 一同はこの松の下に休息して、なの字浦の方から来る筈になっていた猟師の一組を待ち合わせていた。
マツ 鹿狩 188 松が一本二本 山の窪などには畑が作ってあってそのほかは草ばかりで唯だ処々に松が一本二本突出っている。
マツ 鹿狩 191 あの松 あの松のある処へ行って見なさい、多分一ツ位い最早(もう )獲れているかもしれない。
マツ 鹿狩 191 松の枝の 果たして一頭の鹿が松の枝の、
マツ 鹿狩 191 松の下に 松の下に近づいて見ると角のない奴の左(さ )まで大きくない鹿で、
マツ 鹿狩 191 松の枝か 無残にも四足を縛られたまま松の枝から倒さかさに下がっているところを見ると可愛そうでならなかった。
マツ 鹿狩 193 小松 叔父さんが小松に立てかけて置いた銃をソッと把(とつ )た。
スギ 河霧 198 杉の杜 「杉の杜のひげ」と言われてその名が通っているだけ、
スギ 河霧 198 杉の杜 『「杉の杜のひげ」と綽名(あだな )せられて本名は並木善兵衛という老人のみが次のごとくに言った。
スギ 河霧 199 杉の杜 この老人がその小さな丸い目を杉の杜の薄暗い蔭でビカビカ輝らせて、
スギ 河霧 199 杉の杜 それが老翁(じいさん )ばかりでなく「杉の杜」というのが、
スギ 河霧 199 一本の杉 幾百年か経って今はその根方(ねがた )の周囲(まわり )五抱もある一本の杉が並木善兵衛の屋敷の隅に聳立て居て其処がさびしい四辻になっている。
スギ 河霧 200 杉の杜の蔭 薄気味の悪い「ひげ」が黄鼠(いたち )のような目を輝(ひか )らせて杉の杜の蔭から斜睨(にら )んだところを今少し詳しく言えば、
スギ 河霧 201 杉の杜 「杉の杜」のみは予め知っていたに違いない。
スギ 河霧 201 杉の杜 さて「杉の杜のひげ」の予言は悉く適中(あた )った。
スギ 河霧 201 杉の杜 秋の初めの九月なかば日曜の午後一時ごろ、「杉の杜」の四辻に茫然(ぼんやり )立って居る者がある。
スギ 河霧 201 杉の杜の蔭で 豊吉はしばらく杉の杜の蔭で休息でいたが、
うめ 河霧 202 樫、梅、橙などの庭木の門の上に黒い影を落としていて、
かし 河霧 202 樫、梅、橙などの庭木の門の上に黒い影を落として居て、
サルスベリ 河霧 202 百日紅 杉の生垣をめぐると突当たりの煉塀の上に百日紅が碧( みどり)の空に映じていて、
シュロ 河霧 202 棕櫚の二、三本 門の内には棕櫚の二、三本、
スギ 河霧 202 杉の生垣 杉の生垣をめぐると突当たりの煉塀の上に百日紅が碧( みどり)の空に映じていて、
だいだい 河霧 202 樫、梅、橙などの庭木の門の上に黒い影を落としていて、
ウメ 河霧 203 梅の樹 とうれしそうに笑ッて梅の樹を見上げて、
クワ 河霧 203 桑園 桑園(くわばたけ )の方から家鶏( にわとり)が六、七羽、
ヤナギ 河霧 203 川柳 川柳の蔭になった一間幅ぐらいの小川の辺に三、四人の少年が集まって居る、
ヤナギ 河霧 204 柳の株 少年はかしこここの柳の株に陣取って釣っていたが、
ヤナギ 河霧 204 柳の蔭 豊吉は柳の蔭に腰掛けて久しぶりにその影を昔の流れに映した。
ヤナギ 河霧 204 柳の間 柳の間をもれる日の光が金色の線を水の中(うち )に射て、
スギ 河霧 205 杉の杜の髯」  この墓が七年前に死んだ「並木善兵衛之墓」である、「杉の杜の髯」の安眠所である。
スギ 河霧 205 杉の杜の髯 「杉の杜の髯」の予言の中(あた )ったのは此処までである。
マツ 河霧 205 小松の根 その中のごく小さな墓―小松の根にある―
ヤナギ 河霧 205 柳の株 その少年を少し隔れて柳の株に腰かけて、
ヤナギ 河霧 205 水上の柳 小川の水上の柳の上を遠く城山の石垣のくずれたのが見える。
ヤナギ 河霧 205 川柳 川柳は日の光にその長い青葉をきらめかして、風のそよぐ毎(ごと )に黒い影と入り乱れている。
スギ 河霧 210 杉の杜 日常寂しい杉の杜付近までが何となく平時と異ていた。
カシ 小春 223 樫の将几 と畳んで棒の如くする樫の将几を開いて見せた。
ハゼノキ 小春 225 櫨紅葉 野を散歩す日暖かにして小春の季節なり。櫨(はじ )紅葉は半ば散りて半ば枝に残りたる、風吹くごとに閃めき飛ぶ。
ハゼノキ 小春 226 櫨堤 背低き櫨堤の上に樹ちて浜風に吹かれ、紅の葉毎に光を放つ。
ウメ 小春 227 梅樹 柿の実、星の如くこの梅樹の際より現はる。
ウメ 小春 227 老梅 水枯れし小川の岸に幾株の老梅並び樹てり、
カキ 小春 227 柿の実 柿の実、星の如くこの梅樹の際より現はる。
モミジ 小春 227 紅葉火のごとく 紅葉火のごとく燃えて一叢の竹林を照らす。ますます奥深く分け入れば村窮まりて唯だ渓流の水清く樹林の陰より走出(はせい )づるあるのみ。
ケヤキ 小春 228 高い欅 野に出て見ると、秋は矢張り秋だ。楢林は薄く黄ばみ、農家の周囲に立つ高い欅は半ば落葉してその細い網のような枝を空にすかして居る。
ナラ 小春 228 楢林は薄く黄ばみ 野に出て見ると、秋は矢張り秋だ。楢林は薄く黄ばみ、農家の周囲に立つ高い欅は半ば落葉してその細い網のような枝を空にすかして居る。
ハゼノキ 小春 228 櫨の野生 その間から武蔵野にはあまり多くない櫨の野生がその真紅の葉を点出して居る。「こんな錯雑した色は困るだろうねエ」と自分は小さな坂を上りながら頭上の林を仰いで言った。
ナラ 小春 230 この楢 元来この楢はあまり風流な木でない。
ナラ 小春 230 楢林の中へと 自分は日あたりを避けて楢林の中へと入り、下草を敷いて腰を下ろし、
ナラ 小春 230 楢の枯葉 頭の上を風の吹き過ぎる毎に、楢の枯葉の磨れ合う音ががさがさとするばかり。
マツ 初恋 245 松の根 松の根に腰打ちかけて頻(しき )りと書見をして居た。
マツ 初恋 249 松の根 前に話した松の根で老人が書を見ている間(ひま )に、
リンゴ 糸くず 255 苹果酒 黄色な苹果( りんご)酒の壺が出る。
  1. 武蔵野
  2. 郊外
  3. わかれ
  4. 置土産
  5. 源叔父
  6. たき火
  7. おとづれ
  8. 詩想
  9. 忘れえぬ人々
  10. まぼろし
  11. 鹿狩
  12. 河霧
  13. 小春
  14. 初恋
  15. 糸くず
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