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  6. 小説: 凩(こがらし)
小説と木

水上勉の小説「凩(こがらし) 」に出てくる樹木や木製品

この小説の初出は1971年、文庫本におけるページ数は173ページ
ページ 元樹種 掲載樹種 掲載言葉
178 クヌギ 櫟と欅の若樹が
178 ケヤキ 櫟と欅の若樹が
178 若樹 若樹 櫟と欅の若樹が
178 樹はそんなに太くはないが
179 シイ 栗や椎のころを
179 大工 大工 父は大工だから
179 木橋 木橋 小さな木橋の手前へ
179 シイ 栗や椎のころを
179 クリ 丸い千木のような栗の
179 千木 千木 丸い千木のような栗の
179 クリ 栗や椎のころを
179 蛇いちごの赤い実が
179 ナシ 梨畑を横切って
179 葉のあいだからさしこむ
179 白蕾 白蕾 白蕾は、棚の上にならべた
179 新枝 新枝 新枝は空へむけて
179 枝は背丈ほどのあたりで
179 ナシ 子供のじぶんからみてきた梨の花は
179 みどり葉が抱き支えている
179 クリ 栗や椎のころを
180 新芽 新芽 そこは新芽と
180 雑木林 雑木林 檜のない雑木林だが
180 木っ端 木っ端を尻に敷いて
180 ナシ 梨畑の向うにひろがる
180 ヒノキ 檜のあるのは他人の山で
180 若葉 若葉 若葉が萌えいでて
180 樹々 樹々の若葉は漆を溶かしたように
180 若葉 若葉 樹々の若葉は漆を溶かしたように
180 ウルシ 樹々の若葉は漆を溶かしたように
180 ヒノキ 檜のない雑木林だが
181 建物 建物 宮の建物や
181 建物 建物 寺の建物について
182 大工 大工 大工仕事にゆけなくなった
182 宮大工 宮大工 宮大工をして守りつづけてきた
182 宮大工 宮大工 宮大工は足場をのぼって
184 宮大工 宮大工 お父ちゃんは宮大工やろ
187 宮大工 宮大工 宮大工のたわごとだと
189 大工 大工 一人前の大工とはいえない
189 雲定規 雲定規 雲定規と金尺をつかって
189 金尺 金尺 雲定規と金尺をつかって
189 ソリ棟 そり棟 どんなそり棟の堂や塔や
189 どんなそり棟の堂や塔や
190 建築 建築 建築仕事には、このような気性がいいのだった
190 棟梁 棟梁 そこらじゅうの棟梁仲間からは
191 大工 大工 大工の子やさかい
192 宮大工 宮大工 宮大工の嫁に
193 根太 根太 台所の根太かえなどで
193 宮大工 宮大工 宮大工には誇りがなくてはいかんと
193 宮大工 宮大工 宮大工の誇りは捨てず
193 宮大工 宮大工 宮大工になろうという者が
197 大工 大工 大工仲間の朽木の文蔵に
197 朽木 朽木 大工仲間の朽木の文蔵に
199 宮大工 宮大工 宮大工の清がそれにひっかかったと
200 下見 下見 屋根のシタミ板を打っている最中に
200 ナシ 眼の前にひろがる梨棚の
200 白蕾 白蕾 白蕾の海を眺めていると
201 撫でるように伐って要所へ向け、つまり、山の木から
201 合成材料 合成材料 貼紙のベニヤ板である合成材料を
201 ベニヤ ベニヤ 貼紙のベニヤ板である合成材料を
201 床板 床板 床板も、天井も、照明器具も
201 合成板 合成板 板目の印刷されてある合成板や
201 板目 板目 板目の印刷されてある合成板や
201 撫でるように伐って要所へ向け、つまり、山の木から
201 木の肌 生きた木の肌をたたいて
201 宮大工 宮大工 宮大工の仕事とまったくちがっている
201 木馬 木馬 木馬にのせて里へ出し
201 大工 大工 どこかの指物大工や工員が
201 ケヤキ 一本の欅を伐りにゆき
202 合成板 合成板壁 模様のついて合成板壁を貼り
202 木造 木造 きれいに木造のようにみせてはるけど
202 宮大工 宮大工 お父さんはもう古い宮大工なのよ
203 チョンナ チョンナ チョンナでけずったのと
203 電気ノコ 電気ノコ 電気ノコでけずった
203 木工所 木工所 木工所がさっさと切ってくれよる
203 ガンド(丸頭鋸) ガンド みんな自分でガンドで切ったもんや
203 長押 長押 長押にしよかと苦労した
203 それを床にしよか柱にしよか
203 生きている木をみて
203 ケヤキ 欅一本伐るのに
203 宮大工 宮大工 習いおぼえた宮大工仕事は
203 宮大工 宮大工 宮大工とわけがちがう
203 それを床にしよか柱にしよか
204 宮大工 宮大工 宮大工の伝統を誇る
205 丸木 丸木橋 丸木橋をわたる
205 ナシ 梨畑を横切り
209 宮大工 宮大工 最後の宮大工として
210 紅葉 紅葉 紅葉の花みたいに
210 紅葉の花みたいに
210 スギ 杉垣 繁次郎の杉垣をのぞくようにして
211 宮大工 宮大工 宮大工に育てあげること以外にないと
211 橋普請 橋普請 橋普請はしなかった
212 ナシ 梨の花がきれいでのう
212 丸太 丸太 丸太が折れて
212 橋普請 橋普請 あの橋普請には
213 クワ 桑畑と野菜畑のつづく平坦な道を
213 ナシ 梨棚の花が綺麗にひらいている
213 梨棚の花が綺麗にひらいている
213 ナシ 梨の花の匂いが
213 この花の匂いは頭につんとくるのできらったが
213 ナシ 梨の花を一つ一つみる
213 花芯 花芯 小さな仏の手のように花芯を抱き
213 スギ 杉垣 杉垣の穴からのぞいた
214 シイ 千木の椎は
214 ナシ 梨の花が白いので
214 木っ端 木っ端をあつめて尻に敷くと
214 蛇いちごの赤い実でいっぱいだ
214 丸木 丸木橋 ゆれうごく丸木橋を
214 千木 千木 千木の椎は
214 シイ 椎材 椎材の皮も黒ずんで
214 大丸太 大丸太 大丸太と共に
214 木は固い石のように生きているのか
214 千木 千木 何本も千木になって
214 イチゴ 蛇いちご 蛇いちごの赤い実でいっぱいだ
215 ナシ 梨畑の道が切れて
216 カシワ餅 かしわ餅 柏餅仰山こうてきたさかい
216 丸木 丸木橋 丸木橋をとっとと
217 ナシ あんまり梨の花がうつくしさかい
218 クス 椎、欅、楠が鬱蒼とせりあがってゆくので
218 黒松の林で黒一色だ
218 ケヤキ 椎、欅、楠が鬱蒼とせりあがってゆくので
218 シイ 椎、欅、楠が鬱蒼とせりあがってゆくので
218 ツバキ 椿 山桃や椿のしげる裾から
218 ヤマモモ やま桃 山桃や椿のしげる裾から
218 それは見あきない樹の表情である
218 ヒノキ どの檜も皮がはがれ
218 ヒノキ 他人の山ながら檜が多く
218 谷の樹はそれぞれ品種がちがって
218 樹々 樹々で埋まってくる
218 ナシ 梨の花をみい
218 クロマツ 黒松 黒松の林で黒一色だ
218 ナシ その梨の花が散る頃がくると
219 大木 大木はみんな
219 木イ伐りにも
219 ツル つる 蔓を切ったところが杣道になった
219 杣道 杣道 蔓を切ったところが杣道になった
219 木という木は枝にからまれ
219 木という木は枝にからまれ
219 木という木は枝にからまれ
219 樹が泣くと貞之助はいう
219 梁木 梁木 寺の梁木や床柱、大黒柱
219 力づよく樹をひっぱるから
219 木工所 木工所 京の木工所やが
219 山の樹というもんは
219 クス 横物に使える松、檜、橡、楠など
219 トチ 横物に使える松、檜、橡、楠など
219 ヒノキ 横物に使える松、檜、橡、楠など
219 マツ 横物に使える松、檜、橡、楠など
219 大黒柱 大黒柱 寺の梁木や床柱、大黒柱
219 床柱 床柱 寺の梁木や床柱、大黒柱
219 雑木 雑木 雑木山も買うて
220 ナタで木を削って家を
220 小器用に樹の肌へ
221 大工 大工 大工でいうなら
222 樹ィが泣く
223 スギ 杉垣 杉垣のこっちから声かけてすましとる
223 ナンテン 南天 手あかのついた南天の杖をつくと
223 手あかのついた南天の杖をつくと
225 ネコヤナギ ねこ柳 その赤川近くの猫柳の下へゆくと
226 クワ 桑畑のかわいた道を
226 把手に木をさしわたし
227 カキ 柿の木ごしにみえる
228 スギ 杉垣 杉垣の穴からのぞく時
228 カキ 柿の木の下にたって
230 スギ 杉垣 杉垣の穴もフタせず
230 縁側 縁側 いつも縁側にすわってにやにやし
231 ヤナギ 柳に雪折れなし
231 サンショ さんしょ さんしょの実とカラシ漬しか
231 サンショ さんしょ さんしょの実とカラシ漬だけしか
233 木っ端 木っ端を拾って敷き
233 樹々 両側の樹々を眺めやった
233 イチゴ 蛇いちご 谷底の蛇いちごが赤く
233 棚から棒のように
233 梨畑はもうすっかり葉色が
233 ナシ 梨畑はもうすっかり葉色が
234 若木 若木 若木が根をはる
234 エドヒガン あずまひがん(エドヒガンの別称。) 海津のあずまひがんは五百年
234 サクラ 薄墨 根尾の薄墨は千四百年
234 サクラ 百年の樹齢を生きる桜は
234 樹齢 樹齢 百年の樹齢を生きる桜は
234 若木 若木 若木の葉は大きく
234 若木 若木 皮の力におぶさった若木は
234 サクラ 桜の性根と同じだと
234 若木が根をはる
234 サクラ たてかわさくら 真如堂のたてかわ桜は四百年の皮で生きてよる
234 ウルシ うるし 艶々してうるしをぬったようだ
234 サクラ 桜というもんは
234 若木の葉は大きく
234 幹根 幹根はすっかりかくれていて
234 若木 若木 むらがりはえた若木がある
234 サクラ 山桜 肌は山桜独特のすべすべした横縞だが
234 実生 実生 山の実生のをここへうつしたと
234 サクラ 大さくら 一本の大桜が
234 五十年目ごろから、皮だけになって
235 白木 白木 白木の膳をもち
235 シキビ シキビ シキビの花と造花にとりまかれて
235 シキビの花と造花にとりまかれて
238 木が枯れたり
238 葉が落ちたり
238 宮大工 宮大工 よその宮大工にたのんでいる
239 カキ 柿の木ごしに
239 カキ 柿の木を眺めながら
240 宮大工 宮大工 宮大工の一人娘とはいえ
242 スギ 杉垣 杉垣の穴も直さずに
246 立木 立木 立木、杉、柿、椎をその他雑木十二本と
246 スギ 立木、杉、柿、椎をその他雑木十二本と
246 カキ 立木、杉、柿、椎をその他雑木十二本と
246 シイ 立木、杉、柿、椎をその他雑木十二本と
246 雑木 雑木 立木、杉、柿、椎をその他雑木十二本と
247 仏壇 仏壇 仏壇、大工道具などまで
247 大工 大工 仏壇、大工道具などまで
248 タルキ タルキ タルキから空が透けてみえる
250 スギ 杉垣 杉垣の穴をのぞくと
251 垂木 垂木 梁や垂木の露な藁ぶき屋の
251 木目 木目 木目を印刷した杉板ぶりの合成板が
251 スギ 杉皮 木目を印刷した杉板ぶりの合成板が
251 天井も床も柱も
251 天井も床も柱も
251 真物の木にしても
251 梁や垂木の露な藁ぶき屋の
251 板壁 板壁 どこやらやわい張り板壁である
251 合成板 合成板 木目を印刷した杉板ぶりの合成板が
252 実をみのらせたひと株の花のような
252 実をみのらせたひと株の花のような
252 実をみのらせたひと株の花のような
255 スギ 杉垣 杉垣の穴だけしか
260 宮大工 宮大工 宮大工をして、仰山の寺を建てたり
260 根太 根太 根太をなおしたりして
264 ケヤキ 色づきかける大欅と桜の葉の影を映して
264 割箸 割箸 赤松の細いのが割箸で
264 アカマツ 赤松 赤松の細いのが割箸で
264 落葉樹 落葉樹 落葉樹が多いとみえて
264 色づきかける大欅と桜の葉の影を映して
264 サクラ 色づきかける大欅と桜の葉の影を映して
265 鉋(かんな) 切り込み、鉋がけも自分でするつもりである
265 裏白葉の下に
267 大工 大工 大工は足が宝やで
267 古家 古家 古屋の材料をつこうて
268 卓袱台 卓袱台 卓袱台に向い
269 根太替エ 根太替え 本堂の根太替えを請負い
270 板ノ間 板の間 本堂の板の間で
270 床板 床板 下請けで床板を替えにいった
271 内装 内装 内装にきてくれといいよる
271 カキ 松茸でも柿でも
271 合成板 合成板 合成板にサッシュ窓の
272 宮大工 宮大工 同じ宮大工や
272 木材 木材 古い木材をつこうて
272 大工 大工 大工は仕事がのうなるで
273 普請 普請 普請があってきよったのやが
273 大工 大工 大工さん仲間どしたか
276 大工 大工 ズポンは大工がむかし使った
285 紅葉 紅葉 秋は紅葉
285 アジサイ あじさい 夏はあじさい
285 サクラ 山桜 春は山桜の名所だった
286 どの枝も頭を撫でるほど
286 ヒノキ 両側に檜と楓が混ぜ植わり
286 カエデ 両側に檜と楓が混ぜ植わり
286 カエデ 楓も大きくて
287 ヒノキ 檜の梢が突きぬけている
287 ヒノキ 楓と檜のこきまざって
287 仮建築 仮建築 本堂は仮建築のままだが
287 檜の梢が突きぬけている
287 ヒノキ 檜の道も昔のままで
287 カエデ 楓は散りかけるのもあったが
287 ヒノキ 檜の青と
287 カエデ 楓と檜のこきまざって
288 祠堂 祠堂 小ぢんまりした祠堂がみえた
288 下見 下見 シタミ板打った
288 木っ端 焚火のわきの木っ端に坐った
288 丸柱 丸柱 丸柱と壁下格子がすけてみえる
289 垂木 垂木 垂木を切るのに
289 大工 大工 大工の心を教えたと
289 垂木 垂木 垂木一本切るにも
289 その木はもう死ぬのである
289 垂木 垂木 一本の垂木を切るにさえ
290 トクサ トクサ 欅を丹念にトクサで磨いたものだといった
290 仮建築 仮建築 仮建築をひきうけた
290 柱も梁も、手ぬるいところは一つもない
290 柱も梁も、手ぬるいところは一つもない
290 木材 木材 木材もつかいたいが
290 古材 古材 古材やでなア
290 古材 古材 古材やとて、かまうかいな
290 鉋(かんな) ちゃんと鉋をかけりゃこんなにぴかぴかするで
290 ケヤキ 欅を丹念にトクサで磨いたものだといった
290 丸柱 丸柱 四本の丸柱は
291 ヒノキ その老いた檜が
291 ヒノキ 無数の老檜だった
291 ヒノキ えらい檜やなァ
291 ヒノキ 檜の皮 檜の皮むきや
291 ヒノキ 檜というもんはえらいもんやろ
291 ヒノキ 檜は皮をむかれるといったことばが
291 ヒノキ 眼にみえる檜は
291 樹齢 樹齢 五十年や八十年の樹齢ではなかろう
291 老木 百年をこえた老木だ
291 ヒノキ 一本の檜に負けている
291 ヒノキ 皮をむかれた老檜をみて
292 宮大工 宮大工 三代にわたった宮大工一家の
292 ヒノキ 檜皮 檜皮あつめで一しょに働いた
292 タルキ タルキ 二重のタルキがすぐみえたように
297 ヒノキ 檜のように皮はいで
297 ヒノキ 数百本の老檜が
302 材木 材木 静平に置きさらした材木や
305 宮大工 宮大工 宮大工として生きてきた
305 木造 木造建築 木造建築をけなすけれど
306 山へ入って薪とったり
306 炭焼いたりする人は
306 薪というものも不経済なもんで
306 木造 木造建築 古い寺の木造建築は
307 木造 木造民家 木造民家は、ずいぶん不便なもんどっせ
308 サクラ 円山の桜でも
308 サクラ 平安神宮の桜でも
308 大楠の木でも
308 クス 大楠の木でも
308 スギ 大杉 貴船さんの大杉でもよい
309 古材 古材 旧家屋の古材を生かして
309 木はすぐにくさろう
315 普請 普請 古い建築工法の寺の普請に見惚れて
315 ヒノキ 檜のむれをまた思いだした
315 大工 大工 大工仕事をしてみせてやる
315 木造の堂の方がええ
315 建築工法 建築工法 古い建築工法の寺の普請に見惚れて
315 木造 木造 木造の堂の方がええ
316 紅葉 紅葉 紅葉しているせいもあって
319 古材 古材 古材もほったらかしにしておくと
320 タルキ タルキ 清に飾りタルキの組みあがりを
320 ヒノキ 檜皮 屋根はゆるやかにそりかえる檜皮ぶき
320 葉は早や落葉してしまっていたけれども
320 落葉 葉は早や落葉してしまっていたけれども
320 蔦の葉はまだみどりのままで
320 蔦の葉はまだみどりのままで
320 マツ 巻きつく巨松がいく本も
320 マツカシワ まつかしわ 梢を吹く風も松柏の音ともいうべき
320 梢を吹く風も松柏の音ともいうべき
321 マツ まつ林 松林の密生する境内は森厳で
321 森厳 森厳 松林の密生する境内は森厳で
321 マツ 太まつ 太松の根を大蛇が這うかと
321 太松の根を大蛇が這うかと
321 紅葉 紅葉 紅葉の期を逸しているので
322 スギ 杉が鳴るのかわからなかった
322 カエデ 散りのこった楓葉の下に
323 宮大工 宮大工 宮大工やさかい
325 樹々 落葉した梨の樹々は
325 古材 古材 旧家屋の古材を使っての
325 ナシ 落葉した梨の樹々は
325 ナシ 広大な梨畑だった
325 落葉 落葉した梨の樹々は
326 框は白壁とし
326 正面梁はくしがたといって
326 勾欄 コウラン 勾欄 こうらん その勾欄の四隅の角には
326 枡ガタ 枡がた 桷、枡がた、梠、軒(二の梁)
326 桷、枡がた、梠、軒(二の梁)
326 ズミ ずみ 桷、枡がた、梠、軒(二の梁)
326 桷、枡がた、梠、軒(二の梁)
326 古材 古材 みな古材をつかったとは思えぬほど
326 勾欄 コウラン 勾欄 こうらん 勾欄をめぐらせる算段であった
326 クシガタ くしがた 正面梁はくしがたといって
327 ズミ ずみ 枡がたや桷はいっさい五寸釘もつかわず
327 二重桷 二重桷 二重桷の棟ぞりの具合が
327 ズミ ずみ 桷をけずる清右衛門に
327 セン せん すべて栓である
327 枡ガタ 枡がた 枡がたや桷はいっさい五寸釘もつかわず
328 カンナ屑 カンナ屑 カンナ屑の中を走りまわって
328 木っ端 大工は木っ端一つけずる時にも
328 大工 大工 大工は木っ端一つけずる時にも
329 朽木 朽木 朽木のようにしかみえぬ古材を
329 古材 古材 朽木のようにしかみえぬ古材を
334 宮大工 宮大工 宮大工という仕事は
334 大工 大工 高う売りつけるような大工は下の下や
334 大工 大工 ふつうの大工はそんな勿体ないことはせん
335 大工 大工 大工仕事をおぼえ
335 宮大工 宮大工 宮大工の技術を修得したわけだが
336 軒にほぞ穴をあけるべく
337 下見 下見 シタミ板が打てて
337 床板 床板 床板を急いで四分の一だけ張った
337 クヌギ 陽あたりのよい櫟林だった
339 宮大工 宮大工 宮大工の血が多少は入っていたものか
339 棕梠縄 棕梠縄 棕梠縄でくくりつけている時である
339 木っ端 木っ端をおいて
341 谷奥の椎の根に出る
341 木っ端 木っ端の上にならべる
341 シイ 谷奥の椎の根に出る
341 木材 木材 木材の上にすわるのを
344 二重桷 二重桷 檜をつかっての二重桷など
344 柱も丸く
344 ヒノキ 檜をつかっての二重桷など
344 長押 長押 長押の彫り物や
344 ナシ 梨棚まで見物にきた
344 ナシ 梨棚の手前からのぞく
344 宮大工 宮大工 宮大工の仕事というものは
345 あの板には、木の目の印刷がしてある
345 あれは木でのうて
345 木のようにみせかけた
345 合成板 合成板 合成板にすっかりつくりかえとる
345 古板 古板 古材も、古板も洗ってけずれば
345 材料屋 材料屋 材料屋から有毒板を仕入れるようになる
345 古材 古材 古材も、古板も洗ってけずれば
345 大工 大工 心ない大工は
345 建材商 建材商 いまの建材商は
345 合成板 合成板 合成板の縞タイルが
345 有毒板 材料屋から有毒板を仕入れるようになる
345 木の目 あの板には、木の目の印刷がしてある
346 一本造リ 一本造り 一本造りの阿弥陀様も彫り
346 板の上でコテを器用にうごかしながら
348 木やりくずし 得意の木やりくずしを唄い
348 シイ 奥の谷の椎の洞から
348 ツツジ つつじ つつじも、もちも、楓も、松も植えてみせると
348 モチ もち つつじも、もちも、楓も、松も植えてみせると
348 マツ つつじも、もちも、楓も、松も植えてみせると
348 カエデ つつじも、もちも、楓も、松も植えてみせると
349 ナシ 梨畑の棚が海のようにひろがって
353 奇妙な根の国の世界をみたのは
353 サクラ 大さくら 大桜と椎の抱きあった
353 しずかに根を張っている巨木の下に
353 シイ 大桜と椎の抱きあった
353 巨木 巨木 しずかに根を張っている巨木の下に
353 箒をさかさまにしたような根が
353 巨木 巨木 巨木の根かと思われる
353 巨木の根かと思われる
354 大工道具 大工道具 大工道具もちゃんともち
354 下見 下見 寺のシタミ打ちの普請場から
355 巨木 巨木 いままで頭上にあった巨木の根は
355 いままで頭上にあった巨木の根は
  1. ブンナよ、木からおりてこい
  2. 越前竹人形
  3. 雁の寺
  4. 五番町夕霧楼
  5. 凩(こがらし)
  6. 櫻守
  7. 飢餓海峡
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