飢餓海峡(上) |
10 |
棒 |
棒 |
大きな波をかぶって棒を倒したようにみえる桟橋 |
飢餓海峡(上) |
13 |
木の葉 |
木の葉 |
木の葉のようにいくつもの死体がうちあげられていた。 |
飢餓海峡(上) |
15 |
木椅子 |
木椅子 |
タタキの木椅子に腰を下ろした。 |
飢餓海峡(上) |
29 |
樹木 |
樹木 |
杉皮ぶきの粗末な本堂の屋根が、落葉した樹木の合間に望まれることがあっても、 |
飢餓海峡(上) |
29 |
杉皮 |
杉皮ぶき |
杉皮ぶきの粗末な本堂の屋根が、落葉した樹木の合間に望まれることがあっても、 |
飢餓海峡(上) |
29 |
落葉 |
落葉 |
杉皮ぶきの粗末な本堂の屋根が、落葉した樹木の合間に望まれることがあっても、 |
飢餓海峡(上) |
34 |
ザクロ |
ザクロ口 |
すりむけた肌が割れたザクロ口から桃いろの肉腫をふきあがらせている。 |
飢餓海峡(上) |
34 |
柱 |
柱 |
焼け落ちてくる柱が頭に当たって、 |
飢餓海峡(上) |
34 |
柱 |
柱 |
くすぶっている長押や柱が黒焦げの骸(むくろ)をさらしたままつっ立っている中から、 |
飢餓海峡(上) |
34 |
長押 |
長押 |
くすぶっている長押や柱が黒焦げの骸(むくろ)をさらしたままつっ立っている中から、 |
飢餓海峡(上) |
34 |
桃いろ |
桃いろ |
すりむけた肌が割れたザクロ口から桃いろの肉腫をふきあがらせている。 |
飢餓海峡(上) |
34 |
木枯らし |
木枯らし |
木枯らしがふいていた。 |
飢餓海峡(上) |
36 |
薪 |
薪割り |
柄の付いた薪割りが出てきた、 |
飢餓海峡(上) |
36 |
板 |
板囲い |
焼け跡に板囲いをめぐらせただけの |
飢餓海峡(上) |
36 |
林業 |
林業 |
日頃の行動を林業会社の赤松さんからきいてみました。 |
飢餓海峡(上) |
36 |
林業 |
林業 |
駅前にある林業会社の事務員をしていたが、 |
飢餓海峡(上) |
38 |
敷居 |
敷居 |
息子を部屋の敷居ぎわで、 |
飢餓海峡(上) |
44 |
板塀 |
黒板塀 |
黒板塀に囲まれた、大きな土蔵をもった |
飢餓海峡(上) |
44 |
林業 |
林業 |
林業会社につとめていた息子の弥助は、 |
飢餓海峡(上) |
46 |
薪 |
薪割り |
次男は、薪割りを持ち出し、 |
飢餓海峡(上) |
46 |
柱 |
柱 |
焼け残った柱やトタンをつなぎ合わせた掘立小屋に、 |
飢餓海峡(上) |
49 |
敷居 |
敷居 |
由枝が三畳の敷居に立っていて、 |
飢餓海峡(上) |
51 |
黒檀 |
黒檀 |
うす明るい電球の下で黒檀の机をはさんで座ると、 |
飢餓海峡(上) |
51 |
敷居 |
敷居 |
男は敷居をまたいで、タタキの上に泥のはね上がった靴先を合わせた。 |
飢餓海峡(上) |
55 |
木樵 |
木樵 |
これは、婦負郡の木樵の次男でして、山仕事で |
飢餓海峡(上) |
67 |
板 |
洗濯板 |
店にあった洗濯板で撲(なぐ)りつけ、昏倒(こんとう)させ、 |
飢餓海峡(上) |
77 |
戸板 |
戸板 |
木目の出た玄関の柱や戸板が、昔のにぎわった頃の名残りをとどめているような |
飢餓海峡(上) |
77 |
柱 |
柱 |
木目の出た玄関の柱や戸板が、昔のにぎわった頃の名残りをとどめているような |
飢餓海峡(上) |
77 |
木目 |
木目 |
木目の出た玄関の柱や戸板が、昔のにぎわった頃の名残りをとどめているような |
飢餓海峡(上) |
78 |
板の間 |
板の間 |
玄関横の板の間のせまい応援と客待ちをかねた部屋へ |
飢餓海峡(上) |
78 |
木 |
木椅子 |
寒々した木椅子に二人を招じるとお茶をだした。 |
飢餓海峡(上) |
80 |
鴨居 |
鴨居 |
竹の間の鴨居に頭を打って怒っておられましたが、 |
飢餓海峡(上) |
86 |
板塀 |
黒板塀 |
渋い黒板塀をめぐらせた庭木の多い家だとか |
飢餓海峡(上) |
105 |
ヒバ |
ヒバ林 |
ヒバ林の樹間にとびとびに見えはじめた時、 |
飢餓海峡(上) |
105 |
原始林 |
原始林 |
いかにも、背後の原始林から飛び出してきたばかれり |
飢餓海峡(上) |
105 |
原始林 |
混成原始林 |
濃緑色の混成原始林がつづいていた。 |
飢餓海峡(上) |
105 |
樹間 |
樹間 |
ヒバ林の樹間にとびとびに見えはじめた時、 |
飢餓海峡(上) |
105 |
木樵 |
木樵 |
木樵が通るぐらいのあるかなしかの細い道が |
飢餓海峡(上) |
106 |
漆 |
漆 |
横這いになって漆をとかしたようにしげっていた。 |
飢餓海峡(上) |
106 |
杉皮 |
杉皮 |
すべて杉皮や檜皮(ひわだ)でふいた粗末なものばかり。 |
飢餓海峡(上) |
106 |
檜皮 |
檜皮 |
すべて杉皮や檜皮(ひわだ)でふいた粗末なものばかり。 |
飢餓海峡(上) |
109 |
ヒバ |
ヒバ |
陽がヒバの枝のとび出た山のはなにかげると、 |
飢餓海峡(上) |
109 |
材木 |
材木 |
材木のならんだ森林軌道の出発点へきた。 |
飢餓海峡(上) |
109 |
枝 |
枝 |
陽がヒバの枝のとび出た山のはなにかげると、 |
飢餓海峡(上) |
109 |
森林 |
森林軌道 |
材木のならんだ森林軌道の出発点へきた。 |
飢餓海峡(上) |
109 |
板囲 |
板囲 |
木目の出た板囲いの、ほんの粗末なバラックが |
飢餓海峡(上) |
109 |
木の根 |
木の根 |
伐採した木の根がにょきにょきと土くれをつけたまま |
飢餓海峡(上) |
109 |
木目 |
木目 |
木目の出た板囲いの、ほんの粗末なバラックが |
飢餓海峡(上) |
115 |
営林署 |
営林署 |
深い山は、営林署の役人兼木樵が伐採に従業して |
飢餓海峡(上) |
115 |
森林 |
森林鉄道 |
新しい森林鉄道に連絡していた。 |
飢餓海峡(上) |
115 |
森林 |
森林軌道 |
森林軌道一本しか通らない死んだ様な部落が |
飢餓海峡(上) |
115 |
杉皮 |
杉皮 |
杉皮のひしゃげたような小舎がとびとびに |
飢餓海峡(上) |
115 |
貯木場 |
貯木場 |
畑の部落は、貯木場のある広場をかかり口にして |
飢餓海峡(上) |
115 |
木樵 |
兼木樵 |
深い山は、営林署の役人兼木樵が伐採に従業して |
飢餓海峡(上) |
116 |
森林 |
森林軌道 |
到着したばかりの森林軌道の機関車の音が静止すると、 |
飢餓海峡(上) |
116 |
木樵 |
木樵 |
ただ近在の百姓や木樵どもが、痛めた足をいやしたり、 |
飢餓海峡(上) |
123 |
材木 |
材木 |
仕事をしている時に材木にでもはさまれた傷だろう。 |
飢餓海峡(上) |
123 |
板 |
おちた板 |
飯粒のおちた板の上に手をさしのべていた。 |
飢餓海峡(上) |
124 |
木 |
木 |
ちょつと山でぶっ倒れた木に当たったンや」 |
飢餓海峡(上) |
125 |
森林 |
森林軌道 |
本線の中は森林軌道とちがつて客は混んでいた。 |
飢餓海峡(上) |
126 |
材木場 |
材木場 |
山の材木場で檜材の皮むきをしていた母が下敷きになって |
飢餓海峡(上) |
127 |
皮むき |
皮むき |
山の材木場で檜材の皮むきをしていた母が下敷きになって |
飢餓海峡(上) |
129 |
節 |
節の出た |
二階の割部屋は節の出た細い柱の四畳半でアナリティクスった。 |
飢餓海峡(上) |
129 |
柱 |
細い柱 |
二階の割部屋は節の出た細い柱の四畳半でアナリティクスった。 |
飢餓海峡(上) |
134 |
森林 |
森林軌道 |
畑の森林軌道へ、ひょつこり乗りこんできた男、 |
飢餓海峡(上) |
135 |
柱 |
柱 |
あけ放った障子と柱のあいだに釜を伏せたような高い山がそびえている。 |
飢餓海峡(上) |
137 |
営林署 |
営林署 |
「営林署の手伝いやら、山持ちの家にやとわれていって木を伐る仕事よ。 |
飢餓海峡(上) |
137 |
木 |
木 |
「営林署の手伝いやら、山持ちの家にやとわれていって木を伐る仕事よ。 |
飢餓海峡(上) |
137 |
木樵 |
木樵 |
「おやじさん何してるの」「木樵」 |
飢餓海峡(上) |
145 |
クリ |
橙色の栗 |
紅葉した山裾は橙色の栗の葉や、欅の葉で埋まっている。 |
飢餓海峡(上) |
145 |
ケヤキ |
欅の葉 |
紅葉した山裾は橙色の栗の葉や、欅の葉で埋まっている。 |
飢餓海峡(上) |
145 |
紅葉 |
紅葉 |
紅葉した山裾は橙色の栗の葉や、欅の葉で埋まっている。 |
飢餓海峡(上) |
145 |
葉 |
欅の葉 |
紅葉した山裾は橙色の栗の葉や、欅の葉で埋まっている。 |
飢餓海峡(上) |
145 |
葉 |
葉 |
紅葉した山裾は橙色の栗の葉や、欅の葉で埋まっている。 |
飢餓海峡(上) |
146 |
行李 |
行李 |
行李の夏着のあいだへ新聞紙に |
飢餓海峡(上) |
147 |
行李 |
行李 |
行李の札束は誰がに取りれせられてしまう。 |
飢餓海峡(上) |
147 |
根堀葉堀 |
根堀葉堀り |
根堀葉堀り、男のことをきく。 |
飢餓海峡(上) |
147 |
製材工場 |
製材工場 |
製材工場や砂鉄工場へくる闇承認が多い、 |
飢餓海峡(上) |
147 |
柱 |
柱 |
柱も天井も、押入れの襖も、 |
飢餓海峡(上) |
148 |
檜皮 |
檜皮 |
大小の石が檜皮の傾斜に無数に敷きならべてある。 |
飢餓海峡(上) |
149 |
松板 |
松板 |
粗末な松板を釘で打ち付けただけの建物だ。 |
飢餓海峡(上) |
149 |
板屋 |
板屋 |
四角い穴が板屋の上にあいている。 |
飢餓海峡(上) |
149 |
木 |
木の段 |
湯垢のついた木の段を下りて |
飢餓海峡(上) |
152 |
ヒノキ |
檜 |
営林署の伐採に雇われていって、檜の皮むきをしていて、材木の下に押し倒された |
飢餓海峡(上) |
152 |
営林署 |
営林署 |
営林署の伐採に雇われていって、檜の皮むきをしていて、材木の下に押し倒された |
飢餓海峡(上) |
152 |
材木 |
材木 |
営林署の伐採に雇われていって、檜の皮むきをしていて、材木の下に押し倒された |
飢餓海峡(上) |
152 |
皮むき |
皮むき |
営林署の伐採に雇われていって、檜の皮むきをしていて、材木の下に押し倒された |
飢餓海峡(上) |
156 |
材木 |
材木 |
ここへこくる途中の材木のあった村ですか」 |
飢餓海峡(上) |
156 |
板囲 |
板囲 |
浴室の古びた天井や、。粗末な板囲いを眺めまわしている。 |
飢餓海峡(上) |
159 |
ヒバ |
ヒバ林 |
ヒバ林の梢がなつかしく思われた。 |
飢餓海峡(上) |
159 |
ヤマブキ |
山蕗 |
道端の山蕗(やまぶき)の背の高い葉っぱや、 |
飢餓海峡(上) |
159 |
葉 |
葉っぱ |
道端の山蕗(やまぶき)の背の高い葉っぱや、 |
飢餓海峡(上) |
162 |
製材所 |
製材所 |
川内の製材所にきたなだといってました。 |
飢餓海峡(上) |
163 |
材木 |
材木 |
川内の製材工場に知合いがいて、材木の仲買にきたんだといってました。 |
飢餓海峡(上) |
163 |
製材 |
製材工場 |
川内の製材工場に知合いがいて、材木の仲買にきたんだといってました。 |
飢餓海峡(上) |
164 |
製材 |
製材工場 |
川内の製材工場へきた人でしたか。 |
飢餓海峡(上) |
168 |
製材 |
製材工場 |
川内の製材工場へ木材を買いにきた工藤という男だろう。 |
飢餓海峡(上) |
172 |
木材 |
浮遊木材 |
柱やその他の浮遊木材にこっぴどく額を |
飢餓海峡(上) |
175 |
そまぶき |
そまぶき |
浜近い松林のわきにあるひしゃげたようなそまぶきのその家へすっ飛んだ。 |
飢餓海峡(上) |
175 |
松林 |
松林 |
浜近い松林のわきにあるひしゃげたようなそまぶきのその家へすっ飛んだ。 |
飢餓海峡(上) |
185 |
材木 |
材木買い |
大男が川内の製材工場へ材木買いにきた工藤という |
飢餓海峡(上) |
185 |
製材 |
製材工場 |
大男が川内の製材工場へ材木買いにきた工藤という |
飢餓海峡(上) |
188 |
カエデ |
真赤な楓 |
濃緑のヒバの樹間に絵具をまき散らしたように真赤な楓があった。 |
飢餓海峡(上) |
188 |
ヒバ |
ヒバ |
濃緑のヒバの樹間に絵具をまき散らしたように真赤な楓があった。 |
飢餓海峡(上) |
188 |
ヒバ |
ヒバ林 |
やがて深いヒバ林へ気動車は入っていった。 |
飢餓海峡(上) |
188 |
材木 |
材木 |
くさりのついた材木積載用の鉄枠につかまりながら、 |
飢餓海峡(上) |
188 |
樹間 |
樹間 |
濃緑のヒバの樹間に絵具をまき散らしたように真赤な楓があった。 |
飢餓海峡(上) |
190 |
ヒバ |
ヒバ林 |
山道は暗いヒバ林に入ったが。林をぬけると急に視界がひられた。 |
飢餓海峡(上) |
190 |
林 |
林 |
山道は暗いヒバ林に入ったが。林をぬけると急に視界がひられた。 |
飢餓海峡(上) |
191 |
営林署 |
営林署 |
営林署の木樵か、それとも薪造りに入りこんだ村人 |
飢餓海峡(上) |
191 |
木樵 |
木樵 |
営林署の木樵か、それとも薪造りに入りこんだ村人 |
飢餓海峡(上) |
193 |
原始林 |
原始林 |
岩壁の断崖をはずれた深い原始林の下でして、 |
飢餓海峡(上) |
194 |
マツ |
松の根 |
松の根を集めてくるのが弓坂たちの仕事だった。 |
飢餓海峡(上) |
194 |
根 |
松の根 |
松の根を集めてくるのが弓坂たちの仕事だった。 |
飢餓海峡(上) |
194 |
松根 |
松根 |
松根の切株を堀おこす作業をはじめる前に、 |
飢餓海峡(上) |
194 |
切株 |
切株 |
松根の切株を堀おこす作業をはじめる前に、 |
飢餓海峡(上) |
196 |
杉皮 |
杉皮 |
杉皮や檜皮の上に石を置いた人家がいま、 |
飢餓海峡(上) |
198 |
国有林 |
国有林 |
あすこらあたりは国有林ですし、 |
飢餓海峡(上) |
198 |
薪 |
薪造り |
しかし、薪造りにいっても、 |
飢餓海峡(上) |
198 |
薪 |
薪盗み |
薪盗みにはいっとることがばれちゃいけんので |
飢餓海峡(上) |
198 |
薪 |
薪造り |
薪造りによゆく人はあります。しかし、 |
飢餓海峡(上) |
198 |
木樵 |
木樵 |
山の方からきた木樵じゃないかと思うんです。 |
飢餓海峡(上) |
198 |
檜皮 |
檜皮 |
杉皮や檜皮の上に石を置いた人家がいま、 |
飢餓海峡(上) |
199 |
営林署 |
営林署 |
「営林署へはたずねてくれましたかね」 |
飢餓海峡(上) |
200 |
フジ |
藤 |
藤のまきついた巨木が枝をさしのべているうす暗い |
飢餓海峡(上) |
200 |
巨木 |
巨木 |
藤のまきついた巨木が枝をさしのべているうす暗い |
飢餓海峡(上) |
200 |
混成林 |
混成林 |
深い常緑樹の混成林としかみえない。 |
飢餓海峡(上) |
200 |
枝 |
枝 |
藤のまきついた巨木が枝をさしのべているうす暗い |
飢餓海峡(上) |
200 |
常緑樹 |
常緑樹 |
深い常緑樹の混成林としかみえない。 |
飢餓海峡(上) |
200 |
木樵 |
木樵 |
木樵と沖仲仕だよ。 |
飢餓海峡(上) |
205 |
ヒバ |
ヒバ林 |
北に寄ったヒバ林の中を三人の警官は汗だくになって |
飢餓海峡(上) |
206 |
クスノキ |
楠 |
ヒバ林は、もみと楠の密生した原始林にかわった。 |
飢餓海峡(上) |
206 |
ヒバ |
ヒバ林 |
ヒバ林は、もみと楠の密生した原始林にかわった。 |
飢餓海峡(上) |
206 |
マツ |
黒松 |
暗い原生林がてたたび、黒松の入りまじった疎らな林となる地点 |
飢餓海峡(上) |
206 |
原始林 |
原始林 |
ヒバ林は、もみと楠の密生した原始林にかわった。 |
飢餓海峡(上) |
206 |
原生林 |
原生林 |
暗い原生林がてたたび、黒松の入りまじった疎らな林となる地点 |
飢餓海峡(上) |
206 |
樹海 |
樹海 |
樹海のどこで火が焚かれたか。 |
飢餓海峡(上) |
206 |
木 |
木 |
伐採した木を出すと時に、木馬(きんま)を名残りであった。 |
飢餓海峡(上) |
206 |
木樵 |
木樵 |
木樵の歩く道があった。 |
飢餓海峡(上) |
206 |
木馬( |
木馬( |
伐採した木を出すと時に、木馬(きんま)を名残りであった。 |
飢餓海峡(上) |
206 |
林 |
林 |
暗い原生林がてたたび、黒松の入りまじった疎らな林となる地点 |
飢餓海峡(上) |
207 |
丸太 |
丸太 |
太い材木や、丸太の類を焼いたのであろう。 |
飢餓海峡(上) |
207 |
丸太 |
丸太 |
炭になった丸太や、半燃えのままのものものこっている。 |
飢餓海峡(上) |
207 |
枯葉 |
枯葉 |
まわりの枯葉がすっかり焼けている。 |
飢餓海峡(上) |
207 |
材木 |
材木 |
太い材木や、丸太の類を焼いたのであろう。 |
飢餓海峡(上) |
207 |
炭 |
炭 |
炭になった丸太や、半燃えのままのものものこっている。 |
飢餓海峡(上) |
207 |
木 |
木 |
木を伐りにきた男たちが、ここで昼飯でも |
飢餓海峡(上) |
208 |
丸太 |
丸太 |
この丸太だって、あとから燃やして、 |
飢餓海峡(上) |
208 |
板 |
板 |
くさびを打って、板が組合せてあるんだ。 |
飢餓海峡(上) |
209 |
梢 |
梢 |
梢の向う側にみえる津軽海峡を眺めた。 |
飢餓海峡(上) |
209 |
棒 |
棒 |
うす鼠の棒を倒したようにみえてくる。 |
飢餓海峡(上) |
209 |
木樵 |
木樵 |
焚火した営林署の木樵さんがいたかどうかを、 |
飢餓海峡(上) |
210 |
樹間 |
樹間 |
灰のついた棒きれを大きく振り回しながら、樹間を |
飢餓海峡(上) |
210 |
棒きれ |
棒きれ |
灰のついた棒きれを大きく振り回しながら、樹間を |
飢餓海峡(上) |
210 |
和船 |
和船 |
三人の男が和船を漕いでゆく姿 |
飢餓海峡(上) |
211 |
キリ |
桐 |
下北の桐も枯れていたな、 |
飢餓海峡(上) |
211 |
キリ |
桐畑 |
坂の途中に、桐畑があった。 |
飢餓海峡(上) |
211 |
枯葉 |
枯葉 |
橙色に変色した大きな枯葉が、 |
飢餓海峡(上) |
211 |
橙色 |
橙色 |
橙色に変色した大きな枯葉が、 |
飢餓海峡(上) |
212 |
格子戸 |
格子戸 |
格子戸をあけて、次男が走り出てきた。 |
飢餓海峡(上) |
213 |
格子戸 |
格子戸 |
格子戸をあけて敷居をまたぐと、いつものことながら、 |
飢餓海峡(上) |
213 |
敷居 |
敷居 |
格子戸をあけて敷居をまたぐと、いつものことながら、 |
飢餓海峡(上) |
232 |
棒杭 |
棒杭 |
棒杭か、舟のどこかに頭を打ち付けたって |
飢餓海峡(上) |
233 |
敷居 |
敷居 |
弓坂は敷居をまたいでから不機嫌になった。 |
飢餓海峡(上) |
240 |
白木 |
白木 |
白木の木の目をみせ、土塊の湿気を吸いとって、 |
飢餓海峡(上) |
240 |
木 |
木の目 |
白木の木の目をみせ、土塊の湿気を吸いとって、 |
飢餓海峡(上) |
245 |
製材 |
製材工場 |
川内の製材工場に木材の商売をしてきた工藤という男だと |
飢餓海峡(上) |
245 |
製材 |
工場 |
川内の製材工場へ工藤という男がきたかどうかも |
飢餓海峡(上) |
245 |
木材 |
木材 |
川内の製材工場に木材の商売をしてきた工藤という男だと |
飢餓海峡(上) |
246 |
クルミ |
クルミ |
所長はクルミの実でつくったような褐色の数珠を |
飢餓海峡(上) |
252 |
敷居 |
敷居 |
そそくさと敷居を跨いで表に出ていく。 |
飢餓海峡(上) |
260 |
ケヤキ |
欅の木 |
大きな欅の木のある神社裏の空地と地つづき |
飢餓海峡(上) |
260 |
建築材 |
建築材 |
建築材の仕入れに立ち寄った |
飢餓海峡(上) |
260 |
杉垣 |
杉垣 |
ブロック塀や杉垣にかこまれた古い家が |
飢餓海峡(上) |
260 |
製材 |
製材 |
木材の町として有名でもありますから、製材関係業者の出入りは激しいので |
飢餓海峡(上) |
260 |
製材工場 |
製材工場 |
大小合わせて製材工場は一七あり、 |
飢餓海峡(上) |
260 |
木材 |
木材 |
木材を買いにかたという工場は一軒もなかった |
飢餓海峡(上) |
260 |
木材 |
木材 |
木材の町として有名でもありますから、製材関係業者の出入りは激しいので |
飢餓海峡(上) |
261 |
国有林 |
国有林 |
ご存じのように国有林内で火を焚くということは |
飢餓海峡(上) |
261 |
製材 |
製材業者 |
製材業者以外に、外食券食堂、 |
飢餓海峡(上) |
261 |
木 |
木 |
木を買ったあとで立寄ったか、 |
飢餓海峡(上) |
261 |
木 |
木 |
あるいは木を買う前に立ち寄ったかで |
飢餓海峡(上) |
261 |
木材店 |
木材店 |
十七軒の木材店のどこかでおぼえていなければらならいと |
飢餓海峡(上) |
261 |
木樵 |
木樵 |
村人や木樵の中にも該当者はありません。 |
飢餓海峡(上) |
270 |
営林署 |
営林署 |
タバコま火一つつけるにも注意をするということを営林署は報告してきているそうです。 |
飢餓海峡(上) |
270 |
森林 |
森林 |
森林軌道にのって川内へ下ったという |
飢餓海峡(上) |
272 |
森林 |
森林 |
森林軌道にのり、畑にきて、 |
飢餓海峡(上) |
275 |
シタミ |
シタミ |
ちゃんと板が額ぶちに打ち止めてある。シタミもこまかくならべてある。 |
飢餓海峡(上) |
275 |
大工 |
大工 |
ところどころに大工の入っているカナヅチの音がしているが、 |
飢餓海峡(上) |
275 |
板 |
新しい板 |
そこだれが木目の新しい板をつかったバラックであった。 |
飢餓海峡(上) |
275 |
板 |
板 |
ちゃんと板が額ぶちに打ち止めてある。シタミもこまかくならべてある。 |
飢餓海峡(上) |
275 |
木目 |
木目 |
そこだれが木目の新しい板をつかったバラックであった。 |
飢餓海峡(上) |
279 |
ヤツデ |
八つ手 |
やせた八つ手の葉超しにみた。 |
飢餓海峡(上) |
291 |
杉皮 |
杉皮 |
三畳くらいの板の間がある杉皮ぶきのひゃげたような家だった |
飢餓海峡(上) |
291 |
杉皮 |
杉皮 |
杉皮の上には蒼いこけが生えていて、 |
飢餓海峡(上) |
291 |
板 |
板の間 |
三畳くらいの板の間がある杉皮ぶきのひゃげたような家だった。 |
飢餓海峡(上) |
291 |
木小舎 |
木小舎 |
まるで木小舎(きごや)のような家だった。 |
飢餓海峡(上) |
291 |
木樵 |
木樵 |
木樵をして暮らしても、あのような粗末な家に |
飢餓海峡(上) |
299 |
街路樹 |
街路樹 |
舗道の街路樹の下に筵を敷いて、 |
飢餓海峡(上) |
317 |
フシ |
フシ |
フシのある板でつくったカウンターがあって、その前に同じ木で造った椅子がおいてある。 |
飢餓海峡(上) |
317 |
板 |
板 |
フシのある板でつくったカウンターがあって、その前に同じ木で造った椅子がおいてある。 |
飢餓海峡(上) |
317 |
木 |
木 |
フシのある板でつくったカウンターがあって、その前に同じ木で造った椅子がおいてある。 |
飢餓海峡(上) |
319 |
うす板 |
うす板 |
うす板鏡の四畳半に通されたが、 |
飢餓海峡(上) |
322 |
フシ |
フシ |
フシのある二分板で仕切られていたが、 |
飢餓海峡(上) |
322 |
二分板 |
二分板 |
フシのある二分板で仕切られていたが、 |
飢餓海峡(上) |
333 |
板 |
板 |
板の上をふきんで拭きはじめたが、 |
飢餓海峡(上) |
342 |
ベニア板 |
ベニア板 |
この四畳半の俄(にわか)建築のベニア板を橙色に染めている。 |
飢餓海峡(上) |
348 |
木 |
木椅子 |
木椅子に腰を落とし、新聞をよんでした。 |
飢餓海峡(上) |
350 |
ベニヤ板 |
ベニヤ板 |
ベニヤ板境の台所にいる利七の鼻をすする音 |
飢餓海峡(上) |
351 |
格子 |
格子 |
格子の音をたてて表に出ていった。 |
飢餓海峡(上) |
359 |
行李 |
行李 |
行李のフタをしめ、知らん顔をしている。 |
飢餓海峡(上) |
360 |
下見板 |
シタミ板 |
天井はシタミ板が倹約されているので、 |
飢餓海峡(上) |
360 |
材木屋 |
材木屋 |
大きな材木屋があった。貯木場のわきに、ぎっしりバラックが詰まっている。 |
飢餓海峡(上) |
360 |
貯木場 |
貯木場 |
大きな材木屋があった。貯木場のわきに、ぎっしりバラックが詰まっている。 |
飢餓海峡(上) |
364 |
板壁 |
板壁 |
のれんの下がった板壁の向こうで、 |
飢餓海峡(上) |
380 |
行李 |
行李 |
行李をひきよせフタをあけた。 |
飢餓海峡(上) |
380 |
板 |
板廊下 |
板廊下のようなせまい道を歩くと、 |
飢餓海峡(上) |
382 |
ジャングル |
ジャングル |
ジャングルの路地をいく曲りも曲がって |
飢餓海峡(上) |
386 |
根 |
根ほり葉ほり |
あの刑事は根ほり葉ほり訊いたよ」 |
飢餓海峡(上) |
386 |
葉 |
根ほり葉ほり |
あの刑事は根ほり葉ほり訊いたよ」 |
飢餓海峡(上) |
388 |
梯子 |
梯子 |
梯子をのぼりながら。 |
飢餓海峡(上) |
389 |
根 |
根堀り葉堀り |
刑事はそれを根堀り葉堀り訊いたにちがいないのであった。 |
飢餓海峡(上) |
389 |
葉 |
根堀り葉堀り |
刑事はそれを根堀り葉堀り訊いたにちがいないのであった。 |
飢餓海峡(上) |
398 |
営林署 |
営林署 |
営林署の下請けで出ていたんだけど、木を出す時に膝を打って神経をいためてから |
飢餓海峡(上) |
398 |
木 |
木 |
営林署の下請けで出ていたんだけど、木を出す時に膝を打って神経をいためてから |
飢餓海峡(上) |
400 |
木場 |
深川木場 |
もともと、この町は深川木場や、 |
飢餓海峡(上) |
403 |
木 |
木 |
おかみはタタキからニスを塗った木のついたての向こう側にゆくと、 |
飢餓海峡(上) |
410 |
営林署 |
営林署 |
お父さんと一しょに営林署の下請け仕事に出て |
飢餓海峡(上) |
410 |
炭 |
炭 |
木を出すか、炭を焼くしか仕事がありません」 |
飢餓海峡(上) |
410 |
木 |
木 |
木の下敷きににった母が、 |
飢餓海峡(上) |
410 |
木 |
木 |
木を出すか、炭を焼くしか仕事がありません」 |
飢餓海峡(上) |
411 |
森林 |
森林軌道 |
そこから森林軌道は乗って三時間も奥へ入るんです |
飢餓海峡(上) |
414 |
棟 |
棟 |
建物はそり棟の新建築で、 |
飢餓海峡(上) |
416 |
営林署 |
営林署 |
すでに営林署の下請けで山へ行くことはやめて、 |
飢餓海峡(上) |
418 |
柳行李 |
柳行李 |
柳行李と風呂敷包みを一つもった八重は、 |
飢餓海峡(上) |
423 |
大工 |
大工 |
焼け跡に建ちはじめているパラックの大工さんたちの仕事を |
飢餓海峡(上) |
427 |
営林署 |
営林署 |
お父ちゃんはもう営林署へは出られなくなったし、 |
飢餓海峡(上) |
444 |
木 |
木の橋 |
平桟橋という長い木の橋が設けてあって、 |
飢餓海峡(上) |
448 |
柳行李 |
柳行李 |
一〇年前からもっている古ぼけた柳行李の底にしまっていたが、 |
飢餓海峡(上) |
462 |
根太 |
根太 |
根太のくさりかけたこの家を、土台からやりなおすとんると、 |
飢餓海峡(上) |
462 |
土台 |
土台 |
根太のくさりかけたこの家を、土台からやりなおすとんると、 |
飢餓海峡(上) |
462 |
柳行李 |
柳行李 |
すぐ柳行李を取り出し、ゆつくり蓋をあけて |
飢餓海峡(上) |
472 |
柱 |
柱 |
古ぼけた大きな柱が煤けていて、 |
飢餓海峡(上) |
478 |
床の間 |
床の間 |
部屋の床の間の隅にのこした。 |
飢餓海峡(上) |
479 |
植込 |
植込 |
かなり密生した植込みがあり、 |
飢餓海峡(上) |
480 |
格子 |
格子 |
どの家も格子づくりのしもた屋風につくられているのだが、 |
飢餓海峡(上) |
480 |
木目 |
木目 |
まだ木目のみえる新しい看板がかかっている。 |
飢餓海峡(上) |
484 |
マツ |
松の木 |
大きな植木がみえたし、枝ぶりのいい松の木も生えている。 |
飢餓海峡(上) |
484 |
枝 |
枝ぶり |
大きな植木がみえたし、枝ぶりのいい松の木も生えている。 |
飢餓海峡(上) |
484 |
樹 |
樹 |
大きな樹の下の家なので、 |
飢餓海峡(上) |
484 |
植木 |
植木 |
大きな植木がみえたし、枝ぶりのいい松の木も生えている。 |
飢餓海峡(上) |
485 |
巨木 |
巨木 |
巨木を一本倒したような木目の出た黒い門の敷居をまたいだ。 |
飢餓海峡(上) |
485 |
敷居 |
敷居 |
巨木を一本倒したような木目の出た黒い門の敷居をまたいだ。 |
飢餓海峡(上) |
485 |
木目 |
木目 |
巨木を一本倒したような木目の出た黒い門の敷居をまたいだ。 |
飢餓海峡(上) |
490 |
沓脱 |
沓脱 |
一だん高くなった沓脱(くつぬぎ)へあがって、 |
飢餓海峡(上) |
493 |
デコラ板 |
デコラ板 |
新しい茶色のデコラ板のテーブルがあった。 |
飢餓海峡(上) |
506 |
アンズ |
あんず |
鼻腔に通じるあたりにかすかなあんずの花の香りを嗅いだように思った。 |
飢餓海峡(上) |
1147 |
節板 |
節板 |
節板のにならんだ安っぽい |
飢餓海峡(下) |
0 |
柳行李 |
柳行李 |
はい。柳行李一つです。 |
飢餓海峡(下) |
12 |
木 |
木 |
白木の箱に入ってもどってきた夫の姿をみて、 |
飢餓海峡(下) |
13 |
松並木 |
松並木 |
松並木のある浜にさしかかった頃、 |
飢餓海峡(下) |
17 |
松並木 |
松並木 |
松並木の草っ原に新しい |
飢餓海峡(下) |
21 |
松林 |
松林 |
松林へかけこんできた。 |
飢餓海峡(下) |
25 |
森 |
森 |
うしろの観音寺の森に陽が落ちて、 |
飢餓海峡(下) |
26 |
木 |
木 |
木を流しても、よう、岩の間に入りこんで、 |
飢餓海峡(下) |
32 |
マツ |
松の根方 |
大きな松の根方に、その石碑は |
飢餓海峡(下) |
32 |
根方 |
松の根方 |
大きな松の根方に、その石碑は |
飢餓海峡(下) |
35 |
ケヤキ |
欅林 |
裏の欅林で、蝉がはげしく鳴いていた。 |
飢餓海峡(下) |
35 |
植込 |
植込 |
料亭にあるような植込みがあって、 |
飢餓海峡(下) |
49 |
液汁 |
液汁 |
葉は液汁を出して、 |
飢餓海峡(下) |
53 |
樹 |
樹 |
こんもりとした樹の下にでも軀をよせ合って |
飢餓海峡(下) |
53 |
葉 |
葉 |
葉は液汁を出して、 |
飢餓海峡(下) |
78 |
枯木 |
枯木 |
やせ細った枯木のような掌(てのひら)を胸の上に |
飢餓海峡(下) |
93 |
縁側 |
縁側 |
陽当たりのいい縁側に座らせた。 |
飢餓海峡(下) |
97 |
原始林 |
原始林 |
岩石の断崖の上の原始林のような林の中でした。 |
飢餓海峡(下) |
97 |
森林 |
森林軌道 |
川内から森林軌道にのって奥へ入った終点に |
飢餓海峡(下) |
97 |
木樵 |
木樵 |
木樵も、こんな山で火を焚くことはまずないんですよ。 |
飢餓海峡(下) |
97 |
木片 |
木片 |
たしかに木片を焼いた跡がありました。 |
飢餓海峡(下) |
97 |
林 |
林 |
岩石の断崖の上の原始林のような林の中でした。 |
飢餓海峡(下) |
98 |
製材 |
製材工場 |
川内の製材工場へ木を買いにきた工藤とかいう男だったと |
飢餓海峡(下) |
98 |
木 |
木 |
川内の製材工場へ木を買いにきた工藤とかいう男だったと |
飢餓海峡(下) |
98 |
木 |
木 |
おふくろは木の下になって大怪我をして死んで、 |
飢餓海峡(下) |
107 |
棒 |
棒 |
遠くに棒を倒したようにみえる本土の山々が、 |
飢餓海峡(下) |
117 |
キリ |
桐の葉 |
桐の葉が新芽がふいている。 |
飢餓海峡(下) |
117 |
キリ |
桐 |
一本の桐の生えている坂の道を下りて行った。 |
飢餓海峡(下) |
117 |
葉 |
葉 |
手のひらほどのさみどりの葉を、 |
飢餓海峡(下) |
117 |
葉 |
葉 |
その葉の向こうで、海峡は凪いでいた。 |
飢餓海峡(下) |
122 |
紅葉 |
紅葉 |
そこらじゅうの紅葉した山の樹々が、ぱっと、まるで花が咲いた |
飢餓海峡(下) |
122 |
樹々 |
樹々 |
そこらじゅうの紅葉した山の樹々が、ぱっと、まるで花が咲いた |
飢餓海峡(下) |
124 |
木造 |
木造 |
古びた木造建ての庁舎は不気味なほど静寂をたたえている。 |
飢餓海峡(下) |
149 |
枯木 |
枯木 |
枯木のように痩せた軀つきは、それでも元気そうに |
飢餓海峡(下) |
184 |
流木 |
流木 |
流木、その他の汚物なども、 |
飢餓海峡(下) |
186 |
木っ端 |
木っ端 |
木っ端類が流れつくということは、 |
飢餓海峡(下) |
195 |
ジャングル |
ジャングル |
あのような、ジャングルの中で、 |
飢餓海峡(下) |
202 |
杉皮 |
杉皮 |
杉皮ぶきが、藁葺きの屋根の、入母屋の大きな家が多いが、 |
飢餓海峡(下) |
202 |
入母屋 |
入母屋 |
杉皮ぶきが、藁葺きの屋根の、入母屋の大きな家が多いが、 |
飢餓海峡(下) |
202 |
林 |
黒い林 |
竹藪や黒い林を背にしているので、 |
飢餓海峡(下) |
208 |
ケヤキ |
欅の木 |
椎の木と欅の木がまだらに茂った |
飢餓海峡(下) |
208 |
シイノキ |
椎の木 |
椎の木と欅の木がまだらに茂った |
飢餓海峡(下) |
208 |
木材 |
木材 |
おそらく木材を運搬するためにつくった道なのであろうか。 |
飢餓海峡(下) |
209 |
ウルシ |
ウルシ |
森に呑まれるようにして、黒いウルシのようにみえるのは、 |
飢餓海峡(下) |
209 |
スギ |
杉 |
巨大な杉が並木のようにその道を |
飢餓海峡(下) |
209 |
原始林 |
原始林 |
削ぎおとしたような原始林の肌をみせて |
飢餓海峡(下) |
209 |
森 |
森 |
森に呑まれるようにして、黒いウルシのようにみえるのは、 |
飢餓海峡(下) |
209 |
並木 |
並木 |
巨大な杉が並木のようにその道を |
飢餓海峡(下) |
210 |
葉 |
葉 |
青みどりの葉が陽をうけて光っているのは、 |
飢餓海峡(下) |
214 |
杉垣 |
杉垣 |
杉垣をめぐらせたこの家は、 |
飢餓海峡(下) |
214 |
杉皮 |
杉皮 |
かなり大きな杉皮できの鶏舎がある。 |
飢餓海峡(下) |
215 |
枯木 |
枯木 |
枯木のように骨張っている。 |
飢餓海峡(下) |
223 |
敷居 |
敷居 |
と老人は敷居をまたいで、 |
飢餓海峡(下) |
224 |
根太 |
根太 |
根太はくさっとるし、屋根はもうやぶけ放題じゃが、 |
飢餓海峡(下) |
225 |
横木 |
横木 |
長押の横木がくさってまま煤けており、 |
飢餓海峡(下) |
225 |
戸板 |
戸板 |
破れ障子や戸板の類いが |
飢餓海峡(下) |
225 |
薪 |
薪 |
屋根のくずれた薪小舎のような建物があった。 |
飢餓海峡(下) |
225 |
杉垣 |
杉垣 |
杉垣づたいに右の方へ廻った。 |
飢餓海峡(下) |
225 |
長押 |
長押 |
長押の横木がくさってまま煤けており、 |
飢餓海峡(下) |
225 |
敷居 |
敷居 |
唐木は敷居をまたいた。 |
飢餓海峡(下) |
225 |
灌木 |
灌木 |
せり上がる灌木のしげった山裾に |
飢餓海峡(下) |
252 |
あんばい |
あんばい |
まるで狐につままれたようなあんばいでしてな。 |
飢餓海峡(下) |
256 |
桑畑 |
桑畑 |
水田はやがて桑畑にかわった。桑畑の海の向こうに、 |
飢餓海峡(下) |
256 |
桑畑 |
桑畑 |
水田はやがて桑畑にかわった。桑畑の海の向こうに、 |
飢餓海峡(下) |
256 |
棟 |
そり棟 |
そり棟(むね)の大きな伽藍がみえる。 |
飢餓海峡(下) |
257 |
杉垣 |
杉垣 |
杉垣にかこまれた中流程度の農家であった。 |
飢餓海峡(下) |
258 |
縁 |
縁 |
踏み台のある縁は古びてはいたが、 |
飢餓海峡(下) |
258 |
垣根 |
垣根 |
垣根のくぐりをあけた。すると、座敷縁がみえて、 |
飢餓海峡(下) |
277 |
杉垣 |
杉垣 |
破れかけた杉垣がぼろぼろのままだったし、 |
飢餓海峡(下) |
291 |
ベニヤ |
ベニヤ囲い |
四畳半くらいの広さのベニヤ囲いの部屋だが、 |
飢餓海峡(下) |
299 |
あんばい |
あんばい |
いいあんばいに、あの呑み屋街はまだ残っておりましたね、 |
飢餓海峡(下) |
305 |
合成板 |
合成板 |
小さな合成板の卓が五つ並べられている。 |
飢餓海峡(下) |
307 |
床几 |
床几 |
畳一枚ぐらいの床几(しょうぎ)のような台へ、 |
飢餓海峡(下) |
312 |
行李 |
行李 |
屋根裏の行李の中に |
飢餓海峡(下) |
312 |
行李 |
行李 |
その行李の底の方に、 |
飢餓海峡(下) |
314 |
安普請 |
安普請 |
安普請の平べったい家々をさらけ出していた。 |
飢餓海峡(下) |
316 |
行李 |
行李 |
行李の底の方に大事にしまってあった |
飢餓海峡(下) |
320 |
行李 |
行李 |
行李の底にいつまでもそんなものをのこして |
飢餓海峡(下) |
321 |
行李 |
行李 |
何もかもみんな入れた行李をもち帰られました」 |
飢餓海峡(下) |
321 |
行李 |
行李 |
たしかに、行李の底にかくすようにして、 |
飢餓海峡(下) |
327 |
柳行李 |
柳行李 |
弟たちにこの柳行李をあけてみせて、 |
飢餓海峡(下) |
328 |
柳行李 |
柳行李 |
もって帰った柳行李を整理するのは、 |
飢餓海峡(下) |
329 |
マツ |
松材 |
松材のヤニのついた木枠は、手垢によってぴかぴかか光って |
飢餓海峡(下) |
329 |
ヤニ |
ヤニ |
松材のヤニのついた木枠は、手垢によってぴかぴかか光って |
飢餓海峡(下) |
329 |
森林 |
森林軌道 |
森林軌道にのりかえて、畑へ向かった |
飢餓海峡(下) |
329 |
森林 |
森林軌道 |
簡素な森林軌道は、十年前とかわらないものであり、 |
飢餓海峡(下) |
329 |
木枠 |
木枠 |
松材のヤニのついた木枠は、手垢によってぴかぴかか光って |
飢餓海峡(下) |
330 |
そま |
そま |
杉皮かそまでふかれたうすい屋根は、 |
飢餓海峡(下) |
330 |
杉皮 |
杉皮 |
杉皮かそまでふかれたうすい屋根は、 |
飢餓海峡(下) |
330 |
貯木場 |
貯木場 |
広い貯木場のわきを通ると、 |
飢餓海峡(下) |
330 |
木小舎 |
木小舎 |
木小舎のような家なんです。 |
飢餓海峡(下) |
331 |
シタミ板 |
シタミ板 |
杉皮はめくれ上がったようにそっているので、シタミ板がのぞいてみえる。 |
飢餓海峡(下) |
331 |
タモ |
たもの木 |
大きいたもの木の林があり、その陰に、 |
飢餓海峡(下) |
331 |
杉戸 |
杉戸 |
杉戸の家を見つめた。 |
飢餓海峡(下) |
331 |
杉皮 |
杉皮 |
粗末な石置屋根は杉皮がふいてあるが、木陰で陽当たりがわるいから、 |
飢餓海峡(下) |
331 |
杉皮 |
杉皮 |
杉皮はめくれ上がったようにそっているので、シタミ板がのぞいてみえる。 |
飢餓海峡(下) |
331 |
木陰 |
木陰 |
粗末な石置屋根は杉皮がふいてあるが、木陰で陽当たりがわるいから、 |
飢餓海峡(下) |
331 |
木小舎 |
木小舎 |
木小舎などはみあたらない。 |
飢餓海峡(下) |
331 |
林 |
林 |
大きいたもの木の林があり、その陰に、 |
飢餓海峡(下) |
332 |
板戸 |
板戸 |
重い板戸をあけた。 |
飢餓海峡(下) |
332 |
柳行李 |
柳行李 |
おもちかえりになった柳行李の中をあらためさせていたたせきたいと |
飢餓海峡(下) |
333 |
根太 |
根太 |
根太がくさっているのであろうか。 |
飢餓海峡(下) |
334 |
行李 |
行李 |
赤茶けた行李は、角がすり切れていた。 |
飢餓海峡(下) |
334 |
行李 |
行李 |
この行李をおあけになりましたか」 |
飢餓海峡(下) |
334 |
柳行李 |
柳行李 |
ぽつんと古い柳行李が置いてある。 |
飢餓海峡(下) |
334 |
林 |
林 |
すると裏の林の下に、 |
飢餓海峡(下) |
335 |
柳行李 |
柳行李 |
お父さん、その柳行李をあけてみて下さい。 |
飢餓海峡(下) |
336 |
戸 |
戸 |
戸をもう一枚あけてくりませんか |
飢餓海峡(下) |
341 |
森林 |
森林軌道 |
畑から森林軌道に゜のり、川内で下りた時は、 |
飢餓海峡(下) |
341 |
製材所 |
製材所 |
川内の製材所へ工藤という男 |
飢餓海峡(下) |
341 |
柳行李 |
柳行李 |
この八重さんの柳行李から出てきています。 |
飢餓海峡(下) |
344 |
止まり木 |
止まり木 |
安っぽい止まり木のあるカウンターに |
飢餓海峡(下) |
346 |
木彫 |
木彫 |
安全剃刀と、木彫の筆立てが、 |
飢餓海峡(下) |
353 |
材木 |
材木 |
母親が材木の下になって足を折り |
飢餓海峡(下) |
355 |
原始林 |
原始林 |
原始林の中で舟を焼き、 |
飢餓海峡(下) |
357 |
柳行李 |
柳行李 |
見回り品を入れた柳行李の底から、 |
飢餓海峡(下) |
361 |
柳行李 |
柳行李 |
柳行李の底の方に、思い出の品物 |
飢餓海峡(下) |
366 |
菩提寺 |
菩提寺 |
盛大な葬式を菩提寺ですませた |
飢餓海峡(下) |
377 |
行李 |
行李 |
八重の行李のすみにあった |
飢餓海峡(下) |
390 |
そま |
そま |
トタンかそまで屋根をふいている。 |
飢餓海峡(下) |
406 |
菩提寺 |
菩提寺 |
内地の村の菩提樹に帰依しているのであろうか。 |
飢餓海峡(下) |
406 |
菩提寺 |
菩提寺 |
村の菩提寺へ墓まいりに帰る習慣でもあるのか。 |
飢餓海峡(下) |
407 |
デッキ |
デッキ |
魚くさい木箱をいく重いーもかさねてデッキに置き、 |
飢餓海峡(下) |
407 |
木箱 |
木箱 |
魚くさい木箱をいく重いーもかさねてデッキに置き、 |
飢餓海峡(下) |
417 |
雑木 |
雑木 |
草とも雑木ともつかぬ背のひくい樹木が群生している。 |
飢餓海峡(下) |
417 |
樹木 |
樹木 |
草とも雑木ともつかぬ背のひくい樹木が群生している。 |
飢餓海峡(下) |
438 |
菩提寺 |
菩提寺 |
菩提寺で行われる法事の費用を |
飢餓海峡(下) |
449 |
木判 |
木判 |
額面を木判で゜捺したもので、 |
飢餓海峡(下) |
456 |
原始林 |
原始林 |
これを断崖の上の原始林の中にはこんで、 |
飢餓海峡(下) |
457 |
材木 |
材木 |
工藤という材木買いの人だったとね、 |
飢餓海峡(下) |
460 |
行李 |
行李 |
行李の底にあたためて残してきたのです。 |
飢餓海峡(下) |
466 |
桶 |
かいだし桶 |
かいだし桶をにぎった |
飢餓海峡(下) |
466 |
桶 |
かいだし桶 |
木島がかいだし桶を私の顔に |
飢餓海峡(下) |
466 |
棒切れ |
棒切れ |
棒切れで左腕を大きく |
飢餓海峡(下) |
467 |
櫓 |
櫓 |
渾身の力でもっていた櫓を大振りにふっていた。 |
飢餓海峡(下) |
471 |
森林 |
森林軌道 |
森林軌道の上で、はじめて杉戸八重さん |
飢餓海峡(下) |
471 |
木切れ |
木切れ |
そうして、その木切れを山へはこんだ。 |
飢餓海峡(下) |
476 |
行李 |
行李 |
八重さんの行李の底にのこしていたその古新聞と |
飢餓海峡(下) |
481 |
板 |
板 |
いま、一枚の板となってそれは浮いてみえる。 |
飢餓海峡(下) |
482 |
櫓 |
櫓 |
自己防衛のために櫓を振りはらった刹那、 |
飢餓海峡(下) |
510 |
ケヤキ |
欅 |
欅の繁った裏庭の戸が静かにあいたのは |