強度の項目で述べた通り、「重さあたりの強度」が非常に重要です。木材は軽量でありながら高い強度を持つため、重さを気にする乗り物や建物で再評価されています。
例えば、屋上庭園のデッキや屋上水槽は、軽量化の必要性から木材が利用されています。これらの商品は近年増加しており、木材の特性が注目されています。
21世紀には、宇宙船にも木材が多用される可能性があります。軽量でありながら強度が高く、環境への負荷が少ない木材は、宇宙開発においても有望な素材と考えられています。
第二次世界大戦中、イギリスで開発された「モスキート」という戦闘爆撃機はオール木造で作られていました。木造で軽量なため、爆撃機としては異例の高速度を実現し、当初ドイツの戦闘機が追いつけなかったという逸話は有名です。
また、世界最大の飛行機も木造でした。それは、ハワード・ヒューズが全財産をかけて製作した「ヒューズH-4飛行艇(スプルース・グース)」です。この飛行艇は、長さ67メートル、幅98メートル、8基のエンジンを搭載した巨大な機体でした。
この飛行艇はアメリカ・ロングビーチのドーム内で保存され、観光地としても知られていました。木の情報発信基地のお客様である増井清彦さんが1997年にロングビーチを訪れた際、見学を試みましたが、既に撤去されていたそうです。保存費用が高額であったため、ディズニーに売却されたとの未確認情報があります。
軽量で強度が高い木材は、建築や航空分野だけでなく、今後の宇宙開発や先端技術分野でも重要な素材となる可能性があります。これらの特性を活かした新たな応用が期待されます。