コンクリートやプラスチックと木材では、マウス実験でも明らかなように、木材を利用した場合の方が顕著に高い生存率を示しています。これは、情緒や感性だけでなく、木材が持つ総合的な特性によるものです。そのため、マウス実験でも木材が良い結果を示したのです。
現在話題になっている「健康住宅」は、このような木材の総合的な特徴を生かしたものです。健康住宅においては、木材のさまざまな長所が明らかになっています。その一つが、空気中の細菌の元となるVOC(揮発性有機化合物)の減少効果です。木材は比較的VOCの排出量が低いため、家全体の空気環境を向上させる効果があります。
さらに、木材の主要成分であるリグニンが抗菌性を持つことや、木材由来の香りに含まれるフィトンチッド(phytoncide)などがリラックス効果を促し、住まいの中での平静感や空間の快適性を向上させていることも実証されています。
加えて、木材の使用は、温度保持能力や温かみのある感覚の面でも優れています。例えば、同じ環境下でも、木材はコンクリートやプラスチックに比べて、人の肌に近い体感温度を感じやすい特徴があります。これにより、冷たさや暑さを感じにくくなり、住み心地の向上に繋がっています。
結論として、木材を使用した住宅は、単に感性的な魅力にとどまらず、健康面、環境面、住み心地の面など、統合的に優れた住宅であると言えます。これらの特徴を活かすことで、より健康的でありながら、人間のライフスタイルに適した住まいを実現することが可能です。