谷崎潤一郎の小説「母を恋うる記」に出てくる樹木や木製品
この小説の初出は1987年、文庫本におけるページ数は28ページ
ページ |
元樹種 |
掲載樹種 |
掲載言葉 |
216 |
マツ |
松 |
長い長い松並木が眼のとどく限り続いて |
216 |
枝葉 |
枝葉 |
ざわざわと枝葉を鳴らして居た |
218 |
マツ |
松 |
この松並木の月の色が |
218 |
マツ |
松 |
長い長い松原の右の方には |
219 |
柱 |
柱 |
立って居る電信柱だけである |
219 |
マツ |
松 |
左側の松原に並行して |
219 |
マツ |
松 |
ざあーッと云う松風の音の間から |
219 |
マツ |
松 |
同じような松の縄手が |
220 |
マツ |
松 |
松の葉の色さえ忘れて居たくらいなのだから |
220 |
マツ |
松 |
松の葉と云うものが緑色であったことを |
220 |
マツ |
松 |
黒い松の樹とを長い間 |
220 |
マツ |
松 |
幾度か松並木の間に |
220 |
マツ |
松 |
今通って来た松原も |
221 |
マツ |
松 |
松並木の間から |
221 |
塩梅 |
塩梅 |
夜が明けかかるような塩梅に |
222 |
粗朶 |
粗朶 |
囲炉裏の傍で粗朶を焚いていて |
222 |
マツ |
松 |
ちょうど松並木のつきあたりに見えている |
222 |
マツ |
松 |
向う側の大木の松の根本にまで |
223 |
薪 |
薪 |
二三本の薪がくべてあって |
226 |
マツ |
松 |
大きな松の木の林が頂上まで |
226 |
木 |
木 |
私の周囲には木の下闇が |
226 |
マツ |
松 |
鬱蒼とした松の枝に遮られて |
226 |
マツ |
松 |
この街道の松並木と同じような |
226 |
マツ |
松 |
例の松風の音が颯々と聞こえている |
226 |
マツ |
松 |
さあッさあッと云う松風の音が |
227 |
マツ |
松 |
この松林の奥へまでも |
227 |
マツ |
松 |
ちょうど正面の松林が疎らになって |
227 |
マツ |
松 |
まだ松林は尽きないけれど |
227 |
マツ |
松 |
うっかりすると松林へ紛れ込んで |
228 |
マツ |
松 |
青白い月が松の葉影をくっきりと |
228 |
マツ |
松 |
先刻松林の奥から見えたのは |
228 |
林 |
林 |
殆ど不意に林の中から |
228 |
林 |
林 |
この山陰の林の上にも押し寄せて |
228 |
マツ |
松 |
見覚えのある枝振りの面白い磯馴松が |
230 |
マツ |
松 |
自分もあの磯馴松や砂浜のように |
231 |
マツ |
松 |
何本も先の磯馴松の奥の方からか |
231 |
根 |
根 |
もう少しで松の根方を濡らしそうに |
231 |
マツ |
松 |
もう少しで松の根方を濡らしそうに |
231 |
マツ |
松 |
今度は松の影を数えながら |
231 |
柱 |
柱 |
私はさっき電信柱を数えたように |
231 |
マツ |
松 |
松は従であるかのように感ぜられる |
231 |
マツ |
松 |
松は消えても |
231 |
マツ |
松 |
鮮かな磯馴松の影が |
231 |
マツ |
松 |
松と影とは根元のところで |
233 |
マツ |
松 |
地上には私と松の影より外に |
234 |
マツ |
松 |
路には磯馴松があって |